2020 有馬記念各馬見解②
9.クロノジェネシス
前走は出遅れてベストではない瞬発力勝負でアーモンドアイに肉薄したのは、非常に評価出来る。度々陣営から瞬発力勝負はどちらかというと微妙というコメントがあったが、地力がそもそも高いので、結局どういう競馬でも出来る。時計を要する馬場は◎で、コーナー4回非根幹距離にも実績がある。付け入る隙があるとすれば、25という今までで最も長い距離くらいか。
10.カレンブーケドール
前走は先着されたのが、3冠馬3頭だけに非常に中身の濃いレースだった。昨年のJCと同様4角手前から早めにスパートして、一瞬は突き抜けると思えたくらいの手応えだった。とにかく長く脚を使えるのが強みであり、その点中山は合うはず。オールカマーはかなり早くに仕掛け、紫苑Sは開幕週でキレ負けしていた。そういう意味では有馬は馬場、距離的にもマッチしており、条件としては非常に良い。勝ち切れない競馬が続いているが、あれだけ垂れずに持ち堪えるポテンシャルがあれば、このメンツでも十分太刀打ち出来る。ただ、池添が変に色気を持って乗りそうなので、悪い意味で怖い。
11.モズベッロ
前走は道悪で前が苦しくなった展開がハマった。今回はそこからの休明けであり、1週前時点でも騎手が未定であった。臨戦過程の時点で厳しいのは否めず、脚質的にも後ろ過ぎるのが気掛かり。ここを叩いて日経新春杯、日経賞当たりが狙い目?
12.オーソリティ
前走は、休明け・東京25の大外枠から先行・初の古馬混合戦・状態不安という四重苦の中で完勝。前走だけ見れば、この馬が1番良い内容だった。そもそもアル共は3歳馬があまり参戦しないレースであり、それはタフでキツイレースになるため。同じような条件で勝ったスワーヴリチャードは、インベタ先行で押し切り、次走得意ではない右回り7枠の有馬で、全盛期のシュヴァルグランに肉薄。ホープフルS(不利があった)、弥生賞ではまだ馬が出来上がっていなかっただけ。青葉賞は終始ダノンセレスタに揉まれたり、リズムを崩す等結構苦しい競馬をしている。東京25の大外枠であの競馬が出来るのなら、中山25の6枠がキツいということは無いはず。1発があるならこの馬か。
13.フィエールマン
クロノジェネシスと同様、瞬発力勝負でアーモンドアイを追い詰めた点は競馬センスの高さを窺えた。ただ、やはり1週前追い切りの内容が気になる。(気になること: KoUDAIさんのひとこと日記 | Find - 掲示板SNS) また、右前脚の腫れ等があるのは事実であり、そもそもコンディション的に万全なのかが何とも言えない。かと言って、この中では地力は最も高いと言って良いくらいなので、安直に切りたくない。杞憂に終わる可能性も十分にあることから、現状あくまで抑え評価に留めておく。
14.サラキア
前走の最後の脚は非常に素質を感じさせるものだった。この馬は元々脚はあってもトモのバランスが悪く、スタートでかなり後手を踏んでしまっていた。今は成長に連れて改善され、以前程の出遅れが少なくなっている。ただ、やはり距離がネック。2200までしか経験が無い上に、前走は、通過順から分かるように、ラッキーライラックが前を掃除してくれた恩恵があった。ルメールがレース後に北村友一の仕掛けが遅れたことも勝ったことの要因だと軽くディスっていたが、あれはムチを落としたことも一因としてある。また、松山の気質上、早めに仕掛けて脚を無くしてしまうのではないか。かと言って後方で溜めに溜めても、ラッキーライラックを交わせなかった事実がある。今回、そのラッキーライラックと同等、それ以上のクロノジェネシスもいて、どんなに上手くハマっても掲示板確保が精一杯なのでは。
15.オセアグレイト
前走は超スローペースの番手という絶好位置が好走要因。それは着順と通過順にも表れており、4角の通過位置からそのまま押し切ったような着順になっている。それくらい展開に恵まれていたということ。目黒記念、アル共では見せ場が無かったように、ここでは厳しい。
16.ユーキャンスマイル
前走は完全にレースの流れに乗れていなかった。キセキが大逃げする特殊な展開だったとはいえ、昨年のこの時期と比べると、明らかにパフォーマンスの質が落ちている。アル共でもレースの流れに乗れていなかったために、あのメンツで馬券を外していた。マカヒキと負け方が似ており、通過順からも脚どうこう以前にレースに参加出来ていない感じがする。阪神大賞典はキセキの大出遅れに加え、メンツが軽過ぎただけ。春天もあの距離で浜中が多少促して前目に付けている。今のこの馬に対するイメージは、2400m前後でも短い印象。距離が長いと言われていた菊花賞含め、3000m級での実績は文句無し。有馬はコーナーを結構回る上に、仕掛け所で一気にスピードが上がるレース。また前走のようになると思う。