現実と現実
新学期が始まったばかりの部活紹介の時。
我々演劇部はここ数年間ちょっとしたミニコントをして最後に「演劇部に、行かなくっちゃ!」というのがお約束だった。
今年はコロナに感染したりで色々あってまともに脚本も作れなかったので流れ的には去年と変わらないようなものだった。(新入生が遅刻しそうな中演劇部員と出会っていいところを話す)
自分は去年は出る側だったが今年は2年が担当だったので自分の出番はないと思っていた。だが新入生歓迎公演の宣伝をしていないことに気がついたので行かなくっちゃの前に俺がしゃべることになった。
迎えた本番。部局長会議の時に今までの部活紹介はつまらんと言われたのか全員凝った紹介をどんどんしていく。
弓道部が実戦で初っ端からど真ん中貫いて体育館が揺れるほどだった。
劇部は前半ブロックのトリだった。キャストもアフレコもタイミングバッチリで遂に出番が来てしまった。
正直場を盛りあげれる人だとは自分では思ってないので普通に宣伝するだけでよかったのに新入生歓迎公演をします!イェーーーーーーーーイ!!!!!!と一人で暴走してしまった。
ドン滑り覚悟で挑んだがなぜか大歓声が起こった。指笛が聞こえた。2、3年生の拍手が凄まじかった。弓道が真ん中貫いていたのと同レベルで沸いた。
そのあとバスケ部が5人連続シュートを成功させたりで色々あり、俺のイェーイはその日3番目ぐらいに場を沸かした。一人で。怖い。
そこまで沸いたから入部も期待できるなーと思っていたが、1人。
1人。
1人。
これが現実だった。なんなら戦犯は俺かもしれない。俺のことを陽キャと勘違いされ怖がられたかもしれない。やらかした。これが現実だった。
弓道は22人もきた。部員カービィだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?