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満月のおまじないで心も体も美しく

満月の夜になると、必ず思い出すおまじないがあります。

心と体が美しくなるおまじない
グレープフルーツジュースとオレンジジュースをコップに半分ずつ入れて、そこにミントの葉を浮かべる。
満月の光に数秒当てた後、ゆっくり飲み干すと、心も体もきれいになれる。

このおまじないは、「にんにくー!」と叫ぶおまじないと出会ったのと同じ頃に知りました。
今回の原稿執筆を機に昔の雑誌や本を探してみたのですが見つからず、残念ながら出典は不明です。
子供の頃の私は一体誰かに聞いたのか、それとも何かの本で見付けたのか……。

満月の日になると思い出すわりに、実は一度もやったことがないおまじないでもあります。
理由は簡単。おまじないの道具を用意できないから。
子供の頃は、2種類のジュースを買って、と親にお願いすることができませんでした。
ミントの葉なんてさらにハードルが高く、「どうして?」と聞かれた時に、「おまじないをするから」とは言えなかったので諦めざるを得なかったのです。
大人になった今はというと、ミントの葉はベランダで栽培しているので問題ないのですが原因はジュースです。
満月の日の朝に思い出せれば2種類のジュースを買いに行けるのに、どうしても思い出すのが夜で買いに行けなくて諦める、というパターンを繰り返しています。
このおまじないをすれば美しくなれると分かっているのに。

だからなのか、私はこのおまじないに憧れがあるかのように、朝食ビュッフェやドリンクバーなどでグレープフルーツジュースとオレンジジュースが並んでいるのを見ると、反射的に思い出してしまいます。
そうすると、その日が満月ではなくても関係なく試したくなるのが当然の流れ。
私はさも冷静なふりをして、でも勝手に小走りになるのを抑えながら、近所でジュースを買い、急いで家に帰ります。
持っている中で一番お気に入りのグラスを用意して、そこにグレープフルーツジュースとオレンジジュースを半分ずつ注ぎます。
慎重に、そして丁寧に。
満月の光を当てることはできないけれど、天にかざすようにしてからゆっくりと口に入れます。
二つのジュースを混ぜ合わせることで、グレープフルーツジュースの苦みは消え、オレンジジュースの甘さは抑えられ、とてもまろやかなジュースになっています。
そして飲み干す頃には、心の中の余分なものが剥がれ落ちていき、クリアになる感覚があります。

グレープフルーツジュースもオレンジジュースも、ビタミンCをはじめ、カリウムなどの栄養素、さらに食物繊維も入っているので、物理的にも美しくなる要素が詰まっています。
また、薬膳の視点から見ると、柑橘類にはイライラや興奮した心を落ち着かせる作用もあるようです。
「心と体が美しくなる」というおまじないの効果は、ただの空想の世界の話ではなく現実のものだったのです。

だからこの飲み物は、私にとっては魔法の飲み物。
リフレッシュして生まれ変わる感覚が欲しい時、気持ちに流れを生み出したい時にも、とても効果的です。
まるで新たに作り出したおまじないのように。
でも、次の満月の夜こそは、本来の効果を手にするためにおまじないをしようと思います。

それでは、皆さま、良い夢を。


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