金環日蝕の夜、本当の自分に会いに行く
本日は新月。牡羊座の新月です。
2023年、牡羊座の新月となるのは先月に続いて二度目。
同じ星座で二度も新月を迎えることは、なかなかめずらしい現象です。
さらに、今回は金環日蝕となる特別な新月。
これは、きっと良いことが起きるに違いない!と私はこの数日楽しみにしていました。
なぜなら牡羊座は新しいスタートを意味する星座です。それに加えて金環日蝕は次のステージに進むための大きなエネルギーが流れるため、その2つが重なるということは、人生においてもターニングポイントとなるような何かが起きるに違いありません。
私は、何か新しいことを始めることや新しい環境に飛び込むことが昔から好きでした。
小学校を転校した時もまったく怖くはなく、むしろワクワクしていました。それは大人になっても変わらず、転職をして新しい会社に入る時も、不安や恐怖を感じたことは一度もありません。
実際新しい世界に入ってみると良い友だちや同僚に出会うことができ、意地悪されたり嫌な気持ちにさせられたりすることはなく、順調に新しいスタートを切れてきました。
ただ、それでよかったのかな、と思うこともあります。
というのは、本当の自分がどんな性格か分からなくなっている原因がそこにあるのではないかと私は最近考えるようになったからです。
私の長所であり短所でもある、周りに溶け込みやすいところは、「その場所」に合う性格を瞬時に判断して、違和感なくフィットする人格を無意識に作り上げてきました。
そこに努力や苦労はなく、本当に自然に。
キャラを使い分けている、とか、演じている、とか、多重人格、というほど大袈裟なものではありません。ただ、その場所の雰囲気の中で浮くことなく存在できるような性格を身に纏うというだけです。
私自身の基本となる性格はおそらく変わらないけれど、別の環境での私とは纏っているものが違います。
学校、習い事、職場、コミュニティ、いろいろな場所に身を置いてきた私は、同じ数だけいろいろな種類の性格を纏ってきました。
そうすることで新しい場所に難なく馴染むことができ、そこにいる人たちと仲良くなることができていました。
でも、それで本当によかったのかな、と・・・。
風の時代になり、本当の自分とは何かを考えるようになった私は、ふと気になりました。
ピンク色の石の上に青い色の布を被せたり、黄色の布と取り替えてみたり、その上に紫色の布と白い布を重ねたりしていると、中心にある石の色が何色だったのか分からなくなるのと同じように、本来の私について考えたときに、生まれ持った性格がどんなものだったのか、思い出せなくなっていたことに気が付きました。
そして、青い布を纏った自分も嫌いじゃないけれど、紫色の布を纏った自分も好きだけれど、白い布を纏った自分もある意味自分ではあるけれど、でもやっぱり本来の色の私に会いたい、と思ったのです。
とはいえ、それは簡単にできることではないというのは想像がつきます。
何十年もかけて纏ってきたものは、そう簡単に剥がれるはずがありません。
必ず何かを纏っていた私にとって、何も纏わないのは怖いこと。傷付くこともあるかもしれません。無防備極まりない状態で、居心地も悪くなるはずです。
それでも、一枚ずつ布を剥がしていきたい、と思うのです。
なぜ急にそのような気持ちになったのか、自分でもよく分かりません。もしかしたら、今まで隠し続けられていた私がかわいそうに思えたのかもしれません。
だから、本来の自分で生きたい!という情熱的な衝動というよりも、私くらいは本当の私を認めてあげたい、という慈しみに似た気持ちのほうが大きい気がします。
どちらにしても私のため。私のために私を見付けてあげたいと思ったことが私を突き動かしました。
牡羊座の新月はスタートの時ですが、私がやろうとしていることは、何かを始めるのではなく、終えること。
でも終えた先には本来の自分と新しい生き方が待っていてくれます。そう思うと、新しい環境に飛び込むときのようなドキドキを感じます。
振り返ったときに人生のターニングポイントだったと言えるように、この日から纏った布を一枚ずつ剥がして丁寧に畳んでいく作業をしていこうと思います。
それでは、皆さま、良い夢を。