レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.23
【過去の投稿です】
[31枚目]●ジミー・ロジャース『テキサス・バウンド』<アントンズ/Pヴァイン>(90)
タイトルは日本で付けられたもの。原題は彼の代表曲でもある『ルデラ』だ。
シカゴ・ブルースの顔役の一人、ジミー・ロジャース。<チェス>のモノクロ・ジャケット・シリーズ?の一つ『シカゴ・バウンド』が思い出される。<アントンズ>の本拠地はテキサスだが、紛れもないシカゴの薫りに包まれている。『シカゴ・バウンド』になぞらえ『テキサス・バウンド』と称された由縁だ。
当レーベルは、クラブ経営との二本立て。本盤でも、スタジオ録音とライブ録音を混在させている。メンバー構成が少々違う。両方に共通しているのは2名。プロデュースも担当しているハープのキム・ウィルソンと、ピアノのパイントップ・パーキンス。ライブにはヒューバート・サムリンが参加。ベース&ドラムのコンビは、スタジオとライブの一部と、ライブ組。ギタリストがスタジオとライブ、各々一人ずつ付いている。主役のジミーは、サイド・ギターに徹し、ヴォーカルで存在感を見せている。カスレてはいるが、マディ系のマニッシュな歌声を聴かせる。また、自分が中心になるのではなく、バンドの一体感を大事にしているヴォーカルだ。
ベースとドラムのコンビネーションはどちらの組も安定している。そこに、ジミーばかりでなく、キム・ウィルソンやパイントップ・パーキンスも絶妙な演奏を聴かせる。特に、キムは多彩なテクニックを見せ、速いテンポの曲②⑤⑦⑬のドライブ感など相当なものだ。「彼のアルバム」と言っても良いいぐらいに目立っている。パイントップの、特にスロー曲での全体の音を引き締める連打攻勢も見事。ベース、ドラム、ギターも聴かせ所有り。
ミディアム~スローの①⑥⑧(含スライド)⑨(ジミー・リード風高音ハープ)⑪⑫辺りはシカゴ・ブルース・ファンには堪りません。⑩でマディ讚も忘れず。
※以下には本盤以外の音源もあります。
Rock This House
Gold Tailed Bird
Sloppy Drunk
Got my mojo working
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