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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.16

【ブログの過去記事】

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[23枚目]●カーティス・メイフィールド『ニュー・ワールド・オーダー』<ワーナー>(96)


大事故からの復帰作。世界中のソウル・ファンが驚喜したに違いない。しかし、結果的に遺作となり、悲しいアルバムとなった。ジャケット写真で瞑目するカーティスが、意味深にさえ思えてくる。

身体の自由が利かない状態なのに、訥々としたヴォーカルの中にも、力強さを感じる。過去の作品と比べても遜色がないし、多数のシンガーやプロデューサー、ミュージシャンが守り立てている分、より多彩なカーティスの魅力が発揮されていると言える。

オーガナイズド・ノイズのプロデュース②は、基本、カーティス・モードだが、味わいが微妙に違う。メイヴィス・ステイプルズの塩辛いバック・コーラスが好スパイスになっている。オーガナイズド・ノイズは⑧で再登場。淡々としながらも黒々としたサウンドを聴かせる。

③は安定のナラダ・マイケル・ウォルデン。ムードが少し明るくなる。アレサ・フランクリンがゲストだが、クレジットがvamp。魔性の女とでも訳すのかな。確かに人間離れした存在ではあるが・・・。歌詞は解らないが勇気づけているような感じが伝わる。最後に演奏が止まりひと言。「ゴー・アヘッド・メイフィールド!」。

マイケル・ウォルデンは⑩と⑬も手掛けている。オーガナイズド・ノイズがスタイリッシュに纏めれば、マイケルは開放的でメロディアスだ。カーティスには両方似合う。冒頭に「多彩な魅力」と書いたが、各プロデューサーが上手に光を当てているのだろう。

⑤はGファンク勢がやりそうな曲。ミッド・スローと言うのか、ゆったりとして心地好い。ラッパーの一人がメイフィールド姓だが、ファミリーだろうか。⑥と⑨は、テリー・トラウトマンのプロデュースにロジャーのミックスとトークボックス。ロジャーは控えめだが、哀愁を感じるようなトークボックスの音色だ。⑨ではシャーリー・マードックの手堅い歌唱も。

⑦に登場するのは、サンドラ・セイント・ヴィクター。クセのある歌い方だがクールな感覚があるので下卑ない。男女デュオはソウル・ミュージックの代表的な形態と言える。ここでのカーティスは、男女デュオに於ける男性ヴォーカルのステレオタイプに近づけて歌っている気もする。流石だ。

カーティス流ファンキー・ソウル、オールド歌物ソウル、90'sR&B、色々な感覚で愉しめ、統一感もある本作。カーティスへの思い入れがなくても素晴らしい仕上がりのアルバムだ。必携の一枚・・・いやいや、やっぱりカーティスへの思い入れと深い感謝の念は添えましょう。

Ms. Martha


Back to Living Again


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I Believe in You


It Was Love That We Needed


The Got Dang Song



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