アマゾンの森が燃えている。
寄り道ばかりの旅だけど、気づけばブラジルはサオパウロまでやって来た。ホステルのベッド。仲のいい友達に子供ができたというニュースで目が覚める。天気予報によれば今日の天気は「曇りのち煙」。アマゾンの森が燃えているのだ。
去年の同じ時期と比べて山火事の件数が83%上昇したと聞くとぎょっとするが、去年1年間で39759件の山火事が日常的にあったということにさらに仰天する。積極的に森林伐採を進めてきたボルソナロ政権以降、アマゾンの環境破壊がそれはもう急激に進んだことは紛れもない事実だけれど、アマゾンの熱帯雨林は現政権以前に70%以上失われている。スターバックスの紙コップを辞めるのはもちろん大事なことだけれど、森林破壊の原因は伐採だけじゃない。輸出用の大豆やトウモロコシなどの穀物や肉牛を育てるための無理な焼き畑は山火事の大きな要因となってきた。「山火事」で儲かる人間とそれを支える消費者がいる限り、ずっとそこで営まれてきた多種多様な動物たちや三千万人の生活とともに、アマゾンの森は最後の1本まで燃え続けるのだ。加工食品用の大豆やトウモロコシが農地を占拠し深刻な環境破壊を起こしているのはアマゾンに限ったことじゃない。極端に安く早くて便利なものって、どこかで誰かの生活や命が犠牲になっているもの。
新しい命のニュースは親しい仲間うちに夢とトキメキを運ぶ。けれど子供に夢を託す大人ほど無責任なものはないから、アマゾンを「消滅を待つ森」にしないよう、私たちは私たちの夢をしっかりと追っていかないと。