出会い、別れ、焦り ~2月のまとめ~
皆さんこんにちは。
日本では僕の大敵である花粉が蔓延り始めたとの噂を聞きました。ポルトガルにはスギ花粉はないらしいのですが、少しだけ鼻がムズムズします。もしかしたら他の花粉にもアレルギーがあるのかもと思いつつも、病は気からとも言います。ポルトガルに花粉症はないと信じ込みながら次の月も過ごしていきたいと思います。
流れる季節の真ん中で
さて、この2月を振り返ると、まずは出会いと別れの月だったと感じる。日本で出会いと別れの季節と言えば3月や4月だが、ことポルトガルでは少し早く訪れる。1学期に出来た友達がほとんど皆自分の国に帰ってしまったのだ。彼らのほとんどはエラスムスというヨーロッパ独自の交換留学制度でコインブラに来ており、半年で帰国するのが通例のようだ。
時にはWhatsAppのメッセージで、時には直接、別れの挨拶をすることができた。自分の国や街に来る時は絶対教えてくれよ!という言葉をかけてくれる友達も居て、とても嬉しかった。やはり今まで何気なく会えていた友達に簡単に会えなくなるというのは悲しいもので、目を赤くしながら見送るのがほとんどだった。また会える日が来ることを心から楽しみにしつつ、感傷に浸る暇もないままに新学期が始まった。
その一方で、新しい出会いも多くあった月だったと言える。こういうのがスタートダッシュが肝心だということを既に過ごした1学期から学ぶことができた。日本よりも「友達」のハードルが低いのか、みんなが社交的なのかあっという間に人の輪が完成されていく。いつもより少し社交的になれるように頑張った結果、この学期を過ごしていくには十分すぎるくらいの友達ができた。案外やってみるものだ。
新しい学期、新しい悩み
新学期は4つの授業に登録した。ヨーロッパ現代史、EU政策論、ポルトガル語、英語だ。
ただEU政策論は留学生には場違いな雰囲気を感じてしまったため早々に諦め、ヨーロッパ現代史はどうしてもモチベーションが上がらず行くのをやめてしまった。結果的に残ったのはポルトガル語と、英語のディスカッションクラスの2つのみ。
「これじゃ学びではなくて遊びじゃないか」「根性がない」「何をしに留学に行っているのか」この体たらくを見てそんな感想を持った方も多いだろうし、自分の中からも少なからず聞こえてくる声だ。
ここからは少し言い訳をさせてもらいたい。少なくともこの場はそれが許されることを願って。
まず自分なりに留学に来た目的を、余計なものを取っ払って、因数分解のように整理してみたのだ。これはヨーロッパ現代史の授業中、もう無理だなと悟った時にメモに書き出し始めていたことだ。「一回ぐらい日本の外に出て生活してみたかった」、そして「英語やポルトガル語を使ってコミュニケーションを取れるようになりたい」、という非常にぼんやりしている2つの思いを実現させる、というよりやってみる、試してみるという思いがポルトガルに来たそもそもの理由だった。
ぼんやりし過ぎているがために、かなり迷走した。今までの留学生活を客観的に思い返すと、成功よりは失敗が頭をよぎる。もっと勉強すべきだったかもしれない、逆にもっと遊ぶべきだったかもしれない。色んな思いが今も頭の中をぐるぐる駆け回っている。そんな後悔から来る焦りが、ここ最近頭から離れないのだ。
その迷走や焦り、後悔はどうやら終わりのないものらしいということが最近分かってきた。選択肢Aを選べば、Bが思い浮かぶしBを選んだ先の出来事も想像できる。何ならC,Dも出てくる。それならいっそAをどうにか正解にするしかない。自分で選んだ選択肢を、正しかったと思えるように自分でしなくてはいけない。そんな言い訳のような結論が最近の僕を動かしている。
そんな焦りもあるが、実は今の生活をとても気に入っている。自分のやりたいことをやる時間がこれでもかというほど有り余っている。なりたい自分になるというのはとても難しいことだし、苦労の絶えないことだ。ただ、その過程をクリアできないのならば、失敗したと言わざるを得ないだろう。そんな最悪の事態を回避するために動いているに過ぎないが、3月もいい日々にしていけたらと思っている。
【今日の一枚】
ここは我が家の近くでもあり、コインブラで最も発展している通りだ。6ヶ月目で初めて名前を知ったのだがRua Ferreira Borgesと言うらしい。昼間は観光客や街の人々で賑わっているが、夜になるとご覧の通り人の姿すら見当たらない。コインブラは今日も平和だ。
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