【ぱすメモ】ぱすてるメモリーズの、ちょっとメタな話。
ぱすてるメモリーズの世界には、カメラが趣味で鉄道もコスプレも日常も見境なく、時には「え、それプライバシー的にアウトだよね?」みたいな写真もバシバシ撮ってしまう「里中小町」という女の子がいる。彼女の「大切な思い出は写真に残しておきたいんだ」と言ってやたらめったら写真を撮るって行動は、ただそういうキャラ設定であるというだけなんだろう。それ以上の意味なんてたぶんない。
小町含めたうさぎ小屋本舗の女の子たちはいつも元気で楽しくお茶目に振る舞っているけれど、本当は余命幾許も無い。昨日までと何ら変わりのない楽しい一日を過ごした次の日に。今日もまたいつものように楽しい一日が始まって、これからもずっとそうだといいな、と思っていた次の瞬間に。突然、知覚されることなく、彼女たちの世界は完全に消えてなくなってしまう。ソシャゲの世界はサービス終了によって「止まってしまう」んじゃない。「消えてしまう」んだ。
小町は、それこそあらゆるものを写真に収めようとしている。それが僕には、「彼女の本能が、ある日突然消えてしまうこの世界を必死に残そうとしている」…そんなふうに見えてしまうんだ。彼女はとても感性的で素直な子だから、もしかしたら本能的にこの世界の「仕組み」を拾っているかも知れない。「秒間3000連写、9000兆枚まで入る大容量メモリー」の「沙織特製超インスタントカメラ」ですらも彼女が遺したいものには足りない。
でも、そんな彼女が収めた『世界』も、彼女が遺したかった『世界』も、『その時』が来れば一緒に消えてなくなってしまう。
彼女はいつも笑顔で事あるごとに大笑いするけど、そんな彼女が笑う度に、僕はちょっと泣きそうになってしまう。