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コミュニケーション能力って大事だけど消耗しちゃう|消耗しない働き方

 コミュニケーション能力がある、とか、ない、とか言いますよね。略してコミュ力って呼んだりもします。そりゃあね。コミュニケーションがとりやすい方が付き合いやすい、一緒に仕事しやすいって、わかるんですけどね。わかるけどしんどいんです私。
 コミュ力って何なのか。本当に大事なのか。察して、察される能力がコミュ力なのか。

 コミュ力求められて消耗しちゃうのはなんか違うんじゃないのって、特に仕事のコミュニケーションについて書いてます。

■新入社員に求めるスキルのトップを独走しています

 多くの会社が新入社員に求めるスキルとして「コミュニケーション能力」を挙げています。経団連が長い間実施してきた「企業の採用活動に関する実態調査」でも、選考で最も重視したのは「コミュニケーション能力」と回答する会社が16年連続トップでした。
 いくつかの就活対策サイトでは、コミュニケーション能力とは「相手の話を理解し、自分の意見を的確に伝える能力」だと定義づけていました。​

■コミュニケーションを定義してみる

 コミュニケーションとは自分と他人との間でメッセージを伝え合うことです。言葉(話し言葉だけではなく書き言葉や手話も含む)でメッセージを伝え合うことを言語コミュニケーション(バーバルコミュニケーション)、言葉以外の方法でメッセージを伝え合うことを非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)と呼んで分類されます。声のトーンやスピードは非言語コミュニケーションに含まれます。

 言語で伝えられる情報は限られています。言語以外の方法から相手が受け取るメッセージは6割だとか、9割だとか諸説あります。つまり、日常のコミュニケーションの多くは非言語のものであるとされています。
 だから、言葉では十分メッセージを伝えられないのだから、表情や話し方にも気を配ろうとか、相手の言葉の行間に込められた思いを感じ取ろう、といった非言語コミュニケーションのスキルが求められることとなります。

■コミュニケーションを邪魔するものがあります

 メッセージを言語で伝えるときは、言語以外のものが邪魔をします。「あなたと一緒にいて楽しかった」と伝えたいのに伏し目がちで口角を下げ、低い声で「今日は楽しかった。また、誘ってね」という言葉を発したとします。それで相手に「楽しかった」という気持ちは伝わるでしょうか。
 楽しい気持ちを伝えるときは、自然と口角があがり、声も高くなるものです。

 ところが、コミュニケーションにも個人差があります。相手がもともと声のトーンが低い人だったら、声のトーンで間違った気持ちを察してしまうかもしれません。また、これまでに受けてきた教育や環境から「むやみに笑うものではない」とか「声のトーンは抑えるべきだ」と考える人が口角を上げることは大変難しく声のトーンは低くなりがちです。非言語コミュニケーションを正しく読み取り、発信するためには、相手のことを良く知っておかなければなりません。

■一緒に働く人は選べないんだもの

 職場にはいろんな人が集まってきています。良く知っている人もあまり知らない人も、気が合う人も合わない人もいて、ほとんどの場合は一緒に働く人を選ぶことができません。さらに、職場で見えているのはその人のほんの一部です。そのような特徴がある職場の人間関係において、表情や声のトーン、しぐさや態度から正しいメッセージを読み取ることは非常に困難です。
 
非常に困難であるにも関わらず、働く人は非言語のメッセージは読み取らなければならない、として消耗してしまっています。

■だから察して察される能力を要求されてるんだわ

 暗黙の了解という明確ではないルールを明示しないまま共有しようとしたり、職場の雰囲気を読んで発言する内容を考えたり、相手の言葉の行間に何かが表現されていないかと探したりしているのです。 

 こうして職場において非言語コミュニケーションの役割が過大になった結果、会社は、非言語コミュニケーションの理解をますます求めるようになっているのではないでしょうか。

■言葉で伝えないと伝えられなくなる

 部下や仲間にやって欲しいこと、求めること、やらなければならないことか、余裕があったらやればよいことか。それを察して、察される能力や行間を読む能力をコミュニケーション能力と呼んで重宝しているように思います。
 そのせいか、はっきり言葉にして要求する人、確かめる人を「空気が読めない」といって敬遠ことがあります。敬遠されたくないから、わからないことがあってもあいまいにします。あいまいなまま相手の出方を見て対応を決めることもあります。

 コミュニケーションにもトレーニングは必要です。思いを言葉にする。考えを言葉で示す。言葉を口にして伝える。そういった日常のトレーニングをしないでいると、言葉のコミュニケーションはどんどんできなくなっていきます。

■言葉を使うことに慣れたいと思うのです

 言葉にして伝えられる、わかりやすくかみ砕いた言葉を選べる、正確に確実に伝えられる。特に仕事の場で、そうした能力がもっともっと大切にされたら、不要な消耗が減るんじゃないかな、と考えています。

 「表情や行間だけでは正確に伝わらない」「伝えたいことは言葉で伝える」「額面どおりに受けとることを前提に言葉を選ぶ」
 伝わらないのは伝えていないからなのです。「伝えたいことを伝わるように伝える」にはトレーニングが必要です。反対に言えば、入社時に(会社が思う)「コミュニケーション能力」を持っていなくても、トレーニングをすれば身につくスキルなのです。

 言葉を使って伝えることに慣れましょう。相手の理解に合わせて伝えることに時間を割きましょう。伝わらなかったら伝わる方法を試行錯誤で見つけましょう。消耗しない働き方のキモのような気がしています。

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