BodyTalkは病気治しの手法なのか
一般的に西洋医学でうまくいかない方のための代替療法、もしくは補完する手法と思われがちなBodyTalkですが、私はBodyTalkを病気治しのための手法とは思っていません。
確かに奇跡と思われるような症例も少なからずありますし、日々各地でBodyTalkの健康面での効果を実感されている方は多いことでしょう。
私が開催しているBodyTalk Accessセミナーでも、入門編とはいえセミナー中の練習で驚くような変化をされる方が毎回のようにいらっしゃいます。
・五十肩の痛みがその場で無くなり、腕が挙がるようになる方
・石灰化していると言われており、伸ばすと痛かった肘関節が何の痛みもなく完全に伸ばせるようになる方
・数年来の腰痛がセミナー中に消失してしまい、自分で信じられないくらいだという方
・朝痛めたばかりの寝違えによる首の痛みが、ほんの1分で首をグルグル回せるくらいに回復した方
・キャンセルしようか悩むくらいの胃の不快感があったのが、一つ目のテクニックをやっただけでスッキリ消える方
これはほんの一例で、こうした即時的な変化のみならず、時間が経過してからの変化も沢山ご報告を頂くのです。
ではBodyTalkは病気治しなのか。
私の答えはNoです。もちろん結果的にそうなることはあると思いますが、その目的を超えたものだと思っています。
それを説明するためには「病気」や「症状」とは何かというところから考えてみる必要があります。
病気やそれに伴う様々な症状は確かに辛いものです。
そして多くの場合、病変や痛みなどの症状を何とかしようとすることが治療として行われます。風邪薬などはその典型例です。
ところで今現在、風邪のウィルスを殺せる薬はありません。
風邪のウィルスを殺せる薬が開発できたらノーベル賞といわれています。
では風邪薬は一体何をしているのかというと、風邪に伴う熱や関節痛、鼻水、咳などの症状を抑えているのです。
頭痛も多くの場合原因がわからないといわれていますが、頭痛薬がてきめんに効く時もありますよね。
でもそれは頭痛の原因を治しているわけではありません。
つまり原因ではなく、目に見えている結果(症状)に対処しているわけです。
これが対症療法です。
その後風邪が治ったりするのは、体が持つ治癒力以外の何物でもありません。
ある意味、医師が風邪薬を出せるのは、この治癒力を信じているからとも言えます。
そうでなければただの症状消しなんて怖くて処方できないですよね。
私はこの対症療法が絶対的に悪いとは思いません。
そりゃここ一発乗り切らなきゃならない時もありますし、つらい症状だけでも何とかしたいケースもあります。
しかし、原因を考えることなく、常に症状消しに終始していたらどうでしょうか。
症状というのは、ある意味火災報知機のようなものです。
痛みや症状があることで人間は自分の異常に気づくことができるのに、それを消すことに焦点を当てるというのは
火災報知機を「うるさい!」と言ってハンマーで叩き壊すのと同じです。
そうなれば別のところでまた火災報知機が鳴り出すというわけです。これでは解決にならないばかりか、むしろどんどん手遅れになっていくでしょう。
人間の場合そうならないこともあるのは自然鎮火(自己治癒)の能力があるからです。
したがってBodyTalkはその方の病名や症状が何であるかには着目しません。
病名や症状は火災報知機の音であり、火災報知機を壊したり、何か防音のものでもかぶせて、
音が出ないようにすることが本来の解決にはならないからです。
では何が大事なのか。
火を消すこと?
それも確かに大事です。
そして同じくらい大事なことは、なぜ火事になったのかということです。
そこを解決しないままで、火が消えたからと安心できるでしょうか。
火災現場では、消防が必ず火事になった「原因」を探しますよね。
これを人に当てはめる時、なにが「原因」なのでしょう。
それはその方の人生の歴史です。
今この瞬間より以前に
・どういった環境で生活し
・どういう記憶があり
・それによってどんなネガティブな信念や思い込みのフィルターがあり
・そしてそれがどんな感情や想念を惹起させるのか
これが重要なのです。これが言わば「土壌」を作るからです。
土壌がしっかりしていれば大抵のウィルスや細菌、化学物質や微量毒素は問題になりません。
もちろん程度問題ですが。
同じ場所にいて、同じものを食べていても病気になる人とならない人がいます。
たばこを毎日何本も吸っていても90過ぎまで生きる人もいます。
その違いは「土壌」なのです。
ちなみに土壌が乱れている原因を会話で探っていくのには限界があります。
本人が自覚していないことも多いからです。
そこで神経−筋バイオフィードバック法という方法で、筋肉の反応を介して確認していくのです。
そうするとなぜ今そういった症状を生んでいるのか、その深い意味がわかることもあります。
症状は体の声なのです。
さて、これまで書いたことは、その方に何らかの病気や症状がなくても同じことが言えます。
つまり
・どういった環境で生活し
・どういう記憶があり
・それによってどんなネガティブな信念や思い込みのフィルターがあり
・そしてそれがどんな感情や想念を惹起させるのか
これを探します。
病名や症状に焦点を当てないのですから当たり前ですね。
当セッションルームには何らかの病気や強い症状を持った方もいらっしゃいますが、それが主訴という方はむしろ少ないです。
ではどういった方が多いのかというと
・やりたいことがあるけれども、なかなか踏み出せないでいる
・本番で本来の力を発揮できない
・他人との距離感の取り方について悩んでいる
・良いパートナーと出会えない
・今仕事や家庭で自分が置かれている状況がつらい
・自信がなく、自分の意見が言えない
・孤独感がつきまとう
・常に何かやっていないと気が済まず、体が休まらない など
そして多くの方がこういった問題を解決され、その方にとってより良い人生を歩んで行かれます。
その変化と並行して体の症状が消える方も少なくありませんが、もともとの課題だけでなく、その他の色んな問題、
そして「その人全体」が変化していくのです。
ただこういった変化というのはなかなか気づきにくいですよね。
それよりは数値として現れるものの変化や、目に見えた病変の消失などに目が向きやすいのです。
ですので症例としては、そういった事例のほうがわかりやすいため、目に見える変化をご紹介することが多いわけですが、
実はその裏では「その人全体の変化」という、もっと大きいことが起こっているわけです。
さて、これは病気治しなのでしょうか。
もはや「病気vs健康」の図式を超えたものだと思っています。
BodyTalkは病気治しの手法ではなく、人が死なないようにする手法でもありません。
BodyTalkをやったからといって、その人本来の死期が変わるわけではないでしょう。
ただそういう意味で言えば、その人の本来の寿命を全うするサポートはできると思います。
人生の道が変わるわけではありませんが、その道を歩むのが楽になる。
摩擦を取り去って、無駄なエネルギーを使わなくて済むようにする。
そしてより良い人生を歩んでもらうためのサポートをするのがBodyTalkだと思うのです。
消えるべき病気はその過程で消えていくに過ぎません。
健康であることが人生の目的ではないのですから。