千葉大でスタートアップの流儀を講義してきた(2/3)
母校の学生(1年生)にお仕事紹介してきたシリーズです。前回は学生時代の話でしたが、今回は就活と今の仕事の話です。1年生達に少しでも働くイメージと就活の考え方のヒントを持ち帰ってもらうべく頑張りました。学生さんの参考になればこれ幸い。
前回: https://note.mu/konpyu/n/n9d3e3195b673
就活であっさり挫折し方向転換
デザイン科には院までいました。就活シーズンになったので作品集を何社かに送りつけたのですが、カスリもしなかったんですね。これは向いてないわと思い、2ヶ月もしないうちにデザイナーはやめとこ、と思いました。
自己分析をやるまでもなく、毎日スーツ来て関係者に頭下げて...とか絶対できないと思ったので、いわゆるニッポンの企業ではなく、専門職で自由な雰囲気の業種が向いてるなと思いました。
たまたまプログラミングはちょっとできたので、DeNAやサイバーエージェントやMixiのようなweb系の会社を受けて見ることにしました。日本では、数少ない成長産業だったというのも決め手でした。
で、今まで作ったソフトを持っていって紹介したのですが、めちゃ受けが良くあっさり内定がもらえました。うんこで運勢を占ううん勢というしょうもないアプリをドヤ顔でプレゼンしてました。
今だからわかりますが、自分でソフトウェアを書いて発表している学生は凄くレアなんですよね。学習環境が充実しているここ最近ですらそうなので、就活がわりにサービスを作るのはアリかもしれませんね。
エンジニアにジョブチェンジしてDeNAへ
当時すでに上場していたDeNAに入ることにしました。当時はソーシャルゲーム(以下、ソシャゲ)の黎明期で、ものすごく勢いがありました。皆さんもスマホでソシャゲをやったことはあるのではないでしょうか。
エンジニアとしてソシャゲの開発運用を担当していたのですが、新卒で入っていきなり驚くほどアクセスのあるゲームに関わる事になりめちゃんこ大変でした。エンジニア目線でいうと、ソシャゲはwebサービスとしてはかなり運用難易度の高い部類のサービスでもあります。
ゲームの仕事を始めてから実感したのは、この仕事はデザイン科でやってきたことと一緒やなという事でした。チームで各々アイデアを出し合って、実現方法をみんなで考えて...というのは大学時代散々やったのです。クリエイティブ系の仕事は結局のところチームでの総合格闘技なんですよね。
DeNAには2年半ほどいました。で、今の会社に転職したわけなんですが、現職での仕事について紹介しますね。
メディア系のスタートアップへ転職
現在はピースオブケイクというメディア系のスタートアップで仕事をしています。cakesとnoteというサービスを運営している会社です。
cakesは多種多様な記事を掲載するメディアサイトです。ちょっと変わっているのは、広告ではなくて月額500円の継続課金で収益化を計っている部分です。記事は社内の編集者が編集して作るものと、外部の版元さんからご提供いただくものがあります。 cakes: https://cakes.mu/
cakesでの連載が書籍化されることもよくあります。↑はほんの一例です。
もう一つはnoteです。文章や画像をUPして公開することができるブログサービスなのですが、記事に値段をつけて販売することができます。
note: https://note.mu
継続課金機能や独自ドメイン機能もあるので、ファンサイトを運営したり、企業サイトやキャンペーンサイトを運営したりすることも可能です。実は、ピースオブケイク社のサイト自体もnoteで運用していたりします。
ピースオブケイク コーポレイトサイト: https://www.pieceofcake.co.jp/
なぜ、cakesとnoteを始めたのか?
cakesとnoteをスタートさせた背景についてです。
ここ数年、電車の中で本や新聞を読んでいる人はめっきりいなくなった気がします。みんなスマホをみてSNSを見たり、ゲームをしたり、英語アプリで勉強したりしていますよね。5,6年前くらいまでは器用に新聞を折りたたんで読んでいるサラリーマンもいたような気がするんですけどね。
情報が溢れかえるようになり、膨大なコンテンツがインターネットを行き交っていますよね。しかも、「恋人からのLINE」のような最強のコンテンツまであります。絶対恋人の方に時間使っちゃいますよね。要は、競争環境が非常に激しくなってきているんです。
その結果、紙の出版業界は年々市場規模が縮小しています。書籍はなだらかですが雑誌の落ち込みが特にきついですね。このトレンドは構造的なもので、なかなか巻き返せるものではありません。
やはり、webとスマホの時代になったので、この環境下で戦うしかないんです。しかしながら、webにはクリエイターが充分かつ持続的に稼げるほど収益性のあるモデルが確立されていません。ここを技術と編集力でなんとかしようというのがうちの会社です。作り手が儲からないと、世の中から面白いコンテンツが無くなっていってしまうよね、という危機感があるのです。
cakesとnoteでやっている直接課金モデルはその一環です。従来の広告モデルとは違う形を試すことで、新しい作品発表の仕方を提案したり、クリエイターの収益性を高められないか試したりしているわけです。
エンジニアって何をしてるの?
さて、ピースオブケイク社では↑のような職種のメンバーが働いています。僕はエンジニアをやっています。
エンジニアといってもいろんな分野がありますよね。情報系、とくにweb系のエンジニアの仕事ってどんなものかは全然ピンとこないと思います。君たちの親の世代にはそもそもなかった職種だと思うのですよね。
webエンジニアの仕事は主にサービスの開発や運用になります。サービスを運営するには色々な役目のサーバーというコンピュータを用意する必要があるので、その構築も大きな仕事です。また、データが大量に取れるので、それを解析して施策に活かすのも最近のトレンドです。
結局のところ、webエンジニアの仕事は事業内容そのものに直結していたりします。これから詳しくwebエンジニアの仕事について解説していきます
(次回に続く)
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