知識0から始めるイハナシの魔女同人誌作ったよ!!!!奮闘記at C105
同人知識 なし
イハナシ関係のフォロワー なし
イハナシの出展サークル なし
やる気 あり…!!!
はいたい!こんぽたです!
12/30のコミックマーケット105でイハナシの魔女聖地巡礼ガイド本を作って頒布しました。
ありがたいことに想像以上の反響もいただきまして、そこで感じたのは
「イハナシの『好き』を語りたい人はめっちゃいるのでは…?」
ということでした。
作品クオリティの高さ故熱心なファンの方が沢山いらっしゃること、1人プレイのゲームである故周りに語れる人が常にいるわけでは無いこと、などなどいくつか理由があり、「イハナシの同人!?!?行くしかねぇな!?!?!?」な方がそこそこいらっしゃったように見受けられました。
こんぽたもその1人でして、ゲームをプレイしてうわこれすっご…!!何周もして次の展開分かってても涙出てくるなこれ…
となり、このクソデカ感情を如何せんと思った結果、同人誌作ったことないのにコミケにサークル参加するという暴挙に出ました。
今回はそんなお話。
⓪こんなとこにも聖地のゲームあるんや(1年1ヶ月前)
そうだ、渡名喜、いこう。
沖縄旅行をするぞという話にはなったのですが、沖縄ももう何回行ったことか。メジャーどころでは満足できない体になっていました。
そんな中しらたけから提案された聞いたことのない島。聞くと小さな島にも関わらずここを舞台にしたゲームがあるとのことで。
昼は観光、夜はイハナシをプレイするという奇妙な渡名喜観光が始まりました。
アカリ編まで終えた我々は気付きました。
これはとんでもない作品を引き当てたな、と。
本島に戻ってから別の友人にもプレイしてもらい、残りはそれぞれ帰って家でプレイすることに。
①聖地ってぇ…!凄くてぇ…!(本番1年前)
聖地巡礼は昔から好きでした。
聖地巡礼後にアニメなりゲームなりをすると「切り取られたそのカットの外側の背景」「その時の音や感じた匂い、気温」までが鮮明に出てくるので作品に深みが生まれます。
特にイハナシの魔女は沖縄の離島という舞台装置がストーリーに与える影響が大きいと思います。
「光やリルゥの過ごした渡夜時島を背景カットだけではなく全身をもって感じたい…!」
ネットを調べたけど聖地の情報がとにかく少ない…
なら自分で見つけるしかない…!?!?これ見つけてコミケとかで出せば面白いのでは…?
長い長い聖地巡礼計画のスタートです。
②聖地探すのめっちゃむずいわね(1年前〜2ヶ月前)
イハナシの魔女聖地は有名な観光地も出てきますが、「なんてことない道」みたいなのも多いです。
基本的にイハナシの魔女の背景はEDクレジットに明記されているフリー画像&久高島久米島で撮影された画像&その他?で構成されているため、フリー素材でなさそうであれば基本久高島久米島とまずは考えられそうです。(フリー画像サイトも足成はすでに閉鎖してるので難しいっちゃ難しい)
となればやる事は1つ、
「カットを記憶してストリートビューで歩き回る」
これしかないです。
久高島はストリートビューがほぼ入ってないため、久米島をとりあえずくまなく散策します。
これで見つかったカットも多いです。
久米島限定のGeoGuessrとかあったら得意かもしれない…。
ただストリートビューの撮影日が2014年なので今とは大きく異っていそうですし、画質もあまり良くない?気がします。Googleさんお願いします!
ちなみに久高島にはストリートビューはほぼ入ってないです。Googleさんおn
③初の海外遠征(10ヶ月前)
来る日も来る日もイハナシ聖地を追い求め、久米島に行く前に台湾の聖地を回収しに行きました。
これがありがたい事に公式様に拾われます。
それまでほぼ接点はなかったと思うのですが、公式垢を運営されている方(森さん?)はかなりしっかりTwitterを追ってくださっている印象。
この「公式とユーザーの近さ」みたいなのが後に大きなメリットになります。
④久高島久米島遠征(8ヶ月前)
4ヶ月かけてこってり久米島の聖地探索作業を進め、ようやく久米島に行く事になりました。
それに合わせて人生初、カメラをレンタルしました。SONYのα6400というものをレンタルし準備万端、いざ出発です!
天気悪くてよう分かんねぇ!
4月19〜21日の3日間、なんとほぼ青空を見る事はありませんでした。悲しい…
夏にしらたけに再訪してもらい、あまりに酷かっだものを中心に再撮影してもらいました。ありがてぇ…
聖地巡礼本を作る時は青空が映える時を狙って航空券を取ろう!
⑤コミケに登録をしよう!(4ヶ月前)
コミケ登録には一緒にサークルカットが必要って知ってましたか!?!?
ぽたは知りませんでした。
8月上旬〜中旬にコミケ登録期間があるのですが、ここで必要なのが「サークルカット」と「サークル名」です。
8月から急いで作り始めます。
サークルカットはテンプレが数種類用意されているので、テンプレをもとに作っていきます。
恐らく配置決めのためと思うのですが、ここで頒布物のサイズと名前とページ、頒布数を決める必要がありました。全く思いつかなかったので、仮題「イハナシの場所」で登録しました。
同人ジャンルコードは旅行か同人ソフトで迷いましたが、フラガリア様が同人ソフトにいらっしゃることを考えるとこっちの方がファン多いか!?と思い同人ソフトで出しました。
⑥海外に行こう!(2ヶ月前)
ヨーロッパに行く用事があったので、イハナシの聖地を見にいきました。
あとがきで書いたWitches' Weigh Houseはオランダ、アウデワーテルという小さな街にあります。
魔女狩りが行われていた当時、魔女は飛ぶから体重が軽いと考えられていました。
ここは15世紀からその魔女の重さを測る、皇帝にも認められた測量所でした。
測量所には大きな天秤があり、一方に人を、一方に分銅を乗せることで重さを測ります。
この測量所ではこの天秤に細工を施す事で誰1人として魔女認定を出す事なく魔女狩りの時代を終えたそうです。
ちなみに今は小細工なしで普通に重さを測ってもらえます。重さが1ポンドでもあれば非魔女証明書なるものをもらえます。
ただ体重はがっつり人前で読み上げられますので注意してくださいね!
2階では魔女の歴史について学べるので、魔女ってなんや!?魔法少女しか知らんわ!というぽたみたいな人にぴったりです。魔女が当時人々にどれくらい恐れられていたのかはここで初めて実感できました。
⑦当落発表!!けど…(1ヶ月半前)
いよいよ逃げられなくなりました。
コミケまで意外と時間があるので、ちょこちょこツイートをしたりしてプレゼンス維持に努めます。
問題は本の作成。
撮った写真並べるだけやろ?余裕余裕!と思いきや、これが本当に分からない!
白紙に写真を並べる?なにを?どうやって?余白はどうする?どう埋める?
しばらく白紙と睨めっこする日々が続きました。
参考にしたのは大量のガイドブックと、いろんな聖地巡礼本でした。
あの時は助けていただきありがとうございました…!(見知らぬ人)
レイアウトをひとしきり決めた後は余白のところに絵を描きます。
上手いとは全く思わないですが、絵を描いてる時間は好きです好きです。
この辺りで同人誌タイトルが「ふっとらいと」に決まりました。しらたけ案です。
渡名喜の通り名に由来しますが、実際に渡名喜でフットライトを見て人々の行く先を指し示す役割をしてるところが「さゆらぎ」の歌詞っぽくて好きです。
表紙はリルゥを前に出し、あえて着色を行いませんでした。リルゥさんほんと夜に映えますよね。
この間、特に10〜11月にかけてしらたけには日本各地のカット回収に行ってくれました。北海道やら中国地方やら石垣やら津々浦々少ないカットのために奔走してくれて本当に助かりました…ありがてぇ…!
⑧入稿から本番前(1ヶ月前)
印刷所が色々あるのは何となく知ってましたが、刷るための紙は想像以上に種類がありました。
最終的に今回は表紙マットコート220kg、本文マットコート90kgにしました。マットコートは明るい部屋の下で見た時にテカリが少ないかなと思いこのチョイスです。今後同人作られる方は参考までにどうぞ!
塗り足し(縁無し印刷のためにちょっと大きく作る)とノド(見開き中央は文字入らんようにする)の概念を知ったのは入稿直前でした。
入稿直前の修正は地獄だったぁ…
入稿後のツイートは1000インプレッションくらいついててそこそこの出だしかなぁと思っていたのですが、
フラガリア様にQTいただいた結果一気に2万くらいまで伸びてビビり散らかしていました。(スマホ見たら見たことない通知の数きてて炎上したんかと思った)
最近のいいね欄非公開なので詳細が申し上げにくいのですが、イハナシに関わられていた複数人の関係者様の皆様はじめ、フラガリア様をフォローしているファンの方々からリアクションがありました。公式とユーザーの近さがこんなところに響くとは!
…二次創作物の宣伝を一次創作者に任せるサークルになって本当にごめんなさい…!!!!
本番前はレイアウトを考えてみたり
敷き布を作成するために服飾したり、お品書き・地図・ポスターを印刷して本番に備えました。
どれも初めてでしたが、印刷所に通い詰めることで印刷の大変さを知ることができたのでよかったです。同人誌ってこの苦労の元作られてるのね…!
前日は何も手についてなかったのがよくわかりますね。
⑨本番!(当日)
コミケ1日目はポスタースタンドが8:30に売り切れとツイートがあったので、早めに入場しました。
西はポスタースタンドが残るようで余裕でスタンドをゲット、爆速で設営を完了させます。
緊張で足ガックガクでしたが、そわそわしつつ10時半の開場を迎えます。
開場時点で、こんぽたは3つのミスを犯していました。
1つは来場される方の人数です。
webカタログにはサークル用のページがあり、ここで「お気に入りに登録された数」というものが見えます。開始時は17となっておりました。
この中で半分くらいの方が来てくださったらいいなぁくらいの気持ちで考えていました。
もう1つは、来場される時間です。
大体壁サークルシャッターサークルが並ばないと買えないので、まずは午前いっぱいは来場者さんはそっちに行くはず、そこがはけてから小さなサークルに観に来るだろうと。大体目的のもの買ってからうちにいらっしゃるなら少しは雑談とかできたらいいなぁ…!と思いつつ。
最後に、地図の折り込みです。
A3の地図を折って同人誌に挟み込む予定だったのですが、当日折らずに持って行きました。
はじめ少部数折っておいて、あとで少なくなったら折ればいっか、くらいに考えていました。
さて開場が10時半、最初に買いに来られた方が10時50分くらいだったと思います。
「おや?」と思いました。
11時15分頃までに2-3人くらいのお客様がいらっしゃいまして、少し落ち着いた頃。
しらたけが友達に買い物頼まれてたので、東に買い出しにいきました。ぽたもどうせ忙しいのは午後からだろうと踏んでたので送り出しました。
さて
・来てくださる人数の読み間違え
・来てくださる時間の読み間違え
・少ししか折れてない地図
・ワンオペ
ここから導き出されるのは地獄のような忙しさでした。
地図を補充しつつ接客しつつを繰り返し、最後の方は地図補充が追いついていませんでした。
この時間に来られた方、てんてこまいでほんと申し訳ありませんでした…!
30分くらいの間に十数人のお客様にご来訪いただきまして、最後に飾ってた見本誌まで売り切ったのが11時53分。
見本誌はほぼほぼ最後まで見られることなく売ってしまったので、恐らく皆様Twitter見られて来られたのかな?と思っています。買うかどうか悩む!というよりは買うのを決めてきました!という方ばかりのようでした。
ほんとはもっとゆっくりお話しできれば良かったですね…余裕のない感じでほんとすみませんでした…。
↑理解らせられたぽたの図
しらたけは完売後15分後くらいに戻ってきました。以降は2人で来られた方に謝り倒すだけの時間を4時間ほどやっておりました。最終的に30〜35人くらいの方にご来訪いただきました。
お目当ての買い周りが落ち着いた午後を中心に、皆様の色々なバックグラウンドをお聞きできて良かったです。この本を買いに来るのをほぼメインの目標にされてた方がいらっしゃったり、自分はいけないから友達にめちゃくちゃ頼み込んでお使いに行ってもらってる方だったりと、想像以上に熱を上げてお買い求めに来てくださる方がいらっしゃったのが印象深かったです。これもひとえに作品への愛だろうなぁと感じました。
通販して欲しい!という声もいただいたのでboothを開設したら、想像以上に注文来てビビってます。冊子版に関しては現在注文されている皆様には確実にお届けさせていただきますので、少々お待ちください。
⑩おわりに
まずは現地にせよ通販にせよ、お買い上げいただいた皆様、本当にありがとうございました。
1年かけて作成したものの、正直ど素人が作ったものが(それもそこそこ高額で)売れるんかいな、という思いがずーっとありました。だからこその「全部余っても部屋に置けそうな」15部で持って行ったわけですが、蓋を開けて見たら大きく予想は外れていました。予想を裏切るのはイハナシの魔女という作品に対する皆様の愛だったって訳です。
またここまで1年にわたる長大構想を一緒にやり遂げてくれたしらたけにも感謝しなければいけません。全速力突っ走り後ろを振り返らないタイプのぽたに対し、時には通った道を修正してくれ、悩んだぽたに選択肢を与えてくれたのはいつだって彼でした。文章はとにかく苦手だったので全部丸投げしました。本当にありがとね…!
イハナシ聖地巡礼は基本少人数で行けるところが多いのですが、中にはしらたけと2人では到底いけなさそうな場所もありました。複数あるコテージ系が該当するのですが、いつか皆さんでイハナシ合宿とかできたらめっちゃ楽しそうやなぁと夢想していました。
今回掲載した聖地以外にもカットはたくさんあり、どう頑張っても同定できないものを除いてもまだ分かっていないカットは結構存在します。もし「このカット載ってなかったよ!」ってのがあったら教えてくださるとこんぽたは喜びます。(すでに何件か情報提供いただいててほんま感謝してます…!)
最後に森さんをはじめイハナシの魔女に関わられた皆様。本当にこのような作品を世に出していただきありがとうございました。価値観を変えるというコンセプトがこういう方向だったのかはさておき、同人活動してなかった人をサークル参加させる程度のエネルギーって相当大きいと思いました。コミケにいらっしゃるのでしたら直接感謝を伝えさせてください。(願わくば最後まで分からなかった久米島の聖地数個あるんですけどあれどこなんでしょう?と聞いてみたい)
最後までお読みいただきありがとうございました!!!!!