食べるのが大事
ボランティア、ボランティアとよく書きますが、その実態はというと、居場所に来た若者たちとおしゃべりをしたり、夕ご飯を食べたり、たまに編み物をしたりという、おそらく世間一般の方々が想像するボランティアとは大きく異なっているのではないかと思います。
きっと居場所にきている若者は、こんぷー世代の人と話す機会なんてあまりないに違いない、これは社会に出るための訓練だよーんと思いながら、おしゃべりを楽しむ方が主になっているこんぷーでございます。
運営している団体の方針もあって、居場所の開放日、みんなで夕ご飯を食べるのが通例となっております。
これがまあ、おもしろい(様々な意味で)。
出身地は南から北まで、好き嫌いやこだわりが強く、そしてお金がないので食べられるものは何でも食べる、もしくは人間不信で一人離れてこっそり食べたり、みんなが食事中はTVゲーム三昧のくせに食べる人がいなくなるとこそこそ食べたり。
中でも、好き嫌いの多さとこだわりの強さを持つ若者が本当にたくさんいます。
育った環境も大きいのかもしれません。入手できる食べ物が決まっていて、それ以外のものをおっかなびっくり食べる若者もいます。
そんな中。
「汁物がない食事なんて考えられない!」とやたら味噌汁かスープを欲する若者が一人おりました。
「ごはんには汁物が絶対必要なんです。ないとだめなんです!」と力説。
汁物なら何でもいいということで、スタッフさんはカレーだろうがルーローハンだろうが、インスタントの味噌汁やコンソメスープをこの若者に渡していました。
。。。インスタントでいいんかい。
そんなこんぷーに、ある日その若者が話してくれました。
あのね、小学生の時に、一人で家族のご飯を全部作らなくちゃいけなくなったんです。
でもね、ごはんの炊き方は知ってたんだけど、料理なんか全然わからなくて、困って困ってどうしようって思って、「そうだ、給食のおばさんなら、料理を教えてもらえるに違いない!」って思って、教えてくださいって聞いたんです。
そしたらね、「鍋に水入れて、野菜たくさん入れて、お味噌を入れたら具だくさんのお味噌汁ができるよ。おかずにもなるよ。」っておばさんが教えてくれたんです。
だから、それからいつも野菜たくさん入れたお味噌汁作って飲んでたから、今でも汁物が食事についていないと、不安になっちゃうんです。
「すごいね、よく給食のおばさんって思いついたね!野菜たくさんのお味噌汁なら体にもいいもんね!!」
と、伝えたこんぷー。
小学生が家族全員の食事を、なぜ作らなくてはいけなくなったのかなんて理由はしりませんし、聞いてもいません。
でも、家に帰ったら涙が出ました。
この若者は、仕事が決まって、居場所にはもう顔を出さなくなったようです。今、どこで何してるかな。元気かな。元気だよな。
この年を越し、新しい年をみんなが迎えられるように、もし、「ん」と思うものがおありでしたら、ぜひ「若者支援」「居場所支援」「貧困家庭支援」で検索して、出てきた記事を読んでみて、気になった団体の活動にご支援いただけたら幸いです。
(どの団体にも頼まれていない、単なる個人からのお願いです。)