2022 OSJ ONTAKE100K 既忘録
どうもpepeです。
先日公開した比叡山ITR50mileの記事が思いのほか反響がありましたので、調子に乗って一年前のレースの記事を書きました。
タイトルどおり既に忘れていることが多々あり、覚えている範囲内で書いておりますので悪しからず。
国内人気レースであるONTAKEに出場される方はそろそろ練習ボリューム期に入る頃だと思うので少しでも参考になれば嬉しいです。
〜結果〜
やっぱり先に結果が知りたいですよね。
先にダラダラ詳細書かれても「で、結果はどうなの?参考にできるかどうかも分からん記事読む程暇じゃねぇんだよ!ブ◯が!!」
おっしゃるとおりです。
期待に添えることができず申し訳ありませんが、私このレース、完走しています。
泣きながらのDNFを期待していた皆さん本当に申し訳ありません。
こんな感じの結果です。
11時間58分09秒 総合40位
目標の12時間切り(100mileの部を完走するには100km12時間切りの走力が必要との噂だったので。)をギリギリで達成といった感じです。
ではこれからダラダラ詳細を書いていきたいと思います。
〜私にとってのオンタケ〜
誰が言ったか、
走る禅行。走る坐禅。走る瞑想。
景観の変わらないガレた林道を永遠と100km、100mile走り続ける大会。
一般人からしたら完全に罰ゲームみたいな大会です。
それでも毎年エントリー開始から一瞬で枠が埋まってしまう程の人気レース。何がそこまで選手たちを惹きつけるのか、その謎を解き明かしに私は2022年7月、長野の秘境である王滝村へ向かうのでした…。
実はこのオンタケ、私がトレイルランニングを細々と続けていた頃からの憧れの大会でした。当初からロングレースへの憧れがあり、家から(さほど)遠くない御嶽山の周りで100km走るレースがあると知ったときからは、何年掛かってでもこのレースに参加し、そして完走することが私がトレイルランニングを続ける中での目標でした。
〜練習内容〜
ざっとこんな感じです。
4月 run304km D+3239m bike48km
5月 run400km D+3154m bike117km
6月 run326km D+8540m bike92km
4月
インターバル的な練習は全くなし、速いペースでのペース走等もなし。
基本的に通勤ラン+通勤バイク
前半は年度代わりのバタバタでトレイル練もなし、後半に仕事が落ち着いた頃に少し山に行った感じです。
5月
オンタケに向けちょっと頭おかしいぐらい走り込んでやろう。と意気込んでいたものの結果的にギリギリ月間400kmという頭おかしくないぐらいの距離に収まる。
インターバル的な練習はなし、サブスリーペースでの21km走、キロ5切るぐらいで50km走、比較的走れるサーフェスのトレイルで42km走るなどしていました。その他は通勤ラン+通勤バイクが基本です。
6月
傾斜15%のトレミが良いらしいと聞きその練習を週1で取り入れる。暑さのせいか距離走はキロ4分半ぐらいの速さでしか走ってない。たまに30km程のトレイル。
そして6月は練習の一環として滋賀県高島市開催のフェアリートレイル40Kに参戦。このレースは完全に調子に乗りました。スタートしてからの舗装路で女子トップ選手に着いていけたことをいいことに、そのままのスピード感でトレイルも白目剥きながらついていきました。すると明らかなオーバーペース。滝汗からの全身攣り祭りにより中盤からは瀕死状態でなんとか完走。この経験でオンタケは序盤はゆっくり、水分と電解質は小まめに摂っていこうと固く誓います。
7月
ログを見ると7月2日に50km走をしてます。これはキロ5分10-20程度。本番のペースを想定していたのか暑さでやられていたのかは今となっては忘却の彼方です。あとは傾斜15%のトレミと調整ジョグをしてるぐらいです。
練習内容はこんな感じでした。
仕上がり的にはオンタケの代わりに涼しいとこでロードのフルマラソンを走ったら3時間10分ぐらいでは走れるかなという感じ。サブスリーはちょっとキツイかなっていうスピード感でした。
〜装備〜
こんな感じです。
ザック:ANSWER4 focuslight
シューズ:ナイキペガサストレイル3
ライト:レッドレンザーNEO10R
ポール:シナノ13.6pro
ソックス:ドライマックス
レイン:モンベルバーサライトジャケット
ウェア:【ステージ1】キャプリーンクールデイリー、ナイキ鬼パン、インナーファクトシームレスインナーパンツ、【ステージ2】キャプリーンスリーブレス、ドライマックス2枚目
装備で一番迷ったのはシューズです。なんせこのオンタケは走ろうと思えば全コース走れるため、ある程度スピードを出して走れるシューズが必要です。ただかなりガレてますし、100kmの部であっても長丁場、ペラペラの靴では足がやられてしまいます。色々鑑みた結果、ペガサストレイル3にしました。まぁこれは人の好みだと思います。
あと小ネタですが、この夏はレース前に猛暑日が続き、TwitterのTL上では今年のオンタケは暑さとの戦い「デスレースになるぞ。」との噂が広まりました。そこで話題になったのは直射日光を防ぐ唾広めのバケツハット。
私も買いましたこの三頭兵ハット。
本当は銀銀の反射するタイプのハットが最強らしいのですが私はそこまで振り切れませんでした。
しかし、思いの外レースが近づくにつれ暑さも弱まり、当日は雨予報だったため三頭兵ハットの出番はありませんでした。余談でしたすいません…。
〜補給〜
どれだけ携行したかは完全に忘れました。てへ。
ただ結果的に補給したものはこんな感じです。
•ジェル×10
•塩タブレット2粒
•エイドのバナナ5切れ
【デポポイント】
•おにぎり×1
•コーラ500ml×1
これで全部。今見直すと全然摂ってないな。これ多分ダメな見本ですね。あんまり参考にしないでください。
〜想い馳せついに辿り着いた王滝村〜
7月16日
いざ王滝村へ。
自家用車を走らせ高速道路で向かいます。ナビどおり車を走らせていると、岐阜県の中津川インターで降ろされました。栗きんとんで有名な中津川です。
あかん、これ完全にナビの設定ミスったわ。だいぶ手前で降りてしまった…。
と不安に駆られますが、これ合ってるんです。なんせ「長野の秘境」、近くに高速など通っていないので、ここから下道で70km走ります。
ドンブラコ…
ドンブラコ…
王滝村に到着。
ここが王滝村…なにもな…
素敵なところだなぁ。
16時前に受付を済ませ、車の中で冷やし中華とおにぎりを食べた気がします。
そして20時に100mileの部のスタートがあったのでスタートを見にいきました。
スタートに並んでいる100mileの選手の方々のオーラといったら…もう完全に変質者のオーラでした。
前列にはネットやSNS等でしか見たことがないような有名選手たちがぞろぞろ。ミーハーな私のテンションはぶち上がり。
いつかは自分もここに…
いや、林道100mileは走りたくねぇや。
そして宮司さん?呼び方が分からない方が出てきて(馬鹿ですいません)御嶽山に向かい安全祈願のご祈祷。そして選手の皆さん、二礼二拍手一礼。
「パンッパンッ」
…雰囲気すごい。鳥肌ヤバッ。
なんなんだこのレース!!
◯質者たちを見送り、興奮冷めやらぬ中、私は車へ戻り仮眠。0時のスタートまでの間に仮眠取れたのは結局1時間半ぐらいでした。
〜31歳初夏の大冒険スタート〜
23時半に再びスタートゲート前に集合。
道幅広めの林道でコース渋滞はないと聞いてるけど、出遅れるのは嫌なので前から50番目前後ぐらいの位置取り。
そして0時となり
3、2、1
パウーーーン
っていう音がしたかどうかも忘れました。
…
真夜中の林道を1000人を超えるランナーがヘッドライトを点灯させ列を成し進んでいく。
なんて幻想的な姿なんだろう。
必携品である熊鈴の音が永遠と夜空に鳴り響いています。
非日常に胸が高鳴ります。
スタートから15kmもの舗装ロード区間が続きます。「心拍を上げ過ぎない、登りは足を踏み込み過ぎずピッチで、下りは優しく接地」なんてことを考えながら走ります。
15km過ぎから入った林道では真っ暗の中1人になりたくないので中々のペースで下ってく数名のランナーに着いていってしまう。ここで少し足を消耗。反省点です。
〜25km白川小川エイド〜
ここで初めてのエイド。エイドの給水タンク前にいたのはあの有名つよつよトレイルランナーのク◯姉さん。しかしめちゃくちゃ忙しそうだなぁ。
ここで私やらかします…。
姉さんめちゃくちゃ忙しそうなのに給水時、
給水タンクのヒネリをもぎ取ってしまいました。
…でも姉さん優しいので「いいです!直しておくので隣のタンク使ってくださーい!」とのこと。
「申し訳ありません💦」と隣のタンクを使わせてもらった私は、
二つ目のヒネリももぎ取ります。
さすがの姉さんも苦笑い気味だったような気もしますが、「こっちも直しておくんで他の使ってください!」とのお気遣い。2つのタンクを犠牲にして無事給水することができました。本当に申し訳ありませんでした。
〜ポール使用〜
この頃今よりも更に登りが苦手だった私は、選択の余地もなくポールは携行していきました。(オンタケはポール使用可。)少しでもキツめな登りがあればそこからポールを組み立てて使おうと考えていたのですが、周りの選手は30km通過しようというのに誰一人ポールを使用していません。
就職活動時からずっと軸ブレブレな私はポール使用を躊躇っていましたが、30km過ぎたぐらいに割と斜度がある坂が出現。ここで頑張って登ると疲れちゃうなぁという感じ。足も疲れ気味ということもあってここで初めてポールを組み立て、使い始めました。
〜夜明け〜
40kmぐらいすると夜が明けてきました。
それと同時にオナラもすごく出ました。
日光にはオナラを生成する力があるのでしょうか?
50kmぐらいで足の疲労が半端なくなってきました。この足で100km行けるのか?と疑心暗鬼になってきます。この辺りで女子先頭を走るランナーの方に抜かれたのを覚えています。
〜ステージ1終了〜
このコースは8の字になっており、前半の周回であるステージ1上松を走り終え、スタート地点である松原スポーツ公園に戻ってきました。(54km地点)
戻ってきた頃には足がかなり疲れており、正直後半も同じようなペースを刻めるか不安でした。
松原スポーツ公園にはデポエリアがあり、用意したデポバッグで補給したり着替えたりすることができます。
とりあえず日が出てきそうな感じだったのでTシャツをノースリーブに替えます。
そしてデポバッグに入っていたおにぎりを一つ口に放り込みコーラで流し込みます。
「…愛と」
次に、このタイミングでカフェインピルも一粒摂ります。
「…勇気と」
更に、両足にPRローションを塗り塗りしました。
「…希望の名の下に!」
「ホーリーーアーーップ!!!!」
いや本当にホーリーアップしました。
どれが効いたのか分かりませんが出発する頃には体力の80%ぐらい回復できた感覚です。
そして他の選手が思いのほか早く出ていくので小心者の私も早めに出ていきます。(フルーツ缶等も用意してましたが手をつけず)
5時間33分59秒(区間40位)での出発。
前半を5時間半で戻ってこればかなり貯金が作れるなぁと考えていたのでほぼ予定どおりの通過です。
接地しても足が痛くなくなりました。(スタートしてから初めて数分間座ったおかげもあるかもしれないです。)
ここからは少しダイジェスト気味にお送りします。
〜60km照りつける太陽〜
「やっぱ暑いな。ノースリーブに着替えて良かったわ。」これが60km地点の感想です。
ホーリーアップしたおかげで順調に進んでいけています。
〜65Km豪雨〜
突然豪雨になります。小雨ではありません、豪雨です。ノースリーブ完全に失敗でした。
〜70km-90km〜
レインを着るも体が冷えて寒くなってきます。エネルギーが足りてないのかとジェルを2本をまとめ食いします。集中力も切れてきました。「とりあえず前に進むだけ…そしたらゴールは近づいてくる。遠ざかることはない。」などと考えていた気がします。
〜90km突然の終わり〜
突然右膝が完全に終わります。痛くて曲がられません。もう一歩も走れません。思い返せば膝にPRローションを塗るのを忘れていました。(ローション依存)「ここからは全歩きになるのか。全歩きでもなんとか14時間は切れるかな…。12時間切りは来年また挑戦か…。」
めちゃくちゃ弱気になります。
〜92km〜
「帰って子どもにパパ目標達成できなかったって言うのか。情けないわ…。」
〜93km〜
「ん…?下りならゆっくり走れるっぽい」
〜94km〜
「確か104kmがゴールだから残りキロ6でいったら12時間切れる。膝壊す気で死ぬ気で走るか。」
〜95km復活〜
「走れてる、走れてるぞ俺!!!」
苦手なはずのガレガレの林道下りも自分じゃないみたいにガンガン下れました。疲れ過ぎてグネルとかそういう恐怖心が無くなっていたせいかもしれません。一度スピードに乗ると膝の痛みもどこかに飛んでいきました。
少し前に抜かされたイカしたハンドボトルランナーの方に追いつき、「このペースでいけばお互いサブ12いけますね!」と少し前に抜かされているクセに調子良く声掛けします。完全に調子乗っていました。
〜99km〜
「だいぶ貯金出来てきたぞ。これなら最後流せるぐらいだな。」104kmでゴールのはずなのでキロ6で走っても余裕もって完走できる計算です。
〜100km〜
ようやく100km地点と書いてある看板を発見しました。なんか続きに書いてあるゾ…
「ゴールまであと6km」
「…あと6km?!?!」
〜105km〜
〜106kmフィニッシュ〜
もう100kmからは怒りのパワーです。メロスです。怒りを力に変えて猛ダッシュしました。もはや計算する余裕もありませんし、本当にあと6kmかどうかも怪しいです。
最後の舗装路に入ってからガンガンとばしていても中々松原スポーツ公園が見えてきません。計算上12時間は切れるはずですがゴールゲートが見えてこないので疑心暗鬼です。
そしてついに松原スポーツ公園が見えてきました。ゴールゲートも見え始めます。ゴールまで残り500m程まで近づくとようやく12時間が切れると確信をもてました。
finish!
自身初のロングレース、大きなトラブルなくギリッギリ目標達成。初めてレースで走り終わった後泣きそうになりました。
頑張ってよかった〜。
〜まとめ〜
・序盤はとばさない。(当たり前)
・やっぱり下りは出力上げて走るとかなり足にダメージがくる。(当たり前)
・50kmデポポイントで蘇ることができる。(個人差あり)
・エイドの距離表示が適当なので、心配しなくてもそのうちエイドは現れるので気長に待つ。
・膝が壊れたと思ってからがONTAKE。
・基本的に走ろうと思えば走れるコースなので30kmで1000upぐらいの林道や峠走、傾斜をつけたトレッドミルでの練習が効果的かと思います。
〜終わりに〜
どうですか?今回も全く参考にならなかったですよね?
申し訳ありませんが読んだ時間を返せ等のクレームは一切受け付けておりません。
コースに関しては急登も激下りもないので正直あんまり覚えていませんでした。すいません。基本的に頑張れば走れるとだけ覚えておいてください。
この記事でOSJ ONTAKE100の雰囲気を少しでも感じていただけたなら幸いです。
2023年のレース参加される方はボリューム期の練習共に頑張りましょう!!(私は今回100mileの部に参加します。)