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ONTAKE100 2024〜仰いだ王滝村の空は無情な程高かった〜

どーもぺぺです。
走ってきましたオンタケ2024。
むしろ走ったかどうか分からないぐらいすぐに終わりましたオンタケ2024。

100マイルの部に参加し
結果は54km地点でDNF。
今回も前回に続きDNFくそちん◯こ野郎でした。
結構練習したんだけどなー…

ということで自分の傷口に塩を塗りたくっていく
スタイルで記事を書いていきたいと思います。

・走る禅行
・林道天国
・𝕏の妖怪大戦争

様々な異名を持つONTAKE100
界隈では言わずもがなのレース。

コースプロファイル等は割愛しますので
過去記事読んでくだぱい。


〜私がオンタケに執着する理由〜


いくつかありますが…
•峠走、林道走が嫌いじゃない
•100マイルレースの中で家から近い
•エントリーフィーが安く、宿に泊まる必要もなく経済的
•𝕏の知り合いにたくさん会える

このぐらいですかね。
ただ明確な理由はないかもしれないです。
なんとなくオンタケが好きという感じ。
長く付き合える恋人と一緒ですね。

まぁでも一度オンタケで勝負するって決めたからっていうのが大きいと思います。林道の100マイルレースが向いてる向いてないとかじゃなく、やると決めたからにはやるっきゃ騎士ですわ。


〜練習内容〜


オンタケに向けてやってきた練習はこんな感じです。
4月 516km D+3900m
5月 514km D+7900m
6月 667km D+8200m

去年100km手前でハムを痛めたことから走り込み不足を実感。今年は難しいこと考えずにたくさん距離を走ろうと考えました。それに加えて、昨年ひゃっほいさん、中根さんらの下りのスピードを間近で体感して、下りでもある程度のスピードに耐えうる足作り、そんなことを意識してトレーニングしてました。

4月は仕事で4年ぶりの部署異動。大きく生活サイクルが変わったこともあり、朝晩のゆっくり通勤ジョグだけで精一杯。業務内容も10年以上勤めてきた今までの経験が全く役に立たない部署な上に、前の部署でもらってた各種手当が無くなり収入が激減。一日30回ぐらい転職を考えてました。
そして生活サイクルが変わったせいか家庭内でぶつかることも多くジョグしながら何故か目から汗が流れることも。
正直かなり情緒不安定でした。


5月に入ると生活のリズムが掴めてきて家庭も少しずつ安定。転職を考えることも一日5回ぐらいに減りました。
5月は比叡山インターナショナル50マイルに出走。このレースも本来ならターゲットレースでしたが、ずっとジョグしか出来てなくて狙うとかそういうレベルではありませんでした。ただ出るからにはある程度で走りたい、ということでレース前は数回山練をねじ込み出走。結果的に熱中症ぽくなってDNF。練習不足のオーバーヒートなのか気持ちが入ってなかったのか弱かっただけなのか…惨敗に終わりました。

6月は通勤ジョグにも身体が慣れてきて週1-2回は高強度練習が入れられるように。そこで早朝(深夜)に峠走orロング走(40~80kmぐらい)を毎週実施しました。ここで一番大事なことは午前中に帰宅することと趣味を満喫してきた身分で疲れた姿を見せない、ということです。みなさんもお気をつけください。

一連の練習の中でも自信となったのはレース2週間前に参加させてもらった金華山帰れまテン。OSJチャンプにっしーさん主催のイベントで金華山の山ルートorロードルートを10ループするというイベント。
そこで峠をいい感じに走ることができ、肌感で120kmぐらいまでならある程度勝負できそうだなという手応えを感じました。(肌感って一回使ってみたかったんです許してください)

本当は2ピストン足りないので帰っちゃいけなかった…


3ヶ月の合計走行距離は約1700km
超人でもなんでもない私にとって、土日の日中は家を空けないルールの中で、使える時間のほぼ限界値まで練習したと思います。
そしてこの3ヶ月間は少しの痛い痒いはあったものの大きな故障ゼロ、風邪ゼロの奇跡。
このコンディションまでに整えられることはこの先数年ないのかもしれないな…という肌感でした。


〜装備〜


一部だけどこんな感じ。
トレラン始めた頃はいろいろ買ってたけど最近は変わり映えのない感じだなぁ。ヘッデンはレッドレンザーのNEO10R。クソ重いから変えたいけど幸いバッテリーは長くもつので首のトレーニングのつもりで使ってます。滝越で外したときには重りを外して本気を出した主人公ごっこもできるしね。

いっぱい走るのでタイツ

シューズは去年ノヴァブラスト3TRでいい感じだったのでノヴァブラスト4を選択。TRにするとカラー展開がワンパターンしかないし、そんなにグリップもいらないなぁと思いロード用ノーマル4に。

蛍光グリーン

そして時計はCOROS PACE2
一応PCで地図とGPXは入れられるんだけど、容量小さすぎて地図が地域限定でしか入れられないショボさ。ただめちゃくちゃ軽いというメリットだけはある。
オンタケの山域とGPXデータぐらい入る容量はありそうだけど、作業めんどくさいしいいか。オンタケは林道走るだけで迷うようなとこないし、大丈夫。
まぁログは24hとれるしオンタケは迷うとこないはずだから大丈夫。うん、俺何回か走ってるし知ってる。

(追記:PACE2はどれだけ山域しぼっても地図は入らないみたい。でもGPXデータのルート表示はできて離脱アラートもついてるのでやっときゃ良かったなートホホ。)

〜補給〜


ざっと40分に100キロカロリー計算。ざっとですよ。水分はザックの前に450ml×2+ザックの後ろに300ml。中身はコストコで買った600ml40円ぐらいの水です。水分に関しては色々試したけど結局水にすることに行きつきました。そのぶん塩タブレットやらツーランやらを多めに携行。

たぶんもち麦バーこんな食べれんかったw

〜レース会場へ〜


前日は22時頃に就寝。いつも5時過ぎに起きるのでできれば6時くらいまで寝たいなーと甘い期待をしながら就寝するとしっかり4時半に起床。けれども6時間半は寝られたのでオッケー牧場です。

今年は私の本気度を感じた妻が、2台のマイカーのうち排気量が多い方の使用許可を出してくれました。おかげでラグジュアリールーム仕様に。

大草原に住んでることがバレちゃう…

そして自走でレース会場へ。
中央道のリニューアル工事にびびってましたが工事区間を下道で回避したおかげか予定よりも早いぐらいに最寄り中津川インターへ到着。そしてインター近くにある去年も利用させてもらったお店で腹ごしらえ。

うどん定食960ペリカ

相変わらず安いww
去年の記憶が薄れてて大盛りにするところだったけど大盛りにしなくて良かった…。
そしてここで𝕏のもみっこさんと初めまして。去年の私のnote見てこのお店選んだとのこと。
嬉し恥ずかし!お互いレース頑張りましょーと。

そして腹ごしらえをした後にまた車を走らせていると満腹だからか急に眠気が…
ハッ…!!この眠気!!!逃してはいけない!!
過去の経験から私は知っていた、
松原スポーツ公園で受付を済ませた後はトランス状態になり眠気が吹き飛ぶことを。
会場で駐車場が良い場所とれなくてもこの眠気がなくならないうちに仮眠を取ることが最適解や!!
「きゅういいいいいいん」道の駅にジェームズボンド並の急ハンドル急停車で駐車し、30分以上の仮眠に成功。勝った。上手くいき過ぎている。今日という日の自分が怖い…。


〜帰ってきました王滝村〜


少し予定より遅れ無事会場へと到着

ん…?旗がいつもと違う…

駐車場も全然ぬかるんでいない…

ゴールゲートもレース名どおりになってんぞ!!!!(本来は当たり前)

本当にここはオンタケの会場なのか???

受付に向かうとボラのボス、ブルマ姉さんが!
良かった…ここはオンタケの会場や…
今年もここに帰ってきたんだ。

同じタイミングぐらいで来てた関西エリートランナー集団とハイチーズ。

中央あざす

〜目標〜


おぼろげに5:45-6:15-6:30の18:30
調子良いから前半はもしかしたら巻いてこれるかもなーと。まぁでも「100マイルの貯金は借金」っていうし無理だけはしないぞ。そして順位目標は総合入賞の5位以内。
ダークホースに俺はァナル!!

〜いよいよスタート〜


夕食はコンビニで買った冷やし中華とおにぎり
あとはクロさんからいただいたお土産をポリポリ。うまー。夕食後にダメ元で目を瞑って仮眠を試みたところなんと20分も寝ることに成功。勝った。

お着替えを済ませ身体中にプロテクトJ1を塗り塗りし、スタートラインに。知ってる人いっぱいいるなー。コクさん、bellさん、背高くてかっこいいなー。

あ、白川ニキ。去年一緒に走ったぺぺです。
お互い今年こそはー。などと。

そしてにっしーさん代表でお祓い。
やっぱすごい人なんだなー。

いつもの二礼二拍手一礼。
気持ちが整ってくる。

やっぱみんな速そうだなー。
でも自分もそこそこ練習はしてきた。
一発マグレを起こすぞー。

フォトbyチェル氏

〜スタート〜


3.2.1ぷぉーーーん!
って感じだったっけ?全然覚えてないわ

不思議とそんなに高揚感はない。
淡々と走るだけだ。

そしてスタートと同時に白川ニキがロケットダッシュ。嘘でしょw 100マイルレースだよね??
…自分は惑わされず淡々といくぞ。普段の通勤ランを思い出せ。これは通勤ランなんだ。

5kmぐらい走ると白川ニキに追いつき5-6人ぐらいの先頭集団に。そこからちょっとした登りに入ると少しずつ選手が離れていく。

そのあたりで一人の選手が去年準優勝されてる荒川さんだと気づく。やっぱ先頭集団にくるよねー。

少し斜度がきつい坂に入ると荒川さんと自分だけになる。他の人がいなくなるとオーバーペースなのかと不安になるけど、そんなに無理してる感じはない。この前1人で跨線橋フルマラソン走った方が200倍きつかった、このペースなら大丈夫。

そこから10kmぐらいまでは荒川さんに着かせてもらい2人旅。

こんなかんじ

その後長い舗装路区間が終わり、林道に入ると下りでジワジワ離されていく…。着いていくと絶妙に足がやられそうなペースなのでここはあえて着いていかない。やっぱ荒川さんつえー。

そこからはしばらく一人。誰も追いついてこないし不安になる。後ろは牽制しあってるんだろか。じゃここは差をつけるチャンスじゃないか。あんまりビビり過ぎず、かつ淡々といこう。去年と違って下りも軽快に下れてる。この日のためにキロ4分台で下る練習もしてきた。

〜クロダエイド〜


しばらくすると25km地点にある最初のエイド
クロダエイド(通称:白川小川エイド)に

いたクロさん。
「おーぺぺ!おやまでかけっこ映ってよー。」
「荒川さんはやいっすー。」
などと。
そこで荒川さんと1分しか離れてないことを知る。


もっと離されてると思ったけど意外と近い。俄然やる気に。バナナをモグモグしながらエイドを発。
あ、ライト消してクロさんに写真撮ってもらうつもりだったけど忘れてたー。

〜違和感〜


よし、ここから登りがしばらく続くぞ。ここを集中して登りさえすればあとは松原スポーツ公園まで下りだ。まだ全然足にキてない。100kmぐらいならなんとか上位をキープできるかも。

淡々といくぞ。淡々と。

自分でも驚くほど集中して走れてる。



なかなか急登が現れないな。
こんな坂緩かったっけな?
いや俺が強くなってるだけだな。

淡々といくぞ。

なんか林道の雑草が多くなってきた。

この辺りで何か心がザワザワしてくる。

そして登りが続くサーフェスのはずが下りに差し掛かったところで確信に変わる。

…あかんこれロストしてる

頭が一瞬真っ白になる。
いつからだ?何kmロストした?

え、だってそこに黄色いマーキングも…
いやこれPowerBarじゃなくて普通の黄色いテープだわ
そんなことある???

とりあえず来た道を引き返すしかない。と来た道を戻り出す。何kmロストしたかが気になる。少なくともクロダエイドまでは合ってたし、数kmならまだ巻き返せる。


走りながらも自分に言い聞かす、

心の火は消すな

心の火だけは消しちゃいけない


走れど走れど分岐点は見えてこない

心の火は消しちゃダメだ



ランナーのライトも見えてこない。

もう5km近く戻ってる気がする。

むしろ見覚えのない道を走ってる気さえする。

何度も自分の中で繰り返す、
心の火は…


心の火は…

…ダメだ戻ってる道さえ間違ってる気がする。

ここで初めて立ち止まる。

遭難した。

繰り返す。

遭難した。


〜オンタケの空〜

ここで文字通り、
そして教科書どおりに

天を仰いだ。

今まで生きてきてこんなにも天を仰いだことがあっただろうか。


言い切れる。ない。


誰に教わった記憶もないが
センテンスでは表せないほど
私は見事に天を仰いだ。

王滝の空はこんなだったんだなぁ。
無情だなぁ。高いなぁ。俺にはまだ高かった。何か掴めると思ったんだけどなぁ。

いやまじでどうしよう。
今まで更に迷うような分岐もなかったよな…。

呆然と立ち尽くす。

ゼッケンの緊急連絡先で電話するか?
いや、自分の今の位置さえ把握してないからダメだ…。

知恵を絞り出せ。絞り出すんだ。

…そうだ!
一旦カロスのアクティビティーを終了してスマホアプリに同期したらちゃんと戻ってきてるかどうかは分かるぞ!!!天才だ!!!!

…よし、終了、と。

ダメだ、同期できる電波がない。

もう途方にくれ歩き出す。
なんでこうなったんだ。

2位だったよね?

同期された。

エイド出て割とすぐロストしてた…
ちゃんと戻れてはいる…


ちゃんと戻ってきてるじゃないか。
ゆっくりと走りだす。

そしてロストしてしまった分岐へ辿り着く。ちゃんと矢印のコーンは立ってた。欲を言えば向かって左側に立てて欲しかった…。まぁ今更何もかも遅いんだけどね。(結局計13kmぐらいロストしてました)

このとき完全に自分の心の火は完全に消えていた。長く続く登りも走る気力がなくなりトボトボ歩き出す。

今何位ぐらいなんだろう。ゆっくり歩き続けても選手の1人も抜いてこない。もしかしたら最下位になってるんだろか。

そして長い登りが終わり頂上に辿り着く。そこにはトイレと、照明と、それに群がる尋常じゃない量の蛾と、ボラの方が一名いた。そしてボラの方が目を見開いて私に話しかける。
「もしかして迷われてました???もう100マイルの後続車先に行ってますよ?!」

そこで全てを悟った…
最下位だ。2位からの最下位。

ぺ「ええ。おそらく10kmぐらいロストしてました。」言わせないでくれ…頼む…。

ここからまた長い下りに入る。さっきまで歩いてたけど松原スポーツ公園まで歩いたらかなりの時間がかかる。気力はないけど走るか…。すると体力がまだ残ってたせいか軽快に下れていく。

なんだやっぱ今日調子いいじゃん。

悔しさが手の先から足の先まで広がっていくのが分かる。

そのうちに後続車の軽トラに追いつき、数名の選手もかわすことができた。松原に戻ったらタイムはどのくらいなんだろう。まだ完走目指せるようなタイムなんだろうか。いやもう10km以上はロストしてるし100マイルを走りきる気力がない…。


もう松原スポーツ公園に戻ったらリタイアしよう。

…弱っちいなぁ。

〜そして俺の夏が終わる〜

長い下りが終わりようやくロード区間に入る。情けないやら、悔しいやらでペースがどんどん上がっていく。ペース上げたところでDNFするし何も変わらないぞ。何やってんだろ。

そして松原スポーツ公園に戻ってきた。
(本来なら54km地点)

ゲートを通過する。3時43分。
俺のオンタケは終わった。

ボラの方が手際よくデポバッグを渡してくれる。
ありがとうございます。ここでリタイアします。もう戦える気力がありません。

早かったなぁ。最後の最後まで苦しむつもりだったのに。苦しむことさえできなかったわ。
パイプ椅子に座りながら涙が止まらない。

自分が自分に対して一番期待してる部分はあった。
今年ならやれると。ただもう終わったんだ。シャワーを浴びて、車に戻ってからも涙が止まらない。
おっさんでもこんなに泣けるんだな。目がなくなってきた。こんなに泣いたのは大学一年生のとき彼女に振られたときぶりだ…。好きだった…。

もうランニングなんてやめよう。

最近大きめのテント買ったしファミリーキャンプを趣味として生きていこう。

今までありがとな、ランニング。

少し仮眠を挟み、誰かのゴールを見届けるということもなく、逃げるように王滝村を去る。


ということでかなり落ち込みましたが、家に帰ったら妻と息子たちとがたくさん励ましてくれました。

妻が私の好きなやーつを
用意してくれた

私は落ち込みやすいけど立ち直るのも早いのが良いところ。ワイン1本空けたらだいぶ心が回復ました。

とりあえずランニングはやめません。
走ると酒美味いし。

また来年もオンタケ100マイルで勝負するぞー!
という気持ちにはまだなれないなぁ。

でもまた王滝村にいくことになるのかな。
わからんなー。

ということで

時計を買います。
それだけは決めました。

終盤病みnoteになってしまいましたが最後まで駄文お付き合いありがとうございました。
今回も何のためにもならない記事でしたね。
またどこかで会いましょう。

ぺぺ

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