見出し画像

『LAMP IN TERRENtour2020Progress Report』福岡編

2020年、2月後半。
大阪のライブハウスでLAMP IN TERRENを観た。
the quiet roomとの大好きなバンド同士の対バンだった。
福岡から大阪まで飛ぶ、と決めた。(実際は夜行バス)
世の中はコロナで騒ぎだしていたし、
わたしも遠征はこれで最後かもなぁと薄々感じていた。
その後の外出自粛、緊急事態宣言、ライブにすら行けなくなった。
やっと、LAMP IN TERRENがライブハウスで見れる。
その知らせを聞いて、
でも無事に開催されるかは時期が近づいてみないと分からない。
不安と期待の中、この日を迎えた。

このような状況になってから、
一度別のインディーズアーティストの
ライブに行ったことはある。
だけど座席ありは初めてのことで、なんだか妙に緊張した。
整番がわりと良かったので最前列の上手から3番目の席。
大さんの目の前である。
健仁さんの注意事項のアナウンスにニコニコしながら
開演を待つ。この時間も楽しいものだ。
普段なら仲良しと喋りながらでも待つところだが声は出せない。

いつものSEにほっとする。
やっと始まるんだ、8ヶ月ぶりのLAMP IN TERRENのライブが。
大さんだけが出てきて、ピアノを弾く。
この曲始まりか!と意外だった。
それからの二曲目、
大喜さんが本当に楽しそうにドラムを叩く姿がよく見えた。
ドラムの位置は通常奥で見えにくいことが多かったが、
今回はギター、ドラム、ベース、キーボードという並びだったので
普段見れない大喜さんを目に焼き付けようと思った(ガン見)

大さん「こんばんは、LAMP IN TERRENです!改めてよろしく!」
大さん「俺らのツアー今回初めてだよ!ってひと!(手上げて)」
ほとんどがあげる
大さん「じゃあ、俺らのライブ初めてだって人!」
真ちゃん「ちらほら…」
大さん「何回も来てるよ!って人!」
「おぉ〜」
大さん「愛してるぜ」
ちょっとシーンとしたあと、お客さんから
「愛してるよ」と返ってきたので
大さん「なんか俺の愛してるがふわって
宙に浮いちゃったみたい笑(うろ覚え)」
大さん「今度のアルバム買った人!」
「おーほぼ全員」
大さん「ありがたいねえ。
じゃあこれは入ってない人も多いでしょう。
ファンクラブっていうか…街を作りました。」
ファンクラブの説明をして、次の曲に入っていく。
ベースと同期の音が印象的なあの曲。
まさか古い曲もやってくれるなんて思ってなかったから
すごく意外で驚いた。
新旧様々なセットリストだった。
大さん「本当は、手もあげないくらいのライブにする予定だったけど
やって行くうちに皆さんのライブがしたいんだっていう気持ちが
伝わってきたので、ライブをやりに来ました。」
「立ちたかったら立っていいぜ!」と大さんが言うのでみんな立った。

次のトーク
健仁さん「みんな立ちっぱなんだね」
大さん「座っていいよ、トーク長くなるし。」
みんな座る
大さん「椅子のあるライブなんか俺らやった事ないから
立つとか座るとかタイミングわかんないよな。
まぁいつかホールでやるかもしんないし?…って聞いてねえな」
健仁さん「水を飲んでいたよ」
大さん「でもColdplayの時とか椅子だったけど立ってたよな」
健仁さん「Coldplayと比べちゃダメだろ笑」
大さん「(笑)」
大さん「ここはさぁ会場が広くて天井が高くて俺らの同期の音とか
すごい響くらしいのよ。スピーカーでっかいし、
でも俺らはここにいて演奏してるからそれを体験できないっていう。
お客さんだけしかわかんない。」
下手から真ちゃん、大喜さん、健仁さん、大さんの並びなので
健仁さん「この並びさぁ、珍しいよね。
俺こんなに間近で大喜見るのないぜ。」
大喜さん「俺が見てない時にお前が見てる」
健仁さん「気持ちよさそうな顔して叩いてんな〜と思ってる」
大喜さん「うわ、キモっ笑」
大さん「それ楽屋でやって貰っていいっすか笑
お前ら、福岡についてなんか無いの?」
大喜さん「真ちゃん、昨日サウナ行ったんでしょ?」
真ちゃん「行った。ゆの華に。」
大喜さん「真ちゃんはそういう意味では満喫してる(ここも記憶が薄い)」
大さん「へぇ。近い?」
真ちゃん「まぁ近い」
大喜さん「大はラーメン食べにもうshin-shin行ったんでしょ?」
大さん「行ったよ1時間20分並んで。雨の中ぼーっと。」
大喜さん「じゃあこの3人がまだラーメン食べてないってわけだ。」
大さん「この話おもんねーwww」
大喜さん「いやお客さんは笑いこらえてるから面白いんだよ(?)」
安定の仲の良さ。さすがである。
この緩いトークがわたしも含め、ファンにはたまらない。
声を出しちゃいけない、と思いつつ笑いが止まらなかった。

続いての6曲目。
これも意外だった。
続けての7曲目、6曲目と近しいものがあって
ワクワクした。
選曲が凝っている。
そこから8曲、9曲と割と大人しめな曲が続いていく。

大さん「今日の福岡は雨です。
これ、お気に入りの靴なんだよ。
10万くらいした。」と言って歌い出した、
以前は弾き語りでしかやれなかった曲をバンド編成でやってくれた。
ここでの大さんが非常に可愛かった。
しゃがんで手を振ってみたり、
歌詞に合わせてお客さんを指さしてみたり。
広いステージをハンドマイク片手に縦横無尽に動き回る。
恐るべし松本大の体力。

「長くなるから座って」と促した大さん。
お客さんたちが座る。
「この曲は、自分の日記を公開するようなものだ。」
「こんなコロナの状況になって、
俺らはこれを生業にしてるから
やってるけど、皆さんにとってはそんなに重要じゃない。」
大さんがいつも言っている事だ。
大さんはそう言うけれど私にとっては
衣食住の次くらい必要だ。
「売れないし、それでも応援してくれてありがとう。
曲を作らせてくれてありがとう。」
こちらこそありがとうである。
ファンでいてよかった、好きでいてよかった。
そう思わせてくれる。

次の曲は2016年11月2日にデモ状態をここ福岡で
(しかも裏の会場で)聞いた思い出の曲。
その頃は歌詞をスマホで見なければならないほど
覚えていなかったのだけど
しっかりと曲になって成長していた。
生きていればいろいろある。
悩みだらけの私に、LAMP IN TERRENの曲たちが
そっと寄り添ってくれた気がした。

「行くぞ福岡!」と言われたあとは手を挙げ、体を揺らし、
無我夢中だった。
「次で最後の曲です。」
「えー!」
「今ツアー初めてのえーです。ありがてえなぁ。
長くなるし座って。」
そう前置きした大さんは話す。
「もしかしたらラジオを聞いて
同じことを言っていたから
知っている人もいるかもしれないけど
コロナで、自粛期間になって、
自分を見つめ直しなさいって言われてる世の中だけど、
俺はそれにすっごくムカついたの。
だってみんな鏡見て今日もいけてるな、なんて思わないでしょ?
今日寝癖酷いな、とか肌荒れてるなとか、色々思うでしょ?
イケてるなんて思うやついないよ。
みんな誰かしらなんかのコンプレックスがあるから。
だから自分なんか見つめ直したって意味がないってムカついた。」
「生きろよ!」大さんが言う。
「本当はこんなこと大きな声で言うのもなんだけど
あんまりにも人がバタバタ死ぬから。」
そんな話をして、演奏した最後の曲は力強く、
わたしの背中を押すようなそんな歌だった。

アンコールを今ツアーはやらない前提で回っているため、
求められたらやる、その場で曲を決める、ということだった。
「さっき決めてきたんだ」と言った大さんがピアノの前に座り、弾き始める。
2曲目は演奏中に決める、と言っていたのだけれど、
1曲目が終わってすぐ「あ、決めてねえや」と言った途端
大喜さんが、ドラムを叩き始める。
アッカンベー!の顔をして。
そう、前日に大さん以外の3人で決めていたオーバーフローではなく、
全く違う曲で、慌てる健仁さん、真ちゃんの2人。
実は大さんが3人の企みに気づき、大喜さんを買収して
「あいつらはめてやろーぜ」と提案し曲を変えたらしい。
真ちゃんの慌てようは特にすごく、ギターは変えなきゃいけないわ、
カポはつけなきゃいけないわ、あたふたしていて可愛かった。
弾きながら靴でこつんと大喜さんを蹴るふりをしていたのを
私は見逃さなかった。

まぁ何はともあれ、わたしの8ヶ月ぶりの
テレンライブはあっという間に幕を閉じた。
この状況の中、行く選択をしたわたし
行かない選択をした人、行きたかったけど行けない人
みんな間違いではないと思う。
みんな正しいのだ。
わたしは、行ってよかった。
これからも、変わらず応援していきます。
遠征は確実に出来なくなるけど、出来ることをできる範囲で。
それで幸せなものを貰えたら嬉しいから、また支える。
そうやって続いていくのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?