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富豪が立てる家(屋敷)を見て思う事

お金持ちになる本当の意味

 タイトルは忘れたが以前読んだ本で、お金が増えたところで出来ることはたかが知れている、と著者が言っていた。
 つまり、お金持ちになる意味はあまりない、と。その時はあまり考えずにそうかと思ったが、いま改めて考えると決してそうではないと分かる。

 確かに、何千万、何億と稼いでも買えるものや受けれるサービスは限られたものかもしれない。
 例えば、都内の一等地に家を持ったり、タワーマンションに住む。
 また、高級車に乗ったり、ブランドものを身につけたり、旅行に行く際はビジネスクラスを利用できたりといったところだ。
 住むところ、乗るもの、着るものなどがランクアップするだけで、生活自体が大きく変わるわけではない。
 しかし、お金を持つ意義はそういった物質的なものだけだろうか?

お金の本当の意義は精神的に自由になること

 私は、お金を持つ本当の意味は、物質的に豊かな生活を送ることよりもむしろ精神的にゆとりのある生活を送れるようになることだと思う。
 金持ち喧嘩せずというが、それはお金があるといつでも嫌なことを回避できるという安心感から、金持ちは心に余裕が生まれるのだろう。
 例えば、一緒にいたくもない人と席を並べて仕事をする必要もなくなる。
 FIREという言葉や人生逃げ切りという言葉が流行っているが、これは人生がそもそも修羅場の連続であることを前提としている。ここでの人生とは主に人間関係について言ったものだと思う。
 人生逃げ切りという言葉には、そういう苦労の連続の人生を早く終わらせて、逃げ切りたいという切実な願いが込められているように思う。

 また、仕事以外にも音からの自由というのもある。
 例えば、狭く壁の薄いアパートで暮らしていると隣からのうるさい音にも耐えながら生活しなくてはならない。私の住むアパートは、ドアクローザーが機能しておらず、ドアを開閉するたびに、爆弾でも落ちたのではないかというほどの大きな音がする。(ちなみに管理会社に言っても全く解決しなかった。)
 住まいを選べるようになることで、周りの音から自由になれるというのもお金を持つ大きな意味になるだろう。

富豪に見るお金持ちになる意義

 特に数千億といった極端に大きな資産を持つ富豪を見ると、広大な敷地の周囲を鉄柵か何かで囲い完全に外部と隔絶された空間に大きな屋敷を構えている。
 当然そこには、周囲からのうるさい騒音も入ってこないであろうし、家政婦のような自分に忠実に従うイエスマンのような人ばかりを周りにおいて暮らすので、人間関係のストレスを感じることも当然ない。
 このように、人間は有り余る富を手にすると究極的には、嫌な人や音といったストレス原因になるものを一切近づけず、外部から隔絶された中で、自分の選んだ人だけを周囲に従えて、ストレスのない生活を目指していくものなのだろうと思う。
 まあ、山の中などに行けば外部から隔絶された状況というのは実現できるかもしれないが、利便性が損なわれずという条件を満たしつつ、平穏な生活を実現するにはやはり多くのお金が必要だ。

近隣にある某起業家の豪邸を見ても思う

 家の近所に某起業家の建設中の豪邸があるが、どう表現したらよいか、柵でもない、1階部分がすべて壁のようになっていて住まいが全く見えない。そして何やら2階部分に木やら植物が植え付けてあり、広大な庭と住まいが存在するようである。それこそドローンでも使わない限り、建物自体どうなっているか周囲からは伺い知ることができない、完全に周囲と隔絶されたある意味異様な空間が広がっている。
 やはり、人が最終的にめざすのは、無関係の人間から完全に隔絶された平穏な生活なのだろう。


 

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