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ああ、いい一日だった【weekly 米栗カレンダ 20201013】

■シュレッダー

ばあばが、溜めに溜め込んだ書類を、一気にシュレッダーにかけた。

それはそれは大量の「シュレッダー済の紙ふぶき」ができた。

ばあばがゴミ袋にまとめたそれを、ざーーーーーっと床にぶちまけた3歳の彼は、それを雪に見立てて傍若無人の遊びっぷり。

片付けが…と白目になっているオヤ。部屋中が…いや、家中が紙ゴミの館と化したのでした。彼が寝たあとの片付けは、果てしなく大変だったのでした。

■風船

近所のおじさんが「薬屋からもらってさ」と、風船(まだふくらませていないゴム風船)を20個くらいくれた。

マンションの砂場で遊んでいると、顔見知りのおばさんがカルピスをくれたり、お二階さんがおせんべいをくれたり、見知らぬおじいさんがカブトムシを「畑で見つけたんだ」とそのまま(!)くれたり…と、彼はなかなかのわらしべ長者っぷりを発揮している。そして今日は風船だ。

それをオヤがふくらませ、膨らませた風船をぱっと手離すと、ぶわぶわぶわと音を立て、宙を右に左に上に下に飛んでパタリと地に落ちる。

その「けしてまっすぐに飛ばない」様子に彼は大はしゃぎ。何度も「もう一回やって!」を繰り返し、オヤが「もう息を吐け無い、酸欠でくらくらする〜」と倒れ込むまで続けたのでした。

■眠る前の一言

「眠いけど、まだ遊びたいのよ」

「今日が終わるのが、寂しい〜」

「ああ、いい一日だった」

最近の彼は、日暮れ時にこの3つのセリフのどれかをつぶやく。いい一日だった、と言って終わることができる日のなんと素敵なことか!

■今週の出来事■

彼が幼稚園に行っている間に、人間ドックを受けてきた。

脚本家連盟指定の病院は芝公園の近くにあるので、久々に地下鉄など乗ってでかけていった。

平日だったことや、芝公園という場所、あるいは時間帯のせいかもしれないけれど、なんだか、コロナになって半年以上経った東京は空気感がだいぶ変化したなあと思う。

20年前のにぎやかさから、ここ5年くらいは「疲れたからちょっとボリュームを下げよう」という雰囲気になっていて、そこにコロナが来てパチンとスイッチが切れた……そんな感じ。

都市の沈黙が再び音色を取り戻すには、少し時間がかかるかもしれない……と、ニュースに映る台湾やイギリスの人々と比べての日本人の表情の薄さに感じたのでした。

焦らず、気持を健康に保つことを考えて、「ああ、いい一日だった」と唱えながら日々を過ごそうっと。

(また来週!)

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取材、執筆のためにつかわせていただきます。