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ソード7の解釈あれこれ

大アルカナに比べ、日常のよくある出来事や心情を映す小アルカナ。

現実を切り取ったかのようにピッタリなカードが出る事もありますが、具体的な分、一つの意味に引っ張られがちで発想を飛ばしにくい面もあるかな~と感じます。


今回は個人的に納得のいく解釈が出にくかったソード7について書いていきます。


基本の意味

 よく解釈例として挙がるのが『策略』『裏切り』『悪だくみ』などの人を騙して得をするという意味合いですね。
忍び足で野営のテントから武器をこっそり持ち出す男。上手く盗み出すには段取りを組む能力も問われたことでしょう。要領の良さや計画といったキーワードも出てきます。

 注目しておきたいのは全体の色合いで、『祝福』『成功』『希望』『繁栄』などを意味する黄色が背景一面に使われています。
悪だくみとはいえ一概に悪い結果を生むわけではないことや真正面から人を傷つけたり悲しませようという意志はないことなどを意識すると解釈の幅が広がり、状況に合わせてピンとくる読みが出やすくなります。

※黄色はユダ=裏切りの色とも言われ、その点では基本の意味を補強しています


解釈例1:『駆け引きを楽しむ』

 これは実際に占った時の解釈例です。

 相談者は同級生に片想い中の学生。最近相手と連絡先を交換し、その後友人づてで相手が自分に好感を持っているような発言をしていたと知ります。実際会ったときは雰囲気も良く会話が弾み、楽しく過ごせていると感じる。
相手の気持ちと今後どうなるかが知りたい、というような内容で占い鑑定を募集していました(フェイクも交えています)。

 この時に相手の気持ちとして出たのがソード7。弄ばれるとか都合のいい相手として利用されるなどが真っ先に挙がりそうですが、この時は直感的にも嫌な雰囲気はなく、相手の人柄や相談者の友人が応援していることから見ても考えにくい状況でした。

 そのため前提としてポジティブ、でも小さな嘘やこっそりと画策する感じはある、男女間の恋愛に発展するかしないかの時期…と手元にある要素を重ねていき、ピンときた解釈が

『恋愛的な駆け引きを楽しんでいる』

という読みでした。
好意はあるが決定的な瞬間に踏み出す前の、相手の気持ちも確かめながら自分の好意も少しずつ示したり隠してみたり、という状態。

 今後どうなるかの未来もポジティブなカードで、合わせるとよりこの解釈がしっくりくるものとなりました。相談者さんにも納得して喜んでいただけたこともあり、印象深い占いのひとつです。


解釈例2:『いいとこ取り』

 正位置でネガティブな意味を持つカードは『アドバイスとして出たとき』の解釈もなかなか難しいところがあります。

 解釈の手法としては『注意』や『忠告』のように、そのカードのネガティブな意味に巻き込まれないようにとか陥らないように、と読み取るものがあります。
これを知ってからだいぶ読みやすくなり、腑に落ちる解釈ができる場面もどんどん増えました。
ただ、その一方で本来のネガティブな意味のまま推奨するような読みこそがしっくりとくる場面も意外と多いなと感じています(悪魔の正位置が助言に出たので「欲望の赴くまま進もう」など)。

『いいとこ取り』もその一種です。


 自分自身を占うとき、対人関係で『関わりたくないが立場上関わるしかない人』とのことを占うことが多く、助言としてよく出るのがソード7です。
 始めは『要領よく体面だけ取り繕って』とか、忠告として『騙されたり嘘をつかれたりに注意』とかそんなところかな?と解釈していましたがどうもしっくりこない。

 そもそも相手に悪意がないゆえに対応が難しい、という悩みでもあるので嘘や企みへの警戒を読むのは不自然。体面だけ取り繕うのは今までやってきた結果、限界を迎えて苦しいのだから意味がない。


 何かもう少し、肩の荷が下りるようなメッセージを読み取れないだろうかと絵を見ながらあれこれキーワードを出していく中でピンと来たのが

『欲しい物だけもらう=いいとこ取り』

の解釈でした。
相手の行動のうち、自分が助かる時だけ積極的に関わってそれ以外は徹底的に距離を置いたり、相手と仲の良い人を介してやるべきことをやってみる。
 ややこしい接し方にも思えますが、これを心得てからは自分が上機嫌でいる時間が圧倒的に増えました。

 ソード7に描かれる男は七本の剣のうち五本だけを盗み出しています。それが必要な本数なのか、発見を遅らせるために残していくのか、持てるだけ持った結果なのか、はたまた質の悪い二本を捨て置いたのか。
いずれにせよ『自分に都合がいい本数だけ』持っていくわけです。

 そんな男の姿が正位置でアドバイスとして示されるとき、『時にはこのくらい自分に都合よくいいとこ取りしたって良いんだよ』という少しの茶目っ気を含んだメッセージが送られているのかもしれません。
 日頃から礼儀や筋を通すような、真面目さが強い人には特に解釈のバリエーションとして持っていると助けになってくれるのではと思います。


以上、今回はタロットカード・ソード7についてでした。

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