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せっかく書いた話がつまんないときどうする?!

こんにちは!
此島このもです。

こないだ『心の瞳の歌詞を見つめれば』という記事を書きました。
ところがこれがめちゃめちゃつまらない。

今日投稿すれば3日連続投稿になる。そして時刻はもう夜中。何か書くことないかなあ。あ、そういえばこんな勘違いに気付いたんだった。

そんな気持ちから書きました。
読み返してみると普通につまらない。
いや読み返さなくてもつまらないことには気付いていました。時間がないからって妥協して投稿しちゃった。

笑えるような内容でもないし、深い学びがあるようなことでもない。
普通。
普通で、つまんない。

あーあと思いながら「いやいや書いた事実そのものに意味があるんだよ。ずっと休んでいて急に連続投稿なんてそれだけで頑張ってるじゃん」と自分に語りかけても、無理やり褒めるところを探して励まされているようで、かえって嫌な気分が高まったりもして。

もういいや忘れようと心がけても、ふとしたときに思い出したりしてね。


そんな中、妹に借りた『むらさきのスカートの女』を、まだ全部読んでいなかったことをふと思い出しました。
本編は全て読んでいましたが、中に収録されていた芥川賞受賞記念エッセイを読んでいなかったのです。

私は本を開きました。

そしてその中の一編『ぐるりと回るレストラン』に、とても感心したのです。

そのエッセイには、芥川賞選考会の結果を待つあいだ、回転展望レストランで編集者と話をしていたことが書いてありました。

窓の外に目を向けると痔の看板が見え、作者の脳内に小学校での思い出が蘇る。他愛無いおしゃべりのなか、その思い出を聞いて欲しくなった作者は切り出すのに適切なタイミングを待っている……そして今だ!というときに受賞を知らせる着信がくる。

という話です。

その中で私が感心したのは、つまらない話を面白くする手腕です。

正直、作者が編集者に聞いてほしくなったという小学校でのエピソードは、私には全然面白く感じない、とるに足らない話に思えたんですよね(気になる方は朝日文庫の『むらさきのスカートの女』に収録されてるから見てね)。

でも、そんなつまらない話を、芥川賞作家のこの人は、話したくて話したくて1時間もタイミングを待っている…

つまらない話と作者の話したい欲求のエネルギーがつり合っているように思えず、私はそこにおかしみを感じました。
そしてあんなに話したいと思っていたのに、いざ口にしたあと編集者が何と答えたのか、そのリアクションを覚えていないそうです。とにかく言えて満足だったと。
そのギャップも面白い。あんなに執着していたのに覚えてないんかい!とツッコミたくなる。

でも、ツッコミたい!とウズウズする私の横に「わかる!自分でも不思議なくらいどうしても言いたくなっちゃうときある〜!!!!!」と共感している私も確かにいるんです。

つまらない話が主役なのに、面白くて共感できる。
これが芥川賞作家の力…!!!

すごいですよね。

本編の『むらさきのスカートの女』も面白かったし。
もっと読みたくなりました。

今後はつまらない話をnoteに書くとき、今村夏子さんを見習って面白く調理……できたら私も芥川賞作家になってるっつうの!一介のブロガーには無理だあーーーと思いつつ、面白くなるよう努めたい、と思います。

あーーーー私も今村夏子さんみたいな面白い記事書きてぇ〜!!



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