風雪ながれ歌がわたしの前に降ってきた……
母が認知症になった。
あの苦しい日々に
風雪ながれ歌が流れた
わたしの涙腺は崩壊
母の前で
泣きながら歌った
演歌は嫌いだったわたしが
北島三郎さんの演歌を
全身を振り絞り
なみだとともに歌う
作詞は星野哲郎さんだ
やりたいことの
ために
なにもかも捨てて
三味線一本で
世に出て行く
その後の壮絶な人生が
想像できるから
共感する
平凡に生きる道もあっただろうに
魂の叫び、に
荒波に三味だけを抱え
漕ぎ出して行く
孤独だけど
強い、純粋な魂に
わたしの魂が
共鳴する
無数の、なみだとなって