思い切って飛び込んでみたら、優しい世界が待っていた
野球大好き、西武ライオンズ大好きの母。
ㅤ昨年母とベルーナドームに出かけた際、また来年も連れて来たいと思う反面、休み休み歩く母が歩くよりも休む時間の方が長くなっていることを懸念して、今年は敢えて私から「野球観に行く?」と言う言葉を掛けなかった。
母としたら「いつ連れて行ってくれるのだろう」と思っていたらしいけど、今年の初詣も階段を上がるのに一苦労したし、昨年の野球の帰り道も「もう疲れたから野球は家で観る」と言ったこともあり、自分から行くと言わないかなとも思っていた。
ところが、母としてみたらそんなことはすっかり忘れて(母の名誉のために断っておきますが、年相応の物忘れは所々ありますが、認知症はありません)娘からの「野球観に行こう」の言葉を待っていたらしい。おやおや・・・
だったらね、連れて行かないと言う選択はないよね。
すぐにチケットを手配し、行き帰りの特急指定席も押さえました。
(まだホーム側の応援席がかろうじて残っていてほっとした)
しかし、本当にあの遠い球場まで歩いてくれるのか、行けたとしても移動に掛かる時間をどのくらい確保すればいいのか、私の頭の中は “心配” と言う二文字でいっぱいでどうしようもなかった。
そんな時、訪問リハビリに来てくれる理学療法士さんが「車椅子を借りましょう」とアドバイスをくださり、前々日に慌てて福祉事務所からお借りすることができた。それも考えないわけではなかったけど、母が拒否するだろうなと思い込んでいたのよね。
ところが、最初の一言は「歩けるから大丈夫よ」とは言ったものの、割とすんなりと乗ってくれて逆に拍子抜けと言うか驚いてしまった。
そこへ飛び込んで来た“特急運休”のお知らせ。
何でも車両不具合によるらしいのだけど、選りに選ってこんな時に・・・
以前、特急指定席が売り切れで普通の電車に乗ったのだけど、あまりの混み具合に身動きも取れず、母を席に座らせることが出来ずに困り果てた経験があるので、特急運休のお知らせは私の不安を何倍にもしたのだ。
あっ、でも車椅子で行くなら席の心配はいらないか。
心配があるとすれば、車椅子で電車に乗ること、スムーズに乗り換えができるかと言うこと、雨でも傘がさせないこと。
当日はレインコートを着て、予定よりもかなり早めに家を出た。
駅の改札を通ると、すぐに駅員さんが「どちらまでいらっしゃいますか?お手伝いしますので」と声を掛けてくださった。
そこからはあれよあれよという間に、どの駅に着いても駅員さんがスロープを設置してくださり、球場へ着いてからもスタッフさんが席まで案内して車椅子までお預かりしてくれるではありませんか。
(最初から車椅子だったら、バリアフリー席にしたのだけど、そんなつもりはなかったので着席にしていたんだよね)
やだ、もう何の心配もいらなかったじゃない。
ひとりで頭でっかちになってさ、悩んじゃったよ。
車椅子を母が嫌がると思ったのは私で、本人に確認したわけじゃないのに「怒るだろうな」とか「だったら行かない」なんてこと言うんじゃないかななんて、それは勝手な私の想像でしかなかったんだよね。
母はさほど体力も使わずに移動もでき、念願のビールも堪能し、試合には負けたものの「幸せね〜」と帰宅後もニコニコでした。
結論
大丈夫、大抵のことは自分が勝手に心配してるだけ。
お世話になった皆様、心から感謝を申し上げます。
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