特別ではない当たり前のこと
「看取り」のことを考えたとき、そう思うこと自体がまるでそこに向かっているようで考えないようにしていました。きっと同じような思いの方は多いのではないでしょうか。まるで最期を待っているかのようで、考えたくない自分がいたのです。
仕事柄たくさんの「死」と関わり合ってきたのに、いざ自分のこととなると情けないくらいに目の前から遠ざけてしまいたくなるのですね。
しかし「死ぬことは特別なことでも珍しいことでもない」という話を読んだとき、受け入れるとか受け入れないとかそんな問題ではなく、「死は当たり前」のことと考えるようになりました。
今のような核家族ではなく、まだおじいちゃんもおばあちゃんも、はたまたひいおじいちゃんもひいおばあちゃんも一つ屋根の下で暮らしていた時代。人は家で産まれ家で死んでいった時代。何も特別なことではなく、当たり前の日常として生と死はそこにありました。
今の時代は病気になると病院へ入院し、高齢で体の自由が利かなくなると施設へ入居し、産まれるのだって産院で、生と死は日常ではなくなり特別なものになってしまったような気がします。
この世に生きるものとして、授かった命にはいつか終わりが来ます。あなたも私も、いつかはその時が来ます。もちろん大切な家族にも。
違いがあるとすれば、それが早いか遅いかということだけです。
特別なことではない、当たり前のこと。
みんないつかは迎えること。
そのいつかがわからないからこそ、生きてる今を大切にしましょう。あなたの大切な家族も、そしてあなた自身も。今その時を大切に生きましょう。
「死ぬことは特別なことでも珍しいことでもない」
今もしも悲しさや寂しさに心を痛めている人がいらしたら。あなたの大切な人は、あなたを悲しませる気持ちも寂しくさせる気持ちもないのです。そのことだけは忘れないでくださいね。
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