あなたの声は届いている
以前受け持っていた透析患者さんのお話です。
脳梗塞の後遺症で麻痺があり、ずっと寝たきり状態でお話しすることもできない方でした。
会話ができなくても、こちらからは頻繁に声掛けをしていました。するとわずかに動く手を伸ばしてくださるのです。
その手を握り返しても表情は変わりません。それでもきっと声掛けはその方に届いていたのだと思います。
「聴覚は最後まで残る」
聞かれた方も多いと思います。
五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の中で聴覚が一番最後まで残るという研究結果もあるそうです。
自分が疲れているとき、忙しいとき、ついつい口調がきつくなったりすることがあるかもしれません。
話も通じなくてイライラして、思わず言ってはいけないことも口を衝いて出てしまうかもしれません。
そして自己嫌悪に陥るのですよね。そんなつもりではなかったのにと。
ぐっと我慢するのは辛いことかもしれませんが「ちゃんと聴こえてるんだよね」とこの言葉を心と頭の片隅に置いておいてください。
言った後に「言わなきゃよかった」と思うくらいなら、その時はぐっと堪えてください。
そして「偉いぞ、私」って自分のことをたくさん褒めてください。
だって、毎日本当にあなたは頑張ってるのですからね。今日も一日お疲れ様でした。ゆっくりお休みくださいね。