『ぼけとるけん』で済む社会
大好きな漫画家の岡野雄一さん。
岡野さんが認知症だったお母さまのみつえさんのことを心温まるエピソードとユーモアたっぷりに描かれたコミック本「ペコロスの母」シリーズ。(認知症だったと過去形にするのは、今はもう天国で自由にされているとの思いからです。)
手元には揃えてあるものの、実は最後まで読み切ったものは一冊のみなのです。他は涙で滲んで最後まで読み切れていません。
今日、ふと読みたくなり手に取りましたが、また途中でギブアップしました。私を泣かせるのは簡単です。印籠のごとくこのシリーズを目の前に置かれたら、そこらへんの一流俳優にも負けないくらいあっという間に泣けます。
今ご家族の介護を頑張っている方。
これから介護を担うかもしれない方。
よろしかったらこちらをご覧になってみてください。
海蔵亮太さんが歌う「愛のカタチ」(原曲は中村つよしさん)
当初は海蔵さんが歌う映像を交えた実写のMVが作られたそうですが、歌と「ペコロス-」のイメージが合うことから、レコード会社のクラウン側が岡野さんにMV制作を依頼したそうです。
曲は認知症を患った妻と夫の絆の歌ですが、アニメは母と息子を中心とした物語となっています。
「母のことを病気として捉えたことはなく、本当に年をとるってこういうもんなだろうなと考えていたんです。本来はそんなふうに『ぼけとるけん』で済む社会が一番いいのでしょうね。 」(岡野さん)
岡野さんの言葉はどこまでも温かく、そして私はまた泣いてしまうのです。
おかげさまで母は認知症のテストもクリアするほど元気ですが、とぼけた発言はたくさんあるので時々「大丈夫かな」と思うところもあります。
けれど、そのおかげで我が家は笑いが絶えないので、少しくらいは「おとぼけ」があった方が介護者も要介護者も幸せなのかもしれませんね。
『ぼけとるけん』
みんなが温かく見守ってくれる社会になったらいいなぁ。
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