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SNS 恋愛小説/MAYBE〜糸電話〜 第6話
《飴玉の悲劇と誕生日の約束》
わたしは黙ってしまった。どう返していいかわからない。
飴玉
「お父さんずっと怒ってばっかで大嫌いだったけど、もうお父さんと思うのも、嫌だ」
まあ
「ショックだね…」
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飴玉
「もういいの。ごめんね、急にこんな話。もう一つ悩みがあるんだけど。また今度聞いて」
まあ
「今でもいいよ?」
飴玉
「今はまだ、さっきのことでイライラが止まらなくて!とても落ち着いて話せないから。」
まあ
「わかった、また今度聞くね。その…あんまり思い詰めないでね。じゃあね」
思い詰めないなんて、無理だろうな。
他にも悩みがあるって言ってたし、飴玉 大丈夫かな。
ますますビートしづらい状況になったことに、わたしは半分困り、半分助けられた気がした。
ところがそこへ、突然、K氏からのDMが入ってきた!
開けるべきだよね、今日、K氏初バイトだったんだから。話聞くの普通だよね。返事、どうしよう。
…えーーいっ!
【DM】
K氏
「まあ」
まあ
「K氏、お疲れさま、バイトどうだった?」
K氏
「全体的にいうと、上手くいったよ!」
まあ
「本当に!よかった!! 」
K氏
「いい先輩達がいて、安心して仕事教えてもらえそうだし」
まあ
「あぁ、よかった!! わたし本当はそれ、やっぱり心配してたんだ。うまくいかないと仕事もつらくなっちゃうから」
K氏
「まあの言う通り、職場の人がどんな感じかは、大事だ。今日俺、それがよく分かったよ。心配してくれて本当にありがとう」
まあ
「えへへ」
笑ってはみたものの、この先に話す話題…話題…
K氏
「あのさ」
あ…
まあ
「うん」
K氏
「昨日の話だけど」
き、きた…!!
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まあ
「あ、うん」
K氏
「俺の誕生日の日に聞きたい。来週2月20日だからさ。その日まで、返事聞くのとっておきたいんだ」
20日?それまでは、わたしも待つってこと?だよね。あと6日か。結構、長いよ。この緊張感もずっとでしょ…。
K氏
「それでもいい?」
でもそれ、もしわたしがNOの返事を出したら、誕生日が台無しになったりするんだよ?それって…もう答え分かってたりする…?
まあ
「20日までって、ちょっと長いよ。もう、今言ってもいい?」
K氏
「いや、待って」
あ、
いや、待って…、わたし、今日バレンタインデーなのに何も考えてなかったじゃん、そういえば。ダメだ、今は言えない!!!
まあ
「うん、待つ!!!」
K氏
「なに?どうしたの?笑笑」
やっばいよ、笑われてる!笑泣
まあ
「やっぱり待つ。その日に言う。」
だって、誕生日に告白の返事って、一生の思い出にもなることだよ?もしどこか いい加減な気持ちだったら避けたい日なのに、その日を選ぶなんて。
K氏「じゃ、俺も、その日までに覚悟しとく」
わたしにはその言葉だけでも、ふんわり体が浮き上がってしまいそうだった。
覚悟しとく、とか 返事を自由に選んでいいっていう優しさと、もしダメでも受け止めるって、彼の辛さや強さも見せてくれるところ。あぁ、どんどん好きになっていく。
まさかそこからが、わたしにとっての本当の試練になるなんて、その時は想像もしてなかった。
その夜は嬉しすぎてなかなか眠れずにいた。
だって、ビートからの返信とかではなく、それをすっ飛ばして、最初からDMが入ってきたんだよ!?
DMしてもいい?とか、ちょっと距離おいた感じではなく突然に
向こうから!K氏から!!
K氏からぁぁぁぁ〜〜〜!!!!!笑
それに、告白の返事するまでビートしづらくなってるのも、どこか分かってくれてたのかも。
わかんないけど、とにかく2人には、彼の誕生日で結ばれる約束ができたようなものだよね!!
あぁ、頭の中に数え切れないほどのハートが飛んで眠れない。
すると、MAYBEの通知音が "ポツン" と鳴った。
あ、久々に1時の母のビート!
【ビート】
小夜子✡
「そろそろ1時だよ。起きてるよい子は出ておいで〜♪」
小夜子✡さんは、1児の母らしくはないがいつも楽しい人だ。
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【返信】
ナッキー
「おー!オレよい子っ」
K氏
「俺もまだ眠れてない笑」
ドラコ
「深夜1時前、面倒な宿題中」
あ、今日は多い!K氏もいる。
わたしも
まあ
「わたしもいるよ〜♪」
小夜子✡
「あ〜ら、今夜はよい子たち多いね!!はい、わたしは今から呑んじゃうよ♪よい子たちは真似しちゃダメだからね〜」
飴玉はどうしてるかな。まだ起きてるかもしれないけど、それどころじゃないかな…
それにしても小夜子✡さんも、今日はなんだか明るすぎる気もするな。
小夜子✡
「ナッキー、バイトの先輩とはどうなの?本当に上手くいってたりするんじゃないの?」
ナッキー
「えっ!? 小夜子さん✡、マジで占い師じゃないの?当たり!じつは、そうなんだよ。なんかオレたち、あれから妙に…不思議な空気感になってんだよね」
小夜子✡
「本当に?それはビックリ!」
K氏
「不思議なって、どんな?」
まあ
「まさかの展開?」
あ…、やば。わたし達もまさかの展開中だ。
ナッキー
「なんか、やけにタッチしてくるんだよ。オレは嬉しいからさ、そういう感じも向こうに伝わってるんだろうな。でも、それ以外でも、よく自分の話してくれるようになってる。あ、あと好きな子の話、ほぼ出なくなってきたよ」
K氏
「それは、本当になんだか、ありそうだね」
まあ
「親密さが増したんだ!」
あ……、なにかコメントするたび、自分たちの事言ってるみたいで恥ずかしい!! 笑 …ちょっと黙ろう。
ドラコ
「宿題終わりっ!あたし的には、まだからかわれてるように思えるけどぉ」
ナッキー
「あーあー、どうせJKにはそうなんだろなー」
小夜子✡
「ナッキー、それ、とっても慎重に進めた方がいいよ」
ナッキー
「おっ、占い師さま!」
小夜子✡
「相手、ちょっと信頼し始めてくれてるみたいだし、あんたらしさで静かに近づけば、可能性あるね。その先輩君、もともと少しそういう質持ってそう。普通は、あんまり頻繁に体に触れてきたりしないものだよ」
ドラコ
「たしかにぃ」
ナッキー
「ほらな?可能性あるだろ」
K氏
「急がず、が大事だよ」
あ…、K氏もそう思ってるってことかな?////
小夜子✡
「ま、とにかく。いい方向にいくといいね!!」
まあ
「小夜子✡さんは?何かいい事あった?」
話変えたーん。
ドラコ
「旦那が帰ってきてたら、ここにいるわけないっしょ」
K氏
「ちょっと言い過ぎだ、ドラコ」
小夜子✡
「旦那はもう寝てる♪今日はさ、息子のカウンセリングの日で、カウンセラーの先生こないだ変えてもらったんだよ。そしたらそれがなかなかのいい男だった笑」
小夜子✡さんの中学生の息子さんは、発達障害で精神科に月一のカウンセリングに行くのだと以前聞いたことがある。
ナッキー
「なぁんだ、昼ドラ不倫編かよ」
ドラコ
「ドラ言うな」
ナッキー
「お前じゃねぇ!反応するな笑」
小夜子✡
「そんなんじゃないよ。退屈しのぎにちょっと観察してただけ」
と、そこへ
飴玉
「不倫なんて、最低なんだから!」
突然、飴玉が飛び込んできた。やっぱり起きてたんだ。
皆、ふっと静かになった。夕方の飴玉のビートを思い出していたに違いない。
過敏になっててもしょうがないか。
小夜子✡
「はーい☆どうせ相性悪そうな男だったし、そんな事にはならないよ。飴玉ちゃんの気持ちも分かるけど、お父さんにもいろいろあったのかもしれないし、完璧な証拠もないのにそう思い詰めすぎるのはよくないよ」
もしかして、小夜子さん✡、飴玉が起きてると思ってたからこんな話した?
飴玉は返信してこなかった。
今はとても、受け入れられないだろうな。自分の中の事実でいっぱいだろうから。
ドラコ
「さ、よい子達はそろそろ退散しましょうかぁ。最近怪しい2人(頭文字KとM)は、も少しDMで話でもしたらぁ?」
うっわ!! こっちにきた!
ドラコったら、余計なこと言わないでよ!!/////
ナッキー
「はぁ…?そうなの?オレ、それ聞いてないけど?まあ、DMしていい?」
ドラコ
「(ガ)ッキーは黙って寝な」
ナッキー
「オレは32歳だ、ガキはお前っ」
まあ
「まぁまぁ、明日もあるし、みんなそろそろ寝よ」
返信のやり取りは、ひとまず無事終了した。
と思ったところへ、ポツンとDMが入った
ナッキーかな? …違った
K氏!
【DM】
K氏
「まあ、おやすみ」
えへへっ、嬉し
まあ
「おやすみぃ」
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あぁ、もう2時だ。
眠れなぁ〜〜〜い!!! ////////