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わたしのお守りたち
もうすぐ26歳になる。
冬になると思い出す情景や人って、いませんか?もちろん春にも夏にも秋にもいて、あるんだけど。
いっきに肌寒くなってきて、わたしがふと思い出してしまうこと。
それは同時にお守りでもある。過去に戻れるとかではなくて、いまもそばにあると思っている。思い出せるうちは、いつでも隣にいてくれるのだと思っている。そう思うことが、不安定な私の生活を救ってくれる。
お守り。それは
2022年に行った羊文学のクリスマスライブ、
その時に訪れた京都での情景。
マフラーをぐるぐる巻きにして寒そうにしていた彼。
クリスマス残業の途中で「ケーキ食べたい?」と言ってくれた彼。
いろいろと決断しなければいけないことが多く、やきもきしていた今日。
川上未映子さんのエッセイ本「深く、しっかり息をして」に書いてあったある文章を読んで、彼のことを思い出していた。
思い出すと、少しだけ心があたたかくなった。人を好きになる余裕があの時はあったのかも。というか、余裕がなくても人は恋に落ちてしまうものだとも思う。
私の弱さか、毎日会っていたからなのか、苦手から好きに変わったからなのか、私が持っていないものを持っていたからなのか、恋をした理由はわからないけれど彼のことがとても好きだった。
彼だけではなく、あの時私の周りにいてくれた大人はとても優しい人ばかりだった。今も「あなたのままでいいよ」と言ってくれている気がして、少し安堵した。
羊文学の音楽はいつだって私の背中を押してくれたり、撫でてくれたり、頬を包んでくれるような、優しく抱きしめてくれるようなお守りだ。
羊文学を好きになってもうすぐ3年が経つけれど、曲とともにその時の情景が浮かんで、心が暖かくなる。
塩塚モエカさんの「サーカスナイト」は冬にぴったりの曲。この記事を読んでくれた方がいたら是非聞いてほしいです。
私は頑張りたいのかな、安心したいのかな、うーん。幸せになりたい。ただそれだけなんだけどな。どうしてこんなに悩んでしまうのかな。
ただ今ある美しい景色に囲まれて、寝る前の静けさに身を預けて、仕事で人と関わって貢献して、ただ、今を生きていきたいだけなのに。
小さなプライドが邪魔をするんだよな。ほんと、邪魔だな。
全部開示して生きていけたらいいのに。
もしかしたらそれが答えかもしれないね。
川上未映子さんの本もいつも、私のお守りです。