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鹿のブロンズ像
この鹿を見たことはありますでしょうか。
池田勇八さんという方の作品で、『嶺』という作品です。
日本橋にある三井記念美術館の入口に置かれているもの。
元々は、西麻布の三井八郎右衛門邸の玄関脇に置かれていたものです。
鹿というとどういうイメージでしょうか。
関西在住の方は、奈良公園を思い浮かべるかもしれません。
日本美術の世界では古来より、鹿を描かれてきました。
その理由の一つは、鹿は神様の使いと言われているためです。
春日大社の社伝によると、8世紀の称徳天皇の頃に、平安京守護のため
鹿島神宮より神様が白い鹿に乗って三笠山にやってこられたとされており
その時より、神の使いとして守護されるようになりました。
他にも、七福神の一人である、寿老人は鹿と一緒に描かれています。
寿老人は長寿を示す神様。
鹿は、禄に音が繋がることから、吉祥の存在として描かれたのです。
つまり、鹿は長寿や高貴な要素がある縁起が良い動物であり、
象徴ということです。
絵画や工芸に使われている動物はすべて意味があります。
子孫繁栄や多子・幸福・安心など。
展覧会のキャプションや図録には、詳細の説明が記されています。
SNSやインターネット時代で簡単に情報を拾えるようになったからこそ、
現場の生の情報や体験が大切になってきているとも思います。
休日や時間がある時は、美術館や博物館に足を運んで、描かれている
動物や文様の意味を勉強して、視野を広げていくのも粋な時間の使い方の
一つだと思います。