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俺を知ってもらおうか。その1

やあ。ここまで来てくれてありがとう。

俺の名前は楠健一。大学3年生だ。

俺はFXで元手の120万円をたったの1か月で0円にし、そこから2か月で月収1000万円を達成した。

この経験を伝え、絶望の中にいる人を救うべく、twitterやnoteで情報を発信することにした。

自己紹介がてら、俺が資産を0にするまでの経緯を書いていく。

興味があったら読んでくれ。


2020年6月、大学のLINEグループでは就職活動の話題が半分を占めていた。

大学受験に失敗し挫折していた俺は、2度目の大きな挫折を恐れ、現実逃避中だった。

そもそもなんで就職するのかわからなかった。そんな理由なんて一度も教わった記憶がないのに、周りの人間は皆、当たり前のようにその話をしていた。

なんで就職するの?なんて失礼すぎて友人に聞けるわけもないから、俺は書店へ向かった。答えを求めていたわけではないが、ヒントが欲しかった。

書店に着き、就活に関係するコーナーを見てみたが、並ぶのは資格試験や就活での戦い方といった内容のものばかり。

結局、みんな理由なんてわからないんだな。俺は諦めて書店の中を歩いた。

読書に興味もないし、退屈だと思っていたが、ふと目に入ったラベルがあった。

そこには、

「会社を辞めて月収〇〇〇万!」

みたいなことが書いてあった。意味が分からなかった。

上を見てみると、俺が入ったのは投資関連のコーナーだった。

これを学べば就活から逃げられる。そう思った俺は、その日から毎日のように書店に通った。

株、ビットコイン、先物取引、投資信託とか、色々読み漁った。どれを学んでも就活から逃げられるって考えたらわくわくした。

結果、一番目に留まったのはFXだった。

理由は単純に、楽しそうだったから。

俺はFXを本気で学ぶと決意し、入門書を1冊買った。

マックに行き、その本を読んでいくうちに、FXを選んだのは間違いじゃなかったと思った。楽しすぎてあっという間に読み終わった。

その足で書店に戻り、5冊一気に買った。今日中に読み終えてやる、ぐらいの気持ちだった。

その日からFXの勉強に熱が入り、買った本の中に「FXは実戦で覚えるもの」
と書いてあるのを読み、デモ口座を作った。

自分のお金ではないから資金管理も売買のタイミングも雑だったが、急上昇中にロングしてかなりの儲けが出た。

なんだ簡単じゃん、とは思いつつも、トレードを続けると、ちょうどプラマイゼロぐらいのところまで戻ってきた。最初の儲けが消えたことに少し苛立ち、座学を再開した。

今思えば、何も実践できていない当時のほうが、勝率が2分の1に近づくのは納得だが、このときから俺は勝率を上げるために知識という知識を大量に詰め込み、破滅の道へと向かうことになる。



YouTubeのFX関連動画を見て、書店でFX関連本を購入し、Twitterやnoteの記事からも情報を集めまくる生活を過ごした。

(後々俺の理念として何度も登場するだろうからざっくり説明しておくが、noteの記事は本より安いものしか購入しないと決めていた。なぜなら、無料と有料の間には良い差別化が生まれるが、価格の大小では悪い差別化、もしくは提供者に都合のいい差別化しか生まれないからだ。詳しく言うと、無料から有料にすることである程度「学ぶ意志」のある者を厳選できるが、価格を大幅に上げることは逆に「学ぶ意志」のない者を厳選してしまうことに繋がり、それは単なる搾取なのだ。)

7月、知識を詰め込みまくった俺は虚構の自信を身にまとい、デモ口座で試すこともなく国内リアル口座を開設し、残った全資金120万円を余すことなくつぎ込んだ。

使いこなしていない知識に身を任せるのは、刀を逆さまに持ち、刃を強く握りながら振り回すようなもの。すぐに手が使えなくなり、刺されてしまう。

俺はレバレッジ20越えの、身の丈に合わない大量の買いポジションを持ち、知識を最大限に活かした(つもりの)それっぽいトレードをし、急下落するも謎の自信でリバウンドを確信。そのままパソコンの画面を見守り続けるだけだった。

なかなか反発しないことにイラ立ち、リビングに向かい、テレビを見たりしていた。自分がとんでもない状況下にいることに気づいたのは、資産が半分に減った時だった。

震える手を無理やり動かし、死を覚悟する勢いでポジションを閉じた。当時の俺にとって、60万円を失うことは第一志望の大学に落ちることよりもショックが大きかった。


その日は取引をやめ、今まで読んできた本や記事、動画を見直した。すぐに、負けた理由を見つけた。俺は、ロットが大きすぎたことだと解釈した。

冷静になった俺は、次の日からロットを半分以下にし、コツコツ利益を上げることを選んだ。すると、簡単に利益が上がるようになった。約2週間ほどで、資産は70万円を超えた。

運がよかったのだろうが、全然負けなかった。調子に乗って1度だけロット数を上げてみたが、その時も勝ててしまった。

これはいけると確信した俺は、残りの50万円を一気に取り返そうと、XMという海外口座を作った。今でもその口座でトレードをしているのだが、XMでのレバレッジは最大888倍であり、持てるロット数が一気に多くなる。素人が迂闊にロットを増やすと、破産確定なのだ。

俺はポンド円チャートを開き、三角持ち合いのブレイクを待ち、自信満々でレバレッジ約200倍の買いポジションを持った。評価損益を見てみると、損失がすでに大きな数字になっていた。XMはスプレッドが大きく、ドル円ですら2pipsもある。俺が取引したポンド円のスプレッドは、なんと5.4pipsもあった。

60万円を失ったあのトレードを思い出し、俺は焦った。ブレイク後のちょっとした戻しを見て、居ても立っても居られず、損切りをしようとした。その瞬間、チャートは大きな陰線を示した。俺がクリックしたのはその直後だった。

損失は20万円だった。損をした後すぐにトレードをすると、ただひたすら感情任せになってしまうのは知っていたが、俺はトレードを続けた。

今度はブレイクすらも待たず、上位足を見て上だと思ったら買い、下だと思ったら売った。ハイレバレッジではほぼ短期トレードしかできないので、何日後の価格など全く関係ない。しかし冷静でなくなった俺は感情に任せ、雑なタイミングで買い、怖くなっては損切りした。資産残高なんて見ていなかった。



余りの負け続きに腹が立ち、リビングに行ってテレビを見ていた。しかしどうしても相場が気になり、画面の前にも戻った。資産残高をみると、そこには0.00という数字。


ログアウトされたのかと思った。


クレジット欄を見てみると、75237.00と記されていた。

ここには元々、20万近くの数字が書いてあったはず。

減っていた。


全てを理解した俺は、実家なのに大声で叫んだ。

暴れて、物を壊したりした。

実家暮らしなのに、借金もしてないのに、絶望に浸った。

俺にとっては、全財産を失ったに等しかった。

泣きながらベッドに入り、お風呂にも入らずに寝た。次の日の朝、ベッドがちょっと臭かった。



それから3日間ぐらい何も手につかず、FXを始める前と同じ生活を予期していたとき、またあの話題が飛び交いだした。



就活。



俺はこの言葉にアレルギーがあるらしい。

急にやる気が湧いてきて、今まで買ってきた本、note、YouTubeをもう一度見直した。3度目にもなると、内容は大体覚えている。しかし、今回はいつもとは違った。この1か月間を猛烈に反省し、楽をしたいという本能的な欲を捨てて、本気で学ぼうとしていた。



成功している個人投資家の多くが一度は大きな損を経験していると聞いたことがあるが、心から頷きたいほどその言葉の意味が身に染みて理解できた。




今、絶望の中にいる人がこれを読んでいるのであれば、伝えたい。




絶望から立ち直ろうとする者こそが、「学ぶ意志」を持つのだと。






おしまい

読んでくれてありがとう。

もし当時の俺と同じような境遇にいる人がこれを読んでくれたなら、希望を持ってくれ。

俺が君の絶望を終わらせる。

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