花まる学習会 幼児期だからこそ伸ばすべき「思考力」-数学教材編集者のわが子の幼児教育-
落ち着きがない、わが子
筆者の職業は、算数・数学の教材編集者。大学で数学教員免許を取得。小学校・中学校で算数・数学の講師経験をもつ。長男が5歳(年長)になり、ようやく自分の作った教材に取り組んでもらえる年齢まで近づいてきた。
私の作った教材をやってみてくれないかな~と思い、小学1年の教材を見せたが、私が横にベッタリついていないと取り組まないし、何より「落ち着きがない」!
生活の中でも、「もう、何回言ったらわかるのよ!」とキレてしまう。
今年の2月から始めた公文も、「たす4ばかりで、つまらない!」と単純計算に嫌気がさし、取り組むスピードが遅くなっていた。
他に何か楽しんで学べる場所、教材はないものか…。そこで出会ったのが、「花まる学習会」。
花まる学習会の代表・高濱正伸氏は、
「子どもは、落ち着きがない生き物です。」ときっぱり言う。
この言葉に、どれほど救われたことか。
「子どもとは、『やかましい』『落ち着きがない』『計画性がない』『反省がない』生き物。」であると。
大人とは全く違う生き物だから、大人と同じ基準で考えても意味がないことなのだ。そう考えると、わが子を見る気持ちが変わってラクになった。
「あぁ、またやってる。落ち着きがない生き物なんだなー。今は。」といったように。
赤い箱と青い箱 ー時間軸で、幼児の特性を捉えるー
花まる学習会では「静かに」「じっとしなさい」という言葉を子どもたちには使わない。落ち着きがなく没頭しやすい4歳~9歳までを「赤い箱」の時期、落ち着いて思考を深められる11歳~18歳までを「青い箱」の時期としている。
※「花まる学習会のご案内」より
指導の際に「静かにジッとして」と強制しない方針は、「落ち着きがない」長男にぴったり合っていそうだ。
テキストには「思考実験」「運筆」「数理」「思考力」「文字」「ことば」など、子どもが飽きないようにさまざまな分野が載っている。1回の授業で、1冊子の教材に取り組む。
↑左上から時計回りに「思考実験」「運筆」「思考力」「数理」
※花まる学習会「ひまわり」より
↑左側「思考力」、右側「ことば」
※花まる学習会「ひまわり」より
幼児期にこそ「思考力」を伸ばすべき
筆者は大学時代、数学科に所属していた。
数学でいちばん学んだことーーそれは
「論理的思考力」だ。
「論理的思考」とは、AならばB、BならばCのとき、AならばCというように、問題解決をする時に使う思考のこと。この考え方は、数学の証明だけに使うのではなく、生活の様々な場面で使える。
たとえば、
「自分の考えを分かりやすく話す」
「文章をうまく書く」
「解決したい問題があった時、情報があふれる中で、情報を整理し、ピックアップし、筋道をたてて解決策を練る」など。
「花まる学習会」では、
幼児期にこそ「思考力」を伸ばすべき
としている。計算は速いが応用問題になると思考が停止する。そうならないよう小手先の学力以上に、「幼児期だからこそ伸びる思考力」と「考えることが大好きになること」を大切に育てるという方針だ。
数学教材編集者の視点からも、5歳の子どもをもつ親の視点からも「大いにやる価値がある。楽しく学べそう。」と思えた。
入会後、長男の変化
さっそく8月に体験へ通わせた。体験後、「楽しかった!」と満面の笑み。明日で授業は入会してから4回目を迎える。
教室長の先生からも嬉しいメールが。↓
「花まる効果」なのかはわからないが、以前よりも、公文を自分からやるようになった。
お手伝いも、自分の食べた食器は自分で片づけたり、料理を一緒にやりたいと言ったり。まわりの先生や、近所の人にきちんと挨拶したり。
「花まる」に通わせて、わが子をどんな子に育てたいか?通わせる目的は?
花まる学習会では、子どもたちが本当に幸せになるためには、将来
「自立した人間=メシが食える人」
「魅力的な大人=モテる人」
になることが大切だとしている。○○大学、○○会社に入る人ではなく、「目の前の人を幸せににできる人」「あなたと仕事がしたい!と言われる人」その実力がある人に育てていく。
わが子も、できれば、「いい大学」「いい会社」に入ってほしいと考えている。しかし、それ以前に大切なことは、人とコミュニケーションがよく取れて、魅力的な人になることだ。
そんな願いもあり、花まるに通わせている。
ママが幸せであることが、子どもたちのあと伸びの秘訣
花まるでは、保護者の思いに寄り添うことも忘れていない。
子育てに悩むすべての方に保護者向けの講演会・勉強会を開催している。
緊急事態宣言後、4月5月は、子どもに対して「何回言ったら、わかるの!?」、「本当に、わかっているの?」と怒ってばかりでイライラな生活を送っていた。その時も、
「親自身が幸せ感を持つことが第一歩 幸せは子どもに伝染する」
というAERA with Kidsの記事を見て少し、救われた。
子どもばかりに捉われず、母親自身の生活スタイルを見つめ直すことも大事であると。少しの時間でも自分のケアをしようと思えるようになった。
困難なことにブチ当たったとき、考え抜く精神力がなければ乗り越えられない。そんな力を親子共々、これからも身につけ、強化していきたい。