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『話すチカラ』齋藤孝著、安住紳一郎著
安住紳一郎さんは、誰もが知るTBSのアナウンサー。安住さんは、誠実そうに見えて、自虐ネタや独特の考え方、話し方で人の心を掴むのがうまい。毎回、違うゲストへのインタビューや、様々なゲストがいる番組での司会進行など、話すプロだ。
筆者は、数学や家庭科の教材編集をしてきたが、仕事柄、インタビューや会議の進行をする機会があるため、彼の話し方のテクニックや考え方を知りたくなった。彼の恩師である齋藤孝先生という大学教授とコラボしているところも、信頼感がある。
また、先日こちらの「note」で紹介した
『佐藤可士和の打ち合わせ』
を読んだ時の
「ファシリテーターとしてのテレビ番組の司会役をヒントにしない手はない」
というフレーズを覚えていたので、本書を購入した。
↑『佐藤可士和の打ち合わせ』
読んだ感想をひとことで表すと、
「スラスラ読めてわかりやすい!明日から私も、アウトプット中心に励むぞ!」
特に印象に残ったフレーズの書き出しは以下の通り。
・お世辞は、自分がどのような影響を受けたかにスポットを当てる
例 △「これは素晴らしい料理ですね」
〇「この料理、ホントにおいしかったです」
△「大変な歌唱力ですね」
〇「この歌を聴くだけで、リラックスできます」
・テンポよく話すと、「段どりがいい」という印象につながる。数学ができない人は、計算ができないというより、数学を解いていく段どりを説明できないということが大きな原因。数学力は、最終的には国語力に行き着く。
→まさに、そう。数学出身の私は、「段どり」つまり数学で言う「論理的思考力」は、つねに学んできたことだ。執筆の仕事もする私にとって、これは励みになるフレーズだった。
・番組でゲストに質問するときは、「相手が何を話したがっているか」「視聴者(リスナー)が何を見たがって(聞きたがって)いるか」「私が相手にどんな興味を持っているか」の3つを意識しながら、話を聞き出すことを意識している。
→編集の仕事も、「専門家(著者)」「読者」「自分が面白いか」などさまざまな立場の視点を意識しながら進める。それが、多くの人に共感してもらえるコト・モノを作る第一歩だ。
・インプットした情報は、誰かにしゃべってアウトプットする習慣も身につけること。そうした話し相手が見つからないときは、SNSで発信する方法もある。
・何事も「真似る」のが上達への近道。覚えたらとにかくアウトプット。実際に使うことで、初めて頭にインプットされる。
→インプットばかりに目が行きがちだが、アウトプットをもっと積極的にしようと思った。ここで「note」を書きながら。
他にも安住さんの話すテクニックと、斎藤先生の確かな解説があり、
「よし!明日から試してみよう!」
と思えることがあった。
実践して初めて身に着く。
「アウトプットがすべて」
日々成長しようと思う。