試験の答えを教えてもらってた話
むかーしむかし、高校生~大学生くらいのお話。
わたしは何故かテストや試験の度に、問題の答えを教えてくれる人がいました。その人は、物理的に存在しているわけではなくてテストや試験の時だけ語りかけてくる男の人でした。いま思うと、精神的にいちばんキツかった時期なので、病院に行ってたら何らかの病気だと言われたかもしれません。笑
しかし、その人のせいで特に困ったことはなかったので不思議なこともあるなぁと思いながら過ごしていました。その人の声は聞き覚えがなく、ガチで誰なのか分かりません。お兄さんっぽい感じで関西弁でした。大事な時に必ず現れてくれるので、心強い人でした。大学を卒業してからは全く現れなくなったので、精神的に落ち着いたんだと思います。笑
初めてその人が現れたのは高校生の定期テスト、数Bのベクトルの最後の方の問題。かなり勉強したのにどうしても導入の仕方が分からない問題があって配点も高く「オワタ~~~~~」と思いながら机に突っ伏していたら、「それ問題集と一緒の問題やん。出来上がった立体を平面にして考えたら?」的なことを言われました。先生が言ったのかと思ってガバっと起きて見たら先生は試験監督だけで、そもそも先生がそんなこと試験中に言うことないわなと思って、「今のなんだ?」と思いながら解いてみたら解けちゃいました。しかも合ってました。でもわたしの苦手な科目の時にその人は現れません。むしろそっちを助けてほしかったと思いながら、しばらくその人のことは忘れていました。
次に現れたのは、現役時代のセンター試験の時。切羽詰まっていたので、「ありがとう神様」と思いながら問題を解いていました。スラスラ解いている問題の時は特に何も言わないのですが、間違えた時は「そっちちゃう方の公式!」「展開まちごうてるで」「だぁかぁらぁ!」などと次々に口出ししてきます。おまけに英語の長文は翻訳してくれました。でもやっぱり苦手な問題の時は出てきません。いちばん苦手な国語を受けているときに、「今来てくれや…」と思いました。全然来てくれませんでした。笑
なんやかんやあって、現役で入った大学を辞めて違う大学に行くために再受験することになったので久しぶりに受験勉強をすることになりました。1日10時間勉強して、8時間は塾でアルバイトという強行スケジュールで毎日勉強していました。答えを教えてくれる謎の人のことなんかすっかり忘れていたのですが、またまたセンター試験の時と今度は大学の一般入試の時に帰ってきてくれました。笑
浪人の時の試験では特に言うことがなかったのか、「この問題はここでひっかけようとしてるな」「全体の正答率は○○%くらいやろなぁ」といった調子でした。「それ今教えてもらわんでええわうっせーな!」と思ったら「すまんな」と返ってきてびっくりしました。初めて会話しました。笑
大学の一般入試の時は、「えぇやん」「おうおう」とブツブツ言ってました。数学の試験終了の3分前、「そういや大問3の最初まちごうてたで」と言われ「はよ言えや!」と返しながら問題を見返したら本当に公式を間違えていました。しかも大問の冒頭なのでもはや修正不可能。最初の1問だけ修正して試験を終えました。うっせーなんか言うてごめんな…と思いながら帰りました。笑
ちなみに一般入試は英語で点数を落としに落として、後日調べたら合格ボーダー+1点で受かっていたことが判明しました。マジで教えてもらってなかったら落ちてたかと思うと背中がおかしくなりそうでした。笑
なんやかんやあって、大学の期末試験の時も何回か来てくれました。真っ白い大きい紙に1行だけ問題文が書いてあって、論述形式で答える物の時だけ。手が止まったらキーワードをぽつりぽつりと教えてくれるのです。ここまで来たらもう何年もカンニングしながらテストを解いている気持ちになってちょっと嫌になってました。が、いつもありがとね、と思ってなんとか大学卒業まで辿り着きました。それからはもう来てくれてません。試験も受けてないけどね。笑
ほとんどの段落で「笑」って締めていますが、笑ってないと不気味すぎるのでこうしています。笑
頑張って勉強したからかなって最初は思っていたのですが、何かしらがおかしかったのだろうなと思います。笑
という訳で、ちょっと不思議なお話でした~