『整体対話読本 ある』を読む

今日、『整体対話読本 ある』という本を読み終えた。すごい本と出会えて、うれしくて頭がくらくらしている。今わたしが考えよう、書こうとしている、身体のこと痛みのことを表現することばが、ぎっしり、箱寿司のように詰め込まれていた。
「打撲の効用」という章から引用する。

体は新しくなりたいんです、常に。ということで方々に痛みが出る。痛みが移動するということは、その再生過程とそれを終わらせる運動過程だから、とても大事である。痛みのショートカットは出来ません(笑)

聞き手 鶴崎いづみ 話し手 川﨑智子 『整体対話読本 ある』 土曜社 (二〇一九年刊)

身体が痛むつらさも、体が新しくなりたがっているしるしと思えばこらえ甲斐があるかもしれない。「体は新しくなりたい」ということばは、勇気づけてくれるいいことばだ。

ここにもうひとつ心の打撲という言葉があります。心の打撲の方が、体の打撲よりもとても長く残るんです。そして心の打撲の方が、実はその後の体に影響がとても大きいし、それによって亡くなっちゃう可能性もあるんだから、打撲というと、本当に本当に危険なのは心の打撲ですね。(中略)ちょっとした事で誰かを傷つけてしまった事が、その人にとっては紐解いて行くと、とうの昔のちっちゃい時、自分が心を持ち始めた頃の、初めて傷ついたって事の結果であるならば、そこまで遡んなきゃなんないし、それを何度も何度も調整するための運動で、その痛みの移動をちゃんと観察できなきゃなんない。心の痛みの移動を経験しなきゃなんない。そしてそれはショートカットが出来ない。

同上

なので、この痛みの移動がある間は生きています、その人が。特に手を当てて、心も体もですけれども、痛みがビリビリ出たり、色々と移動がある間は、まずは生きていられると思ってください。

同上

あちこち痛いと言っている間はいきいきと生きていられるのか、と思うと、ふっと自分を笑ってやりたい気持ちが兆した。
この箇所に限らず、語り手の川﨑さんの考え方が生きる方向、動く(運動する)方向にフォーカスしているところがとても好ましかった。

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