夏至の日に富士山より賜ったこと
雲に覆われていたはずの富士山が
みるみるうちに姿を現し始めました。
河口浅間神社の遙拝所に辿り着いた時のことです。
まずはイワナガヒメに跪いて祈りを捧げ
続いてコノハナサクヤヒメに遙拝いたしました。
深々と礼をして頭を上げると
雲はますます流れ、ほぼ全貌があらわれたのです。
私は行きの列車の中で
「今日は富士山が見えると思う」と言ったものの
到着すると曇天で、どうやら無理そうだと思いなおしました。
それが、期待することなく巡礼を続けたところ
まさかの富士山を眺めることが出来たのです。
「ああ、すべては成るように成るのだ」
こうしたことがあるたびに思うことです。
またひとつ、信頼が深まりました。
期待しないというのは、
「今」にしか心が向いていないということです。
つまり、今の祈りにのみ、心を向けていたのです。
それがすべてなのだと、またも教えられました。
その後、雲はすっかり晴れて
梅雨の時期だというのに
裾野まで美しい姿が見られたのでした。
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