花便りが龍の国を染めあげる
ほころびはじめた桜のもとで
お父さんに肩車してもらいながら
女の子が笑ってる
五分咲きの桜を眺めながら
お母さんと手を繋いで
男の子がスキップしてる
染まる染まるやさしい薄紅色に
南から北へと龍の国が染め抜かれてゆく
時が止まったような
遠い日の面影が戻ったような
儚い夢を見るような
切り取られたような短い季節
誰もが優しい笑顔
シオンはどこか遠くにあるのではなく
ここにあるのだと信じられる季節
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