未解決というのもひとつの解決である。
今年最後の落日です。
大晦日、それぞれ様々な想いを抱いて過ごされていることでしょう。
もしも今、心の整理がつけられず、重い気持ちをどうにも消化できない人がいるのなら、この言葉を自分に語りかけて欲しい。
天地始まって以来、良いにしろ悪いにしろ、みんな解決はついている。
未解決というのも、ひとつの解決である。
必ずなるようになるのであるから、そういう場合は、臍下(さいか)の一点を保持して、どっしりと腰を落ち着け、自分のやれるだけの事をやり、あとはどんな事柄が起ころうとも動ぜぬ心がまえを持っていたら、何も恐れ惑う必要はない。
同じ愚痴や不平や不安をくり返し、あちこち右往左往するなどという事は、余計な骨折りである。
(『氣と生活』藤平光一)
今さらじたばたしても仕方ないのです。
「他にまだできることがあったはず」と思ったところで、過ぎた時を戻すことは出来ません。
「十分に力を尽くせなかった」と感じているのなら、そこに気づいたことそのものが素晴らしいではないですか。なぜなら、人間的成長という最も必要なものを得たことになるのですから。
未解決というのも、ひとつの解決だ。
だから未来がある。
うそでもいいから、そう自分を励まして今年を締めくくりましょう。
それだけで、もう新年の幸運は始まっています。
みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。