EQが劣化した日本人にとって、風の時代は甘くない。
「やさしい日本人」は過去の話
まず、静かに問いただしてみたいのです。
たとえば町を歩いていて、日本人は親切だと感じますか?
もちろん地域性もあるでしょうし(地方だと親切を感じることは多い)
状況にも寄るでしょう(非常事態だと親切になるとか)。
でも、そうではなくデフォルトで親切やあたたかさを感じるかどうか。
私は、日本人は冷淡になったと思う。
我関せずの態度が蔓延し始めたのはバブルの頃くらいからだったと肌で感じます。
享楽的な数年が終わって崩壊したと見るや「貧すれば鈍す」で
武士は食わねど高楊枝、という態度をとる人は極めて少なかったと思う。
東日本大震災が起きた時、海外から感心されて、にわかに親切心を取り戻したかにみえたけど、それも潮が引くように冷めていったと感じます。
仲間内ではお互い優しくし合えるのに「袖振り合うも多生の縁」という態度は消えた。
もし、無関心と無感動が蔓延しているのを感じないとしたら、かなり感性が鈍っていると受け止めていいでしょう。
と、こんなことを思い続けてきたのだけれど
でも、私はどこかで
「それでも日本人は心根が優しいのだから」
「きっと今でも武士の情けは生きている」
などと信じようとしてきたのです。
いえ、信じていないといられなかったのだと思う。
つまり良く見ようと努力して、希望を失わないようにしていたということ。
でも、もはやごまかしは効かないなと気持ちが変わった。
自然と切り替わった。
そして、今、ちゃんと事実を見ておかなければ、足下が崩れてしまうと感じたのです。
日本人のEQは世界最下位
そんな矢先、立て続けに情報は入ってきました。
神さまが
「ちゃんと気づいたね、じゃあ、このこと知らせてもいいよね?」
と言わんばかりに、パタパタっと送ってくれたのです。
そのひとつがこちらです。
なんと、日本人はEQが世界最下位なのだそう。
この事実を何と観る・・・
実に悲しいではないか。
悲しまないといけない、私たちは大泣きして反省しないとならない。
要するに、世界は日本に学んだのです。
でも、日本は日本に学ばなかった。
そして、日本人は、あたたかな心を失っていることにも気づかずに、
競争社会の中で人を押しのけることに躍起になった。
その結果が、この最下位と見ていい。
感情を切り捨てて生きる
ある年齢層の出世欲にまみれた人たちは、まさに感情を切り捨ててきたに違いない。
そうしないと頭がおかしくなるでしょう。
で、それができない人たちは平凡な肩書きに甘んじていくという、なんともイヤな構図。
そうした構図が社会に蔓延するうちに目の前で死人が出ているのにもかかわらず動画を撮影するのに夢中になるような人たちが存在するようになっていく。
こんなに背筋が凍るような出来事ってあるでしょうか。
もちろんそこに居合わせた人がどんな人かとか、状況がどうだったのか、とか、そもそも記事の出所は大丈夫かなのか、突っ込みどころが満載であることは承知しています。
でも、おそらく私たちの多くは、類似した事象を身近に見ているはずなのです。
風の時代はEQが問われる
時代の大きな転換期にあって、いわゆる「風の時代」というものが本格的になる。
その時、問われるのは間違いなくEQです。
だけど日本人のレベルは世界最下位という事実がある。
風の時代を生きていける人、どれくらいいるんですか?と、問いかけられているといっていい。
ちなみに、脳科学の観点からも日本人のEQの低さは露呈しています。
篠浦伸偵先生が開発した脳テストによると、大半が左脳優位の状態になっている。
もともと日本人は右脳優位で西洋人、つまり戦争をしないと生き残れない
大陸の人たちが左脳優位だった。
戦後、そうした人たちに学ぶうち日本人は左脳優位になっていったわけです。
ああ、ここで「だからGHQのせいだ」とか言い出すんじゃないですよ(釘を刺す)。
そういう負け犬根性をかなぐり捨てない限り、日本人は自分の足で立てません。
GHQの洗脳を、大喜びして受け入れて、戦後の復興も何も成し遂げたのが日本人じゃないですか。
都合よく人のせいにするのは本当にやめた方がいい。
そういう事実があったということは認めて、ただ、そこから切り替えて
どうすればいいのかを考え、行動しない以上、「日はまた昇る」は、ない。
無責任な群集心理に翻弄される時代が迫る
今、あらためてル・ボンの『群集心理』を読み直している。
SNSとAIの時代に、この恐るべき群集が、いとも簡単に創出され、無責任に社会に混乱をもたらすという構図がありありと目に浮かび背筋が冷たくなる。
風の時代は甘くはない。
浮かれている場合ではない。
「心」を取り戻さない限り「こんなはずじゃなかった」という不満と紛糾が
花火のごとくあちこちで見られる結果となるでしょう。
みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。