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【注意】漢方ダイエット?「防風通聖散」について。副作用、健康被害、腸が黒くなる!?大腸メラノーシス【情弱ビジネス】

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 ダイエット(減量、痩身、美容)で、漢方薬を利用する「漢方ダイエット」に関心を持つ人が多いようです。

 この漢方ダイエットで注目されているのが、とくに「防風通聖散」という漢方薬です。
女性でこれを気軽に用いようとする人が多いようです。

実際に最も売れている漢方薬の一つのようです。


 でもこれは副作用、健康被害もありえます。
ネットで宣伝を多く見ますが、この漢方ダイエットの防風通聖散については、情報弱者から搾取する意図が感じられます。スピリチュアル系と同じです。
 情弱ビジネスです。


関連note:【痩せ菌!?】腸活ダイエット。短鎖脂肪酸、腸内細菌叢を重視。瞑想やヨガにも良い


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防風通聖散

 防風通聖散は、医師によって、保険適用で医療用が処方されます。

医療用 防風通聖散・保険適用 ⇒ 腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘

参考:ツムラ 防風通聖散エキス顆粒(医療用)

https://medical.tsumura.co.jp/products/062/pdf/062-tenbun.pdf


第2類医薬品」として市販薬もあります。



 防風通聖散は今から1000年位前、中国の金の有名な医師である劉完素によるものです。
宣明論(黄帝素問宣明論方)にあります。

中国伝統医学では、主に「清熱、解毒、瀉下、利水」に用いられるようです。
伝統的な考えでは、含まれる生薬の構成が優れたものと評価されるようです。

日本漢方においては、スペイン風邪の時も活躍した有名な漢方医、森道伯が「臓毒(内臓の毒)の排出」という説を提唱し、好んで用いた処方です。

参考:森道伯


注意事項・副作用について

 漢方薬には「自然で安全」のイメージがありますが、もちろん副作用はありえます。

比較的有名なのは、「小柴胡湯」による間質性肺炎や肝障害などです。
この小柴胡湯は「柴胡剤」といって、柴胡黄芩という生薬が含まれます。
とくにこの柴胡剤が副作用の点で注意されています。

防風通聖散と同じく、ダイエット漢方として「大柴胡湯」を医師に相談することなく自己判断で用いる人がいるようです。
この大柴胡湯にも柴胡剤は含まれます。
(大柴胡湯:柴胡、半夏、黄芩、芍薬、枳実、大黄、大棗、生姜)


また「肺」に良いとする漢方薬「麦門冬湯」と関係する疑いのある間質性肺炎の例もあります。

防風通聖散についても、これらのリスクは注意されています。
実際に服用後の肝障害の報告はあります。

防風通聖散には柴胡は含まれませんが、黄芩は含まれます。
柴胡剤による間質性肺炎や肝障害には、柴胡だけではなくて黄芩も深く関わっている可能性が指摘されています。


医師など専門家の説明も聞かず、添付文書もまともに読まずに、安易に用いるものではないのでしょう。



とりあえず防風通聖散の使用について、このnoteで言いたいことは以下です。

 ・副作用もありえるので、医師など専門家のアドバイスを受けるべきである。
 医師が医療用の防風通聖散を処方する場合には、まともな医師なら、食事や運動についても指導するはず。


 ・「痩せ薬」として気軽に用いるべきではない。
 
そもそも痩せ薬ではない。「証」(症状、体質)に合わないなら用いるべきではない。


【便秘解消?】 お通じがよくなって、お腹ぺたんこ?

 ネット上によく見られる防風通聖散の口コミ体験談には、「お通じがよくなって、お腹がぺたんこ」「便秘解消」みたいなのがあります。


 ではなぜ「お通じが良くなる」などの口コミが多く見られるのでしょうか?

宣伝を見て気軽に興味を持った人は考えたことがありますか?


防風通聖散には、防風、薄荷、桔梗、甘草、当帰、芍薬、 生姜 、、、など健康に良さそうな生薬(ハーブ)が含まれます。

これら自然なハーブによって、体の活力、自然治癒力が高まるからでしょうか?




答えはすごく簡単で直接的です。







「下剤」が入っているからです。

これは主に「大黄(ダイオウ)」と「芒硝(ボウショウ)」(硫酸ナトリウム、もしくは硫酸マグネシウム)です。

ネット上の防風通聖散の宣伝では、なぜかほとんど説明されていないのですが、下剤成分が含まれているんです。
お通じがよくなるのは当たり前です。

添付文書にフツーに書いてあることなのですが、そもそもチェックしなかったり、「大黄」「芒硝」が下剤だということを知らない人も多いのではないでしょうか。


なんか情弱商売っぽい、、、。


 ちなみにですが、ダイエット・痩身・美容に良いと宣伝される「サプリ」「お茶」で、こういった「下剤成分」が含まれるにもかかわらずに、どういうわけかきちんと説明されないものが、けっこうあるようです。

生薬、ハーブでは、たとえばエビスグサ決明子 ケツメイシ)カワラケツメイゴールデンキャンドル(キャンドルブッシュ、ハネセンナ、カッシア・アラタ)、、、などです。

これらは単体で健康茶として販売されてもいます。

これらと「大黄(ダイオウ)」に共通する有効成分として、アントラキノン類があります。


 他に、下剤として働く有名な生薬にセンナ(果実・小葉・葉柄・葉軸は医薬品)がありますが、これも主な有効成分がアントラキノン類です。
センナの茎に関しては、奇妙なことに医薬品指定ではないので、これを含む健康食品やサプリがあります)

あとルバーブアロエにもアントラキノン類が含まれます。

他には、聞き慣れないものですが、カスカラサグラダ、フラングラ樹皮にも含まれます。


参考:

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/iken/dl/140303-b-6.pdf


関連note:【便秘解消】便秘について


【痩身減量?】 脂肪燃焼効果で痩せる?

 防風通聖散は、脂肪燃焼効果で痩せるという宣伝も見られます。

これについてはなぜでしょうか?

やはり、含まれる健康に良さそうな自然な生薬(ハーブ)によって、血の巡りがよくなって元気になって代謝が高まるからでしょうか?



 これは主に、含まれる「麻黄(マオウ)」によるものとされます。
麻黄の主な有効成分はエフェドリンで、中枢興奮、交感神経興奮の作用があります。
脂肪細胞の働きに作用し、脂肪燃焼とされるようです。
 スポーツ競技のドーピング検査では、ダメな成分です。

荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)、生姜 、甘草が、この麻黄の作用を助けるとされるようです。


この麻黄は有名な漢方薬「葛根湯」にも含まれます。

関連note:【寒い時期の体調管理】 葛根湯、小柴胡湯加桔梗石膏など漢方薬や生薬。龍角散や浅田飴。アロマテラピー、瞑想、ヨガ


【腸が黒くなる!?】便秘薬(下剤成分):アントラキノン類による大腸メラノーシス、機能低下

 ダイエット、減量、痩身、美容をうたうサプリやお茶、健康食品に、下剤成分が含まれることがあるのは、「情弱ビジネス」なんじゃないかなと感じます。

 だって、まずは、作用がわかりやすいからです。
摂取して、しばらくすると便意が生じて便が出るわけですからね。
なにも知らない人にとっては「自然由来のハーブの健康効果」がハッキリと感じられて、なんか凄そうです。。。
 、、、、でも、ただ単に下剤が入ってるだけですよ。。

 他には、その下剤成分がアントラキノン類だということです。


 便秘薬、下剤を気軽に利用しようとする人に言いたいのですが、注意しなければならないことがいろいろあって、その内の一つは長期利用で腸の機能が衰えて、むしろ酷い便秘になりえるものがあることです。

アントラキノン類はそうです。

腸の機能が衰えて便秘になるとますます便秘薬に依存することにもなります。「情弱 薬漬け商売」です。


アントラキノン類の場合には、「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」の原因になると指摘されています。
大腸が黒くなって機能が低下して便秘になるんです。


 知ってました??


ダイエット(減量、痩身、美容)でサプリ、健康茶、漢方薬を用いようと、気軽に考える人は、知らなかった人も多いんじゃないでしょうか。

 ちなみに大腸メラノーシスと大腸ガンとの関連については、現時点では、よく分かっていないようです。リスクを高めるとは今のところはなんとも言えないようです。

しかし大腸ガンのリスクを高めるのではないかと疑う研究者はいるようです。


大腸メラノーシスについては↓↓

参考

・慢性便秘症の治療と大腸メラノーシス(おおの内科・内視鏡クリニック)

 

・森ノ宮/大阪本町胃腸内視鏡クリニック

“ 副作用には大腸黒皮症(メラノーシス)や腸管膜静脈硬化症などがあります ”

1:55~ 防風通聖散の痩せる効果に関する実験について。

3:07~ 4人の脱落者。下痢など腹部症状。

3:22~ 副作用。大黄、黒皮症

4:25~ 含まれる「山梔子(サンシシ)」の副作用の腸管膜静脈硬化症に関しては10年以上の長期服用で生じることがある。

4:59~ 漢方は体質(証)にあわせて処方される。

防風通聖散 その効果と危険性について医師が解説 これを知らずに内服するのはマジ危険(

森ノ宮胃腸内視鏡ふじたクリニック)


「情弱 薬漬け商売」には気をつけましょう。

ダイエット(減量、痩身、美容)の王道はやはり食事と運動なのでしょう。


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