見出し画像

VTuberおめシスの出産報告の賛否

おめシスとは

姉妹VTuberであるおめがシスターズ(愛称おめシス)は、YouTubeで精力的に動画投稿を行っているVTuberで、動画内で動いているのは3Dモデルでありながら、他のYouTuberと同じようにゲーム実況・商品レビュー・ドッキリなどバラエティに富んだ動画を作成しています。

また、VR空間にアバターを置いているVTuberだからこそ出来る遊びを考案したり、リアルとバーチャルのミックスにも積極的に取り組んだりと、技術力も高い個人勢VTuberです。

画像4


そんなおめシスですが、11月19日に出産報告動画を投稿しました。(以下動画)


出産報告動画は、姉のおめがレイさんが一度画面から外れ、

(右は妹のおめがリオさん)

画像1

それと入れ替わりに新メンバーと称して「おめがのハコちゃん」が登場します。(中身はおめがレイさんの中の人)

画像2

そして、この新メンバーであるおめがのハコちゃんから、子供を出産したという報告があります。

画像3

体裁としては、アバターの立ち位置であるおめシスの2人とは別のメンバーであるおめがのハコちゃんが出産したという報告となります。


おめシスの出産報告に関する賛否

さて、このおめシスの出産報告ですが、本人達が動画内でも言及している通り、視聴者の間に賛否両論を呼びました。

画像5

では、どんな賛否を呼んだのか、意見を抽出してみました。

まずは賛成の意見から。こちらの意見の方が圧倒的に多数です。

----------

・出産おめでとう

・出産を控えていたのに頻繁にクォリティの高い動画を投稿し続けていたなんてすごい

・これからも動画投稿頑張ってください

----------

などなど、単純に出産を祝うコメントが圧倒的に多いです。


その一方で、否定的な意見も。こちらは割合としては少ないですが、議論のため少し多めにピックアップしています。

----------

・出産報告するなんてVTuberじゃなくて人間ですよね

・絵が子供を産んでいる

・ファンとして追いかけていたのに、ファンの知らないところで男作って妊娠・出産までしていたなんて

・リアルの体をそこまで明示的に出したらVTuberである意味がないのでは

----------

などなど、結婚報告の形式について、VTuberというものの在り方について疑問視するコメントが散見されます。


私個人の意見


まずは、おめがのハコちゃんに、出産おめでとうございます。

そして、おめシスの2人に、これからも動画投稿頑張ってください。


なぜ私がこのような言い方をするのか。

それはおめシスがアバターとリアルの体とを分離したかったからです。

おめがのハコちゃん(おめがレイさんの中の人)は、妊娠しているのを明かさずに動画投稿を続けるのに罪悪感を覚えていたと言います。

画像7

画像8

そこで、「自分の罪悪感の解消および視聴者への説明」と、「アバターの存在が子供を産むということ」の矛盾を解決するための折衷案として、新メンバーとして、実体のある「おめがのハコちゃん」を登場させます。

画像8

このことは、「おめシスはVTuberである」という視聴者の概念を壊さぬように、妊娠・出産の報告をするため導き出した、おめシスなりの結論となります。

そのため再三言うようですが、「体裁としてはおめがのハコちゃんが出産した」というテイであり、「おめがレイさんが子供を妊娠・出産した」ということではないことは、否定的な意見を述べる人達が注意すべき点です。

なので、おめがレイファンは「レイちゃんが男を作った」などという心配なく安心しておめシスが提示してくれた体裁に乗っかってファンを続けられます。


ここまでが私の肯定的な意見です。

ここから私個人の否定的な意見(持論)となります。

個人的には、この出産報告は悪手だったと考えています。


VTuberはミッキーである

※以下の文章は持論であり、解釈の大いに異なる人が存在する可能性があります。

VTuberはその多くが中の人の存在を明示的にせず、アバターが動画投稿・配信をしているのであって、中の人に触れるのは半ばタブーであるというスタンスをとっています。

この構図は、ディズニーランドのミッキーと似ています。

ディズニーランドにいるミッキーは、夢の国の中で生きている存在として人々に楽しまれていますが、実際には中の人がいて、着ぐるみを動かしているということは周知の事実でしょう。

それと同様に、VTuberは一般的に中の人の存在に触れられることなく、YouTubeというディズニーランドの中で生きているということになっています。

自称「金髪美少女吸血鬼YouTuber」として活動する赤月ゆにさんは、過去にこのような動画を投稿しています。(以下動画)

この動画の要旨としては以下のとおりです。

----------

赤月ゆにはVTuberではなく文京区在住の金髪美少女吸血鬼YouTuberである。

----------

赤月ゆにさんが言うには、「赤月ゆには実際に存在していて、文京区から動画をお届けしていて、中の人などいないし、VTuberでもないただのYouTuber」、ということである。

とどのつまりこのスタンスは、「赤月ゆにというアバターと、赤月ゆにの中の人とを完全に分け隔てる」という意思の表れたスタンスである。

だから、赤月ゆにさんはVTuberの中でも(敢えてVTuberと呼ばせていただきます)かなりミッキーに近いスタンスであるわけです。


ここでもし、ミッキーの着ぐるみを動かす中の人や、赤月ゆにの中の人が「結婚しました!」とか、「出産しました!」ということをアバターに絡めて報告したらどうなるだろうか?

その結果は、ディズニーファンは阿鼻叫喚、赤月ゆにさんの視聴者は「スタンスを一貫しろ!」と大炎上間違いなしです。

そして今回おめシスは中の人とアバターとを絡めて出産報告をしたことで、賛否両論を呼ぶことになりました。

(※個人的には小さく収まった方だと感じます。理由としては、おめシスがアイドル系VTuberとして売り出していなかったこと、茶化しながらも動画内で度々中の人に言及してリアルとの距離感がそこまで大きくなかったことが挙げられると思います。)


おめシスはどうすればよかったのか?

※ここからは私の個人的な持論がひどくなります。

私は、VTuberというカテゴリを「見た目の良いキャラクターが動画投稿・ライブ配信している」ものとして楽しんでいます。

もちろん、そのキャラクターはアバターであることも、中の人が居るのも知っていますし、アイドルVTuberとして知られる人々がリアルでは恋人とやることはやっているということも知っています。

しかし、それを承知の上で、動画を視聴する際には中の人のことは考えずに、キャラクターを二次元上のものとして楽しんでいます。

「勝手にVTuberというものを定義して勝手に難癖をつけている」という意見もありましょうが、こういった考え方でVTuberというカテゴリを楽しむ人は多くいるはずです。

私がVTuberに対して反発したいのは、「中の人の出来事をアバターに絡めて言う」ということです。

過去炎上したVTuberには、過去の自分の悪行を自らのアバターで自慢げに話したことで炎上した人もいます。

このような炎上を防ぐためには、「キャラクターを演じきる」という一点に尽きると思います。

おめシスの出産報告の騒ぎは、私から見ると「ウソをついている罪悪感を解消したいがために、ファンに中の人の出来事をバラした」ことによるものに見えます。

もちろん、それをバラすもバラさないも本人の勝手ですが、もし、否定的な意見を生まないためには、「VTuberというキャラクターとして、中の人のことは隠し抜く」ようにすべきだったのではないかと考えます。

これはおめシスに限ったことではなく、VTuberの中の人全体が炎上を防ぐために有効な手段だと私は考えます。


まとめ

VTuberというものの定義や、VTuberというカテゴリの楽しみ方は人それぞれです。

しかし、私個人的なVTuberの楽しみ方からすれば、今回のおめシスの出産報告は、私のVTuberに対する理想とは外れるということになりました。

だからといって、おめシスを誹謗中傷などしたり、違う意見の人達をこき下ろしたりすることはしてはならないことですし、するつもりもありません。

面白い動画があれば見る、それだけです。


この記事を読んで、これからもおめシスを推せるという方は、「おめシスはいいぞ」と唱え、もう推せないよという方は、何も言わずにそっとチャンネル登録解除するのが平和なのではないでしょうか。


以上です。


※この記事の画像はすべてYouTube動画からスクリーンショットにより引用させていただいております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?