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小児用肺炎球菌について
こんにちは、まさのすけです。
今回は小児用肺炎球菌ワクチンについて
お話ししていきます。
今回はウイルスではなく、細菌です!
人はウイルスにも細菌にも感染するのですね。
出来ればどっちにも出会いたくないし、
我が子にも、ウイルス・細菌には出会わない人生を送ってほしい。
そう願いますよね。
残念ながらその願いは叶えられません。
というかあなたのお子さん、肺炎球菌を今も持ってますよ?
え、ええぇ!!?
どゆこと????
保育園や幼稚園に行き始めた子供は
ほぼ全員が鼻や喉に肺炎球菌を住まわせています。
そんな、嘘やろ…
子供は皆んな肺炎球菌を持っているのです。
ちなみに大人はほとんど持っていません。
基本的に大人が発症する時は子供からうつってしまう場合が多いです。
肺炎球菌をいっぱい持ってる可愛い子供の
元気いっぱいな咳・くしゃみを浴びて
しっかりと飛沫感染。
ただ、大人も子供も元気な時は
発症しません。
しかし免疫が下がったタイミングがあると
ここぞとばかりに肺炎球菌達が活動を開始するのです。
高齢者になると免疫が落ちてくるので
発症しやすいんですね。
じいちゃん、ばあちゃんは
孫と遊んだ時に、しっかり肺炎球菌を
もらってしまいがち。
では肺炎球菌に感染するとどんな症状が出るのでしょうか?
まず、名前の通りの肺炎症状があります。
そして他にも症状の出かたが多々あるのです。
髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、菌血症などです。
肺炎球菌に感染した際、最も怖いのが
細菌性髄膜炎です。
これは脳や脊髄を包んで守る膜に細菌が感染して炎症を起こす病気です。
これになると、脳や神経にダメージを受ける場合があるのでとっても怖い症状になります。
進行がとても早いのが特徴で
風邪引いたかな?と思っていたら
数時間から一日あたりで急激に悪化していきます。
すぐに治療が必要な症状です。
続いて細菌性中耳炎についてお話しします。
子供はしょっちゅう中耳炎になりますよね。
この原因の多くは肺炎球菌によるものです。
喉や鼻にいる肺炎球菌が耳管という管を通って耳へ侵入してしまうんですよね。
子供の耳管は大人のそれと違って
細菌が通りやすい形になっているのです。
中耳炎になっても抗生物質を飲めば
数日でよくなります。
同じように肺炎球菌は副鼻腔炎や肺炎も起こします。
そしてあまり聞きなれない症状である菌血症。
これは細菌が血液に入り込んで全身へと運ばれていく症状です。
血液は通常無菌状態ですが、
菌血症になると、細菌を含んだ血液が各臓器に送られて
至る所で肺炎球菌による感染が起こりうる可能性が出てきます。
怖いですよね。
そんな怖い細菌を子供は常に持ち歩いているわけですから。
免疫が働いていれば細菌に負けて感染を起こすことはありません。
しかし免疫が下がると、形勢逆転。
上で挙げたような症状が出てきます。
免疫反応大切ですね!
さて、ではその「免疫」はどうやって獲得するのか?
今の時代は予防接種があります。
生後2.3.4ヶ月目と12ヶ月目の計4回が
定期接種として決まっています。
小児用肺炎球菌ワクチンってやつですね。
これは2013年から定期接種になりました。
それまでは、肺炎球菌に対する予防ワクチンは存在せず
かかってしまったらペニシリン(抗生物質)でやっつけていたんですね。
ただ数十年前から抗生物質に耐性を持つ
肺炎球菌が出てきてしまったので
世界は急いで肺炎球菌ワクチンを作ったというわけです。
このワクチンを接種すれば
肺炎球菌による髄膜炎と菌血症に対して90%程の予防が出来るのと
中耳炎や副鼻腔炎、肺炎に対しては
50%程度の予防効果があるそうです。
髄膜炎や菌血症など命に関わる症状に対しては
かなり高い確率で防げるようになっているようです。
最後に細菌の構成についてお話しします。
肺炎球菌は莢膜(きょうまく)という頑丈な鎧を着ています。
なのでウイルスや細菌をやっつけてくれる
白血球が
なかなかその鎧を突破できずに
細菌を倒すのが大変らしいです。
小児用肺炎球菌ワクチンも
原料は肺炎球菌です。
赤ちゃんがワクチンに溶け込んでいる細菌を倒せないと免疫が獲得できないので
細菌の莢膜にタンパク質を結合させるとか
いろいろな改良改造をして
赤ちゃんの未熟な免疫でも、倒せるように
設計してあるのが
小児用肺炎球菌ワクチンなのです。
ちなみに大人向け(高齢者向け)のワクチンは
別の肺炎球菌ワクチンというものが存在します。
さていかがだったでしょうか?
肺炎球菌って聞いたことあるけど
こんなに危ない奴らだったとは思わなかったですよね。
硬い鎧を着てる上に抗生物質の耐性まで持った奴がいるなんて、
しかも子供の体に住み着いていて、
弱まったら全身のどこで感染してくるかわからない
恐ろしい細菌です。
皆さんも、特にお子さんの免疫が下がらないように
体は冷やさず、水分をとって
良質な睡眠、栄養食事!
それこそが大切なのではないでしょうか。
そして、小児用肺炎球菌ワクチンも忘れずに接種してください!
免疫は子供へのプレゼントです!
ではまた!
まさのすけ