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鳩とおじいさん
「お母さん、赤ちゃんってどこからくるの?」これに対する答えとして、一つあるのが
「コウノトリさんが連れてくる」
・・・である。
さて、今回話したいのは、生命の神秘云々ではなく、『鳥が人を運ぶという描写』についてである。
というのも、私は先日、たくさんの鳩の群がおじいさんを運ぼうとしている光景を見かけたのである。真偽はわからないが、私にはそう見えたのだ。
ある昼下がり、私は公園を自転車で突っ切ろうとていた。
その公園には花壇に花が植っており、中央には噴水なんかもある。ベンチには日向ぼっこをしている人がいたりして、いつも、実にのどかな風景が広がっている。
ただ、その日は少し違っていた。
というのも、自転車に乗っている小汚いおじいさんに鳩が群がりすぎていたのだ。いや、正確にいうと、おじさんは自転車に跨っていたに過ぎず、乗れてはいなかった。
おじいさんの両腕には無数の鳩にたかり、自転車にも鳩たちがとまっていた。自転車の周辺にも鳩が屯していた。その横を私が自転車ですれ違おうとしたときには、、鳩を数匹轢き殺しかけた。
おじいさんはそんな感じで、なんとも自転車を漕げるよな状況ではなかったのだ。
私は思った。そのまま鳩たちにより、運ばれてしまうのではないかと。
もちろん、私の目の前で、さすがに飛んで行きはしなかった。ただ、あまりにも鳩たちがおじいさんに懐きすぎているし、おじいさんも抵抗をしていない。この公園において、私が初めて感じた違和感である。
可能性としては、おじいさんが鳩に餌付けをしているということであある。ただ、一応言っておくが、おじいさんはその時、餌なんぞ持ってはいなかった。仮に餌付けをしていたとして、両腕にとまるかね?
私は用事があったので、その場を通り過ぎ」、30分後にまた同じところを通った。
もうそこにはおじいさんはおらず、おじいさんがいた場所にて、大勢の鳩が地面を懸命につついていた。
やはりあのおやじ、餌を撒いていたんだな。そう思った。
恐らくだが、元々、おじいさんは優しさと少しの好奇心で鳩に餌をあげはじめたのではないだろうか。
だが思いの外、鳩が懐いてきて、普段誰にも相手にされないおじいさんは相当嬉しかったのだろう。
そして、あまりにも餌やりをし過ぎて鳩たちも「この人は『餌の人』である」と学習し、おじいさんが来たら寄ってくるよになったのではないだろうか。
真相はわからないが、鳥に餌をあげすぎることには注意したい。