解放の年_20231027
ゲッターズ飯田が「今年は7年に一度の解放の年になる、これまでの苦しみから解放されるくらいとても良いことばかりが起きる」と画面の向こうから私に言うもんだから、私は今か今かとその”良いこと”が起きるのを待ち構えていて、なんなら去年のくれ位からずっとその時を待ちわびていたけれど、未だにその時は来ていないし、最強のモテ期のはずなのに出会いも無いし、なんなら1回デートした男の子とはこれ以上無い最悪の終わり方をしたし、祖母は突然死んじゃったし、解放の年のはずなのに今まで以上に仕事に拘束されて気づけば10月も終わろとしている。
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お好み焼きのソースが「お前に渡すソースは無い」とでも言うように、焼けた肌の上にモールス信号を描き始めた。豚肉を欲張って3枚乗せたのが悪かったのかもしれない。
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上の階に半同棲しているカップルの、彼女のほうが、オートロックを過ぎた所の入り口で部屋にも入らず携帯をいじっていて、私はなんとなく気まずく、でもしっかり郵便ポストの中を確認してエレベーターに乗った。おそらく彼氏が仕事から返ってくるのを共同玄関で待っているのだろう。六畳一間のせっまいワンルームで、セミダブルのベットを置いたらもう埋まってしまうような空間で、2人は仲良く過ごせているのだろうか。毎週月曜日には手を繋いで会社に行くのをいつも見かけるけれど、いったい会社ではどんな感じで過ごしているんだろうか。「先輩、資料できました。確認お願いします」「こことここ、ミスってる。最近ちょっと多いよ、こういうの」「すみません」とかなんとか言って、家では彼氏が待っていて、「でもさ、ミスを指摘する側にも苦労があると思わない?」って言いながら粋ジンハイボールの缶を流し込んでるんでしょうかね。
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