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経験こそが宝物(091)

こんにちは、紺野うみです。

表紙に使わせていただいた写真を見ながら、人生って蓮の花みたいなものだよなぁ……と、私はしみじみ思うのです。

「こんな場所で咲けるのか⁉」みたいな信じられないレベルの泥の中から、これまた信じられないくらい穢れない白く美しい花が咲くわけです。

泥の中で、一生懸命めげずに生きてきたからこそ、その花は咲く――そう考えると、人生におけるどんな「泥」の時期だって捨てたもんじゃないと感じられるはずです。

私なりに「泥の時代」を通過してきたな、という実感があるからこそ。

これからも私に伝えられることを、文章を通じてこんこんと語りかけていけたらと思っています。

凍結された「痛み」の記憶

よく、過去にトラウマを背負ってしまった人の中には、その記憶を思い出したくないと考えるあまりに「痛みも含めて凍結させ、心の奥深くに封じ込める」ようになってしまう場合が多いです。

無理もありません……苦しい記憶なんて、思い出すだけで胸がギュッと苦しくなってしまいますよね。

忘れていられる方が、どんなに幸せか。

でも、その「凍結」は、本当は根本的な解消にはなっていないのが、辛いところなのです。

時折なにかに触発されてその記憶が解凍されてしまえば、その時のことが生々しくフラッシュバックして、またあの胸の痛みが繰り返されてしまう……。

そうなると、またギュッと目を閉じたり拳を握りしめたりして、その波をやり過ごすしかないのですよね。

でも、その傷を「意味のある経験」として自分の中でタグ付けし直すことができれば、少しずつ心が癒され痛みのループから少しでも遠ざかることができるのを知っていますか?

そうなると、やがては自分らしい蓮の花を咲かせてから、「あぁ、そうか。この花を咲かせるために、私は昔泥の中にいたんだ」と理解することができるのです。

自分にしかない痛みの経験に「価値」を

「経験は宝」という言葉を聞いたときに、ついつい人は自分の華々しい過去だったり、大きなことを成し遂げてきた功績の方をイメージしがちです。

でも私は、もちろんそのような「栄光の歴史」にも価値はあると思いつつ、自分の人生において本当に必要な学びを与えてくれるのは「苦しみ抜いた歴史」の方だと実感しています。

たとえば、就活の際に面接でアピールするような成功体験には、どこか人と似たようなものが多くなりやすいもの。

でも、失敗の経験や辛い記憶の中には、より「自分にしかない状況」や「自分だけが見てきた景色」や「自分だからこそ感じた想い」というものがリアルに残される気がしませんか?

つまり、本当は目を背けたいほどの影響力を持つ記憶ほど、あなたの人生にとって「意味」や「価値」を生み出す経験に転じてゆくことができる、ということなのです。

人は、小説や映画などを通じて、自分以外の人生を追体験したり、想像力からさまざまなものを得ることができますよね。

でも、それらはすべて「人のもの」であって、「自分自身の経験」に勝るものはないんです。

だから、本当に大事にするべきなのは「自分だからこそ得られた経験」であり、それはたとえ「痛みの記憶」であったとしても、その後の取り扱いと生き方次第では「何よりも大きな武器・切り札」として、それも含めて活かしていくことができると言えるんです。

経験したもの同士が「力」を合わせる

素敵な世の中を作るうえで、欠かせない仕組みは「助け合い」であると私は常々書き続けているのですが……。

それは自らの「強み」を活かしたものはもちろん、「痛みの記憶」を乗り越えてあなたが得てきたものでもあるわけなんです。

その価値を、本当の意味で心から理解できたとき、あなたの傷は「ただの傷」ではなく「人生の勲章」に生まれ変わることになるでしょう。

誰でも、そこに到達することは可能です。

大切なのは、自分を否定して過去を封じ込めないこと。

もちろん、真正面から受け止めて、さらにボロボロになる必要はありません。

それに触れることができない段階では、とことん「別の場所」や「別のかたち」で自分の心を癒していく必要があります。

でも、次第に心が元気を取り戻して来たら、過去の自分に手を差し出して、その瞬間に苦しんだ心を救ってあげるためにも……。

その傷から「意味」と「価値」を見出すことを、諦めずにチャレンジしてみていただきたいのです。

その勇気は、必ず自分を救いますし、世の中で同じような境遇や心で追いつめられてしまった人の助けになることができるはずです。

私自身、過去の傷をもっと素敵な「人生の勲章」にするためにも、そこから得た力を全力で人のためにも役立てたらと考えています。

そのうえで、断言できます。

過去は、必ず乗り越えて「価値あるもの」に変えてゆくことができます。

そして、それをするのは他でもない、自分自身なのです。

紺野うみ

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