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第6話│住人チームコンサルティング

※紺野うみのエッセイマガジン『心の中に6人の住人がいたので、自己分析ができた話』の第6話です。この連載は、一度購入するとシリーズで続編が読めます。単話ごとの購入も可能ですが、継続して読む場合はマガジンの購入がお得です。

無料導入編➤はじめに|私の中に誰がいる?
登場住人紹介
第1話|自己否定だらけの私を変えたもの
第2話|心の扉を開く旅の始まり
第3話|隠す者と隠される者
第4話|鉄壁の守りが崩壊したワケ
第5話|6つの扉が明かされて
第6話|住人チームコンサルティング
第7話|自分という世界の外交と内政


➤住人たちを「チーム」に育てる

今あらためて振り返ってみても、確かにその頃の状況といえば、住人同士はとにかくバラバラに過ごしていました。

まして「いないことにされている」人格(※アニキ。笑)があったなんて、自分の心のこととはいえ、どこか乱暴な感じがしてしまいます。

かといって、その働きかけをしてしまっていた委員長も、独裁的で幅を利かせているというよりも、問題を一人で背負い込んで苦しんでいました。

まさに、あちこちに「犠牲者」が続出してしまっていたんですね。

どうすれば心の中にいる彼らが、全員幸せにのびのびと過ごせるようになるんだろう……?
彼らに苦しい状態を強いてしまっている現状を理解して、申し訳なさと共に考えるようになったことは、そのことでした。

私は、自分の中身を知ったことでようやく、この先どうすれば良いのかについて考えられるようになったわけです。

それぞれの住人たちが、力や能力を思うように発揮できない状況にいると知り、それなら、心の状態を健全――つまり、住人の中に犠牲者を生み出さない状況――にするために必要なこととは、いったい何なのでしょう?

それが、住人をひとつの「チーム」にすることなのです。
全員が同じゴール地点を目指し、それぞれ住人同士もお互いを認め合い、助け合うような状況に持っていく。

別に、一人ひとりが「完璧」でなくてもいいんです。

たとえばスポーツであっても、仕事であっても、ともすると家族においても……人と人が関わりあう中で、互いに支えあい補い合うことは自然であるべき姿ですよね。

その「助け合い」ができる状態のコミュニケーションレベルに、自分の住人を成長させていかなくてはならないのだと、私は感じていました。

現状、ひとりきりで孤独に表を守ろうと奮闘している委員長。
持ち前の明るさを活かして、イキイキと活動できないリンさん。
私の好きを封印するかのように、部屋に閉じこもるヒロさん。
それぞれの住人を繋ごうと頑張っているグリーンダカラちゃん。
反発と怒りの感情を否定され、いないことにされていたアニキ。
つらい瞬間、心を無にするためだけに表に出てくるまもるくん。

……これが、発見当時の、私の住人たちでした。
とにかくバラバラで、チームもなにもあったものではありません。

しかし、まずはその「バラバラ状態」に気づけたのですから、それを敏腕コーチよろしくまとめ上げ、心の中にひとつの「チーム」を構築していかなくてはなりません。

それができるのは、自分以外にないのですから。


➤一人ひとりの「役割」

まず、自己理解と自分を活かすために必要な手順として、私が導き出した結論は3つのステップがありました。

① 自分の心の中にいる存在が、どんな性格を持っていて、どんな想いを抱えているのか知る。
② 住人同士で意見の食い違いがあったり、バラバラの方向を目指しているような場合は、方向性を整える。
③ 住人一人ひとりに、相応しい役割と、生き生きと活躍できるような活かし方を考える。


まずは、①についてのことからです。

① 自分の心の中にいる存在が、どんな性格を持っていて、どんな想いを抱えているのか知る。

これは私がこの心理学の入口で、自分自身の中身を見つめていく作業をしたような内容ですね。

この心の世界の中にいる登場人物を把握するところから始まって、彼らの望みや想いを、自らが正しく知らなくてはなりません。
――自分の要素を正しく知る、という部分です。

これは、自分自身と同じ人生を過ごす中で住人も日々成長しているので、生きている限り続いていく、終わりのない作業になります。
でも、それは嫌なものではなく、本来誰もがワクワクしながら探していくようなものだと思いますし、そうありたいですね!
自分の「可能性を探していく」ということなのですから。

② 住人同士で意見の食い違いがあったり、バラバラの方向を目指しているような場合は、方向性を整える。

次に②についてですが、これは住人の存在を認めるだけでなく、それぞれを尊重しあいながら助け合ってくれるような、ひとつの強いチームを作るという目標になります。

これが、今回お話していく部分です。
私はこの時、この手順を踏む段階に来ていました。

目指す場所は「自分にとっての幸せ」ひとつ。
どうすれば自分らしく幸せに生きていけるかの答えが、ここをクリアできるかどうかにかかっています。

自分の中の矛盾や葛藤をひも解いていく作業なので、これは誰でも「なぜかモヤモヤする」とか「イライラしてしまうが原因が分からない」という時に、なにかしら心の中で意見の相違が起こってしまっていないかを考えればよいのです。

③ 住人一人ひとりに、相応しい役割と、生き生きと活躍できるような活かし方を考える。

この先に考えていきたいのは、ここからの話です。

理想的な「チーム」を作り上げるためには、チームメンバーのそれぞれが自分の「役割」を意識して、それを発揮できるようにしてあげなくてはいけません。

そこで、私はその時点でまず、心の中にいた住人たちの得意分野や想いなどの部分に、スポットライトを当ててみることにしたのです。


➤心の世界の「外交」と「内政」

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