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働き方を考える 【第二章/人を「消費」しない会社になる】



こんにちは、紺野うみです。

今、現代を生きる人たちの「働き方」ーーそれを考えさせられる折が増えています。

「最近あの人は、仕事で精神的に追い詰められている気がする……」

「傍から見ていて、無茶な働き方をしていると思う人がいる」

「気持ちが不安定な様子で、危うい雰囲気の人を知っている」

同じ職場や、身近にいる人の中でも、結構こんな現実が当たり前に存在しているのではないでしょうか? 

これは、会社が働く人をさまざまな形で「消費」している結果に他なりません。

 

この話は「人」と「会社」、どちらの側にも伝えたいことがあります。

前回は「人」に向けて、「消費されない」ための心構えを持っていただきたいと、綴りました。

そして今回は、ぜひ世の中の会社が「人を平気で消費する組織にならない」ために、考えていただきたいことを書いていこうと思います。


働き方を考える 【第二章/人を「消費」しない会社になる】 


最近、私は日本の社会において「人を消費する」ような職場環境の多さに、正直恐怖すら感じています。


人を「遣う」のではなく、あえて「消費」と書きました。

人を「活かしてその能力を遣う」というよりも、まさに、「駒」や「歯車」といったようにその人のことを「すり減らす勢いで消費」していってしまうのです。

その人生や人としての在り方を顧みることなく、会社の都合だけで、使い捨てていくといった環境も多いです。

もしその働き方の結果、疲れ果てて立ち止まらざるを得ない状況に陥ってしまった人がいても、「根性がないね」「仕事を甘く見ている証拠」などと平気で口にしてしまいます。

その扱いを見ていると、まるで、一人ひとりの「心」の存在を忘れているかのように思えてなりません。


人が、自分自身の人生を輝かせるためにも、そして世の中のためにも生き生きと働き、誰かの役に立とうという気持ちが持てるかどうかは、本人の志はもちろんですが、その環境が大きく影響してくるものです。

環境は、人を育てもすれば、壊しもします。

人は誰にでも、「よいところ、得意なこと」と「悪いところ、苦手なこと」があります。

その人の「よいところ、得意なこと」を活かし、「悪いところ、苦手なこと」をどうやってフォローしていくか。

これは、世の中にいるすべての人間たちの、「補い合い」「助け合い」で解決できることだと思いませんか?

 

能力は、人それぞれに違います。

「自分がその場所で、どんな役割を果たせるのか」。

それは、働く人自身も意識していくべきことですし、その受け皿となる環境を作り出す立場にいる人たちにとって、いかにしてその「個」を活かしていけるかがその手腕が問われる部分でしょう。

自分の「個」を尊重し「人」として大切にしてくれる会社に対しては、人はなかなか背を向けられませんし、できるだけその期待や想いに応えたい、と思うものです。

しかし、「どうせ雑に扱われている」と感じたら、人はその環境の中で、果たして前向きに全力を注げるものでしょうか?

……答えは明白です。

 

これは、時に働く人の方も勘違いしてしまいがちなことなのですが……。

人間は本来、「お金を稼ぐため」に働くのではなく、「働くことそのものや、その結果得たお金を使って、自分の人生を輝かせるため」に働くべきなのです。

目的と手段を、ゴチャゴチャにしてはいけません。

「働く」ということは、もちろん大変なことも多いです。

対価として「お金」のやり取りがあるのですから、決して甘い世界ではなく、厳しい現実ばかりの世界かもしれません。

それでも、人は「前向き」でいられる限りは頑張れるものです。

大変な環境も、ハチャメチャな人間関係があっても、それなりに「どうやって乗り越えられるか」を、前向きに考えられるうちは大丈夫。

しかし、思いやりのない「消費」だらけの毎日では、人間誰しも「身体」や「心」に余裕がなくなっていってしまいます。


長時間の労働や残業などで、社員の「健康」や「体力」にまで、その影響が及んでいませんか?

ーーそれは、「身体の消費」です。

重い重圧やノルマ、プレッシャーなどで、社員の「精神」や「気力」にまで、その影響が及んでいませんか?

ーーそれは、「心の消費」です。

 

単位が「会社」というものになると、つい「自分は関係ないや」と思ってしまうかもしれません。

「今は大変な時だから、仕方がない」そう言い訳したくなるかもしれません。

「自分も頑張っている」んだから、「周りの人間も下の人間も、頑張るのは当然だ」と考えるのかもしれません。

でも、誰もが大切な人生の時間の中で、かけがえのない「今」を生きているのです。

それを束縛したり、踏みにじる権利はありません。

 

しかし、誰もがいとも簡単に「人を追い詰め、消費できてしまう」ということは、きちんと理解しておくべきです。

特に、あなたが人の上に立つ人間であるなら、尚更……。

自分の「影響力」を冷静に考えておいてください。


どうか、会社を運営している方や、役員として働いている方、上司や先輩という立場で人の上に立っている方、……そんな皆さんに、お願いしたいのです。

そこで働く人を、会社の「駒」や「歯車」としてだけではなく、一人の人として——かけがえない一つの人生を生きている「人間」として見つめてください。

頭ではなく、「心」を使って考えてみれば、きっと分かるはずです。

人の表情や、態度、言葉、行動をよく見てください。

「あれ?」と少しでも思う瞬間があったら、その「理由」を考えてみてください。

今まさに「苦しい想いをしながら自らを消費して働いている」人が、近くにいるかもしれません。

そんな人に、あなたは一言でも、なにか思いやりの言葉をかけられるかもしれません。

その一言が、その心を勇気づけ、やる気やポテンシャルを引き出して……。

「会社の駒」としてではなく、「ひとりの人間」として、また前向きに進むための力を得るかもしれません。


「人」を大切にできない企業は、結局「人」に見放されたり、裏切られたりします。

人の回転が速いところは、要注意です。

あなたは、そんな企業を作る「歯車」にはならないでください。

そんな中で普通に心を殺して働いていると、あなた自身まで「人を大切にできない人間」になってしまいかねません。

そうなれば、あなた自身の人生も台無しです。

 

「人とのご縁」は、誰にとっても、人生の財産なのです。

それを無下に扱うことをすれば、その影響は必ず、自分の人生にも返ってきます。

人を大切に生きていけば、人にも大切にされる人間になれますし、その逆もまた必ず。


「そんなの、理想論だ!」と言われるかもしれません。

それでも、その「理想」すらなくしてしまったら……人は「あるべき姿」を目指す指針すら失って、投げやりな生き方しかできなくなってしまいます。

 あらゆる会社が、人を「消費」しない人間の集まりになるように。

……漠然としていると思われるかもしれませんが、すべて思いやりの世界です。

私たちが、幼稚園や保育園、小学校の頃から習ってきたような、ごくごく基本的なこと。

人の気持ちを慮って。

人の事情を想像して。

どうすれば、会社が「ひとつのチームとして」機能するか?

 

ちょっとだけ、立ち止まってみてください。 

周りを見て、考える時間も、大切にしてみてください。

それができるようになってくると、少しずつでも、あなたの周りから変わっていきます。

会社は、必ずよくなっていきます。

世の中を少しでも明るくする言葉たちを、心を込めて多くの方に届けていきたいと思います。 紺野うみの活動を応援していただけますと、大変うれしく思います!