VR演劇研究日誌:VR演劇で受ける制約
VRは便利で遠隔で移動の手間なく稽古ができ、感染症対策にもなったりする。
機材は各自用意する必要はあるものの、稽古場代や劇場費がかからない。
(各プラットフォームの無料で使える範囲ならば)
ざっくりとこうした恩恵もあるが、制約もある。
いくつか気づいたことや懸念していることを備忘録的に書いておく。
・長時間VR空間にいることで酔うことがある。
体質やその日の体調にもよるが、VRは酔いやすい。その人の慣れにもよるが。
自分たちでやっている時も、2時間くらいできる時もあれば、1時間も経たず酔ってしまい稽古が続行できないこともあった。
酔い止め薬を飲むことで軽減できるかもしれないが、酔い始めたら中断しかないんじゃないだろうか。
今は一度の稽古がそもそも1時間~2時間のため大きな問題はないが、今後公演を打ちたくなっても稽古時間を増やすことはできないかもしれない。
またこの問題は観客にも起こりうるため、作品の上演時間に影響を与えそうな気がする。
ただ昨今流行りのZOOM演劇も30分もない場合が多いようだし、オンラインでの上演自体が風潮としてコンパクトな上演になっていくならそれに合わせていけば良い気がする。
・表情の表現
何度か書いているが、自分たちはひとまずClusterで稽古を行い、上演もClusterを想定している。
VRChatやバーチャルキャストと違い、Clusterは動作が軽くスマホからもアクセスができ、たくさんのイベント参加者も同じVR空間に入れるという大きなメリットがある。
ただ表情の表現におそらく限界がある。
メンバーの一人がVroidで作ったアバターを使っていて、手を上げたときに叫び顔になったり、音声を認識して口の形が変わったり、目もランダムにまばたきしたりしているのだが、それ以外の表情はアバターに設定されていても表現できないだろう。
バーチャルキャストやおそらくVRChatでは設定した表情をコントローラーの操作で任意に呼び出すことができるが、Clusterにはまだその機能がない。
(見つけてないだけ……?)
いずれにせよHMDを被っている以上、表情は最低でもコントロール入力になる。