VR演劇研究日誌:バーチャルな体
昨日、VR演劇(バーチャル演劇)の稽古をした後、出演者と体の使い方の話になった。
現実の動きとバーチャル空間の動きに差異がある。
アバターの動きだけを見ていると実感があまりなかった部分なんだけど俳優にとっては結構ギャップがあると感じていたようだった。
3点トラッキングなので、頭と両手しかトラッキングできない。
そうなると肘とか肩の位置は、Cluster(間違っているかもSteamVRかもしれない)のアプリ内で自動的に補完している。
補完していると言っても当然、当たり障りのない位置になってしまうので腕だけでも取れるポーズは結構制限がある。
それを何とかする方法がある、というわけはなく、つまりその制限の中で表現をしていかないといけない。
その演者は、人知れずカメラ機能で自分の姿を確認しながら、現実での入力がバーチャルのアバターにどう反映されるか検証していたらしい。
このギャップはきっとトラッキング数によるものではないだろうという話もした。
全身に無限個のトラッカーをつけて、それらを正確にセンシングできれば限りなくギャップはなくなるかもしれない。
でも今一般的にフルトラッキングと言われるトラッキング数でも6とか10くらいだったりする。
企業Vtuberとかだったらもう少し多いかもしれない。
このプロセスは、体の使い方を少しずつ覚えていくみたいで、一般的な俳優が演劇をする訓練とも似てるなと思った。
思い通りに動かない体、って視点で見ると舞踏っぽくもある(解釈間違ってたらすみません)
こういう角度で切り込んでいくと、身体性という文脈で演劇にものすごくリンクするな、と思った。
演劇の人には、この動けない身体と動こうとする身体をぜひ見てほしいと思う。
バーチャル演劇、イロモノっぽくてZoom演劇の代替くらいにしかならないのかもと思ってたりしたけれど、この文脈で考えていくと割と順当に演劇らしい部分もあるのではないでしょうか。