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「好きなこと」がないのは悪いこと?好きを仕事にしない人がみじめに見えるSNS時代を考える。

「好きなこと」が特段ない、という学生生活を送っていたわたしはずっと、何かにハマっている人を見るのが好きだった。

中学時代にはアニメやボカロを熱心に布教してくれる友達の話を聞いて、そうかそうかとアニメや漫画をみせてもらって、ボカロの曲もたくさん聴いた。
V系の音楽が好き、という友達が歌うカラオケの曲を聴くのが好きだったし、PVをみてカッコイイと熱を上げる友達と一緒になって歌ったりした。

でも、どれも二番煎じで、それを自分が本当に好きなのか、それとも誰かが良いと言うから良いと思っているだけなのか、わからなかったんだよね。

そんなわたしは今年30歳になったんだけど、20代の最後が見えるころにようやく、自分が心から「好き」と思えるものの傾向がわかってきた。

でもさ、これって本当に、遅咲きなんだよね。

周りはみんな好きなことを見つけて、好きなことに関わる仕事をしたり、夢を叶えたりしているなか、わたしの心にはようやく芽が出てきたレベルでさ。

特にSNSが普及したいま、いろんな人が「好き」を仕事にしている姿を見かけるようになった。YouTubeだって「好きを仕事に。」とうたってる。

もちろんね、「好き」があってもそれを仕事にできている人はきっと、見えている一部分の人たちだけだとは思うよ。
本当は好きを仕事にしたいけどうまくいかなくて、悩んでいる人もいるんだと思う。

でもわたしはそのもっと手前の段階にいて、「好き」がなくって苦しかった。

「好きなことを仕事にしました!」という成功者たちはみんなキラキラとまぶしくて、手の届かないところにいる。
そういう人たちはたいてい、その熱意を持って何年も何十年も努力を積み重ねている。
遅咲きの自分が今から追いついて仕事をする頃には、きっともう人生のステージも変わってる。

「今日が人生で一番若いんだから」というのは頭ではわかっていても、何者にもなれなかった自分がどうもみじめでしかたなく感じることがある。

そこでさ、思うわけよ。

「好き」が見つからない人って、みじめなの?


SNSには魅力的な情報が転がっていて、みんななんだかキラキラしてる。

自分はというと毎日を生きるのに必死で、ようやく「好き」がある世界に気づき始めた段階。

「好き」が見つからなかった頃の自分は苦しかったし、いまでも納得できる「好き」に出会えているかはわからない。

だからSNSで好きなことを発信している人を見ると、やっぱりまだ羨ましく思っちゃったりする。

SNSっていうのはわりと、知らなくても良い世界を、無理やりにねじ込んでくる存在なのかもしれない。


心の声が小さい自分は、みじめですか?

有名ですが「鬼滅の刃」ってアニメがあって、その主人公が推しなんだけど、その彼がとある女の子に言ったセリフがあるのよ。
その女の子は、自分の意見が自分でわからないから「全部どうでも良い」と感じている子なんだけど、その子に対して推しが言った言葉がこちら。

人よりも心の声が小さいんだね。

by竈門炭治郎

「好き」な感覚がわかりはじめてようやく、この言葉の意味がすんなり受け取れるようになったというか。

わたしにも「好き」な感情っていうのは持つことができて、でもそれに耳をすませるのが不得意だった。
ようやく心の声が聞こえるようになってきて、そしたらなんだか、「すきがたくさんある人生って、いいな」って感じられるようになってきたんだよね。

そもそもね、「好き」がわからない自分をみじめに感じる必要はないんだとは思う。

たぶん大切なのは、自分と向き合って自分を知り、もっと良く知るためにほどほどに行動してみて、好きになれないときには理由を探ってみることなんじゃないかな。

「好き」がない人生だって良い。でも…

「好き」がなかった人生だって、ほどほどに楽しかった。
別にそれで幸せなら、それで良いじゃないか。

幸せの度合いを人と比べる必要もないし、好きでもないものを無理やりに好きになりに行く必要だってない。

でも、「好きなことがない自分」に着目しすぎてつらい人は、ほかにもいるんじゃなかろうか。
そういう人たちが心から幸せならきっと悩まないんだけど、そうでもないから「好き」がない自分に劣等感があるんじゃないかな。

そんな人たちの不安定な心を、やさしく包みこむような発信があっても、良いんじゃないかなって思って記事を書いてみました。

心の声に気づきにくくって、スタートダッシュが遅めで、「好きなことを仕事に」時代に疲れを感じている人が、一緒になってそれを楽しむ。
そんななにかが作れたら…それはそれで、居心地がよくて良いのかもななんて…

終着点はわからないけど、今日はこの辺で。

またね〜!


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