まるこ、ラッパーに引くの巻
Hiphopミュージックでステージ上から観客を煽り、yo!yo!と体を揺らす。
同じステージで戦うラッパー同士で罵り合うラップバトルをしては、最後には互いに称え合って、なんか知らんがかっこいい握手と抱擁をする。
観客に向かってお前らと言っても怒られない、あのラッパ。Say!!ho――!!!って。
プチョハンザ!でフロアが手あげて揺れるの。
それが私の元夫です。
待望の末っ子長女、そこそこ裕福な家庭でお金には困らず、(超)厳格な父の下で礼儀正しい箱入り娘として育てられたまるこは、20代になるとアンダーグラウンドで生きる金なしHiphopラッパーと結婚をするという人生を歩むことになったのです。
『元夫はラッパー』
こんなに面白い過去を眠らせているなんてもったいない!
そう思ってnoteを始めることにしたのだけれど、さてさてどこから紹介していけばよいものか、やっぱり悩むものですね。
ただただ出会い~別れまでをお話したって、そんなのはただの他人の恋愛事情。
笑えることなんてあまりないと思うので。
やっぱりそこは、ラッパーだったからこその話をしなくっちゃね。
でも出会いは衝撃的で、何ならその出会い方だったことで結婚までトントンと進んでいった要因でもあるから、今回はまることラッパーとの出会いをお話します。
まるこは2人の兄の影響で、元々音楽に触れる機会が多い生活でした。
多分血筋的に音楽ラバーなんだと思います。
小学校は音楽クラブで大きなリコーダー吹き、中高では吹奏楽部で熱心に音楽を奏でる真面目な子まるこ。
それに対して兄2人はメタルやハードコア、洋楽ロックにパンクも聴く、とにかく音楽中毒のような2人で。大学生のころから同じバンドを組んで音楽活動をするほどの仲良し兄弟。
そんな兄の影響を受け、学校では真面目で目立たないまるこも高校生になる頃には、ロックもパンクもハードコアも兄達とノリノリで聴いてはライブに足を運びまくる音楽好きに成長するわけで。
当然兄たちのバンドのライブにも毎回遊びに行くわけですよ。
街のあちらこちらに点在する地下にあるライブハウス。
都内にあるライブハウスはほぼ制覇したんじゃないかくらい通っていましたね。
※そんなライブハウスでは元夫のラッパーと出会う前にも、他の夢追い人と出会ってお付き合いをして人生が狂い始めていくので、ライブハウスって私にとっては鬼門なのですけどね。その話はまた別の機会に。
元夫との出会いは、兄のバンドの対バン(当日一緒の演者)でHiphopバンドがいて、たまたまライブを観たという、すごーくシンプルな出会い。
シンプルすぎる。
漫画みたいじゃないか。
よくある一目惚れかよ!?
て??
いやいや正反対。
彼に対しての私の第一印象はとっても最悪で、覚えている感情は『あ、この人一番嫌いなタイプの人間やわ』というもの。
だって意味が分からなかったのですよ。
ラッパーって金ピカなアクセサリーじゃらじゃらつけて、ちょっとガタイ良くてブカブカのファッションしてるイメージあるじゃないですか。
まぁこれは、偏見になってしまうか。。
でも彼の外見は不思議だったのです。
髪は長い黒髪で三つ編みをしたおさげ。
でもって髭が仙人みたい長くって。
黒ぶち眼鏡かけて体は小さめで色白。
ブカブカファッションではなくてジャストサイズTシャツ着ていて、なんなら清潔感がある。
だけど態度は超でかい。なんというか
態度だけは超ラッパー。
なんかその違和感がゾクッときて(←良い意味ではなく本気の寒気)
『俺っていう人間は、ちょっと周りとは違うのよ』っていう癖ありアピールが異常にあって。
あまり関わりたくないなーって思ったのです。
それがのちに夫になる人間とは、1ミリも思えない。そんな出会いだったのです。
不思議なラッパーとなぜ結婚に至ったのか。続けていきますね。今回は長くなってしまって恐縮です。
是非、次回もお待ちしております。